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唯一の精霊族は最強を夢見る  作者: 羽織 輝那夜
魔王育成専門学園
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1-14 ニア・リヴァイアスvsパクル・ドール

 やはり、そうきたか。昨日俺と戦ってみたいと言っていたからな。そういう風に来るとは大体検討がついていた。実は、俺も彼女と一試合交えてみたかった。大人がどれほどのものなのか体験してみたかったからだ。

 俺は、フォン先生と一瞬目があった気がした。

「それじゃあ、皆。第一演習場を借りているからそこへ移動しよう」

 フォン先生は手を上へ突出し、クラスを先導していく。横からニアが話しかけてくる。

「カイ、私。あなたともう一度戦ってみたかったの」

「少しは、強くなったのか?」

「もちろん、あの負けた日から毎日特訓したのよ」

 ニアは大きな鼻息をし、胸を張った。

「その粗末な胸を張ってんじゃねぇよ」

 俺とニアの会話を聞いていたラフクスが口を挟んできた。

「ラフクスじゃない。それに、誰のなにがお粗末ですって」

 ニアは、軽蔑の眼差しでラフクスを凝視する。

「天才と言われ始めていた頃とは随分人が変わったな。昔は教室の隅で本ばかり読んでいたのに、いったい誰がお前を変えたんだろうな」

 ほう、ニアはもともとこんなに友好的な性格では無かったのか。教室の隅で読書か。今のニアからは想像もできないな。

 ラフクスが俺を一瞥すると、ニアは顔が見る見るうちに紅くなっていく。

「何もないわよ!!」

 ニアはそれだけいうと、頭を下げてしまった。そんな会話をしている内に演習場へ着いた。

「皆さん、着きましたよ。ここが第一演習場です。ぱっと見、闘技場に見えるかもしれませんね。ですが、他の演習場には森、水中、都市などもあります」

 フォン先生が、ニア・リヴァイアスとパクル・ドールを指差し、笑った。

「早速、始めましょうか!」

 ニアとパクルはそれぞれ中央から同じ距離を離れた。

「相手を殺さない程度の魔法の使用は許可します。降参するか、もしくは戦闘不能で勝敗を決めます。それではこれより、ニア・リヴァイアスvsパクル・ドールの試合を始めます」

 フォン先生は、手を正面から空気を切るように素早く落とす。

 先に動いたのは、ニアだった。

「先手必勝槍炎(ファムレンス)。あまり女の子に手荒な真似したくないのよ」

 魔法陣が現れ、無数の槍がパクルを襲う。しかし、パクルが口を開くと、無数の槍はパクルへ届く前に消えてしまった。

「なにっ!?」

 ニアが驚いている。パクルはニアの顔を見ると笑い出した。

「面白いね。『女の子に手荒な真似したくないのよ』この台詞をあなたと同じ特待生の女に言うなんて」

 パクルは一瞬言葉を溜めた。

「私を馬鹿にしてるの!!」

 すると、彼女を中心に強風が吹き始めた。

「私が得意とする魔法は風。つまり、あなたの炎とは相性が良いのよ」

 俺は、隣にいるラフクスに

「魔法にも、相性というものがあるのか?」

「なに当たり前な事言ってるんだ。ニアの火は風に相性が良く水と土と悪い。風も同じだ。だから相性のいい魔法は相手の魔法に良くも悪くも影響を与えるんだ」

 ラフクスは意外と普通に教えてくれた。

槍炎(ファムレンス)

 再びニアが唱えると、今度はパクルを全方向から襲う。

護風(ウィガド)

 パクルも魔法を唱える。足元に魔法陣が現れると彼女を中心に上昇気流が発生する。無数の槍は上へ上がると、ニアへ襲いかかる。

 ニアは咄嗟に走り出し、無数の槍を避け続ける。

 「いつまで避け続けることができるかしら!!鎌鼬(ウィライ)

 パクルの手に魔法陣が現れ、風の刃がニアへ直撃する。

「きゃっ!?」

 ニアが倒れると。そこへ無数の槍が彼女へ追撃する。

 ニアは、体中に火傷と切り傷を負いながらもなんとか立ち上がると

「ここで、使うつもりはなかったんだけどね」

 ニアは、俺を一瞥する。

 なるほど、俺との試合の為に切り札を用意して来ていたのか。

槍炎弾(ファンスフォーカス)

 魔法陣から、とても大きな炎の槍が現れた。そして、パクルに向かって飛んでいく。

 護風(ウィガド)槍炎弾(ファンスフォーカス)がぶつかり合う。すると、槍の炎が風に流され、消滅する。しかし、炎は風と共にパクルの中心を囲み続けている。

 突然風が弾けるように収まると中にいたパクルは倒れていた。

「ニア・リヴァイアスの勝利!!」

 フォン先生が叫ぶと、ピカトル・パックが二人の元へ向かい。魔法を唱える。

軽回復(リカブ)

 彼女達の傷が癒えていく。

 なるほどな。風が炎を纏いその中心にいたパクルは暑さに襲われて気絶したのか。軽い熱中症のようなものだろう。確かに、ニアも少し魔法を工夫するようになったみたいだな。

「カイ!私やったよ」

 ニアは弱々しい笑顔を俺へ向けた。

「魔力の使い過ぎで自分で立つこともままならないではないか」

 俺はそう言うと、彼女の頭へ手を置き

「よくやった」

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