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二度目のお目覚め

 また目が覚める。

今度はどうやらベビーベットの上にいるようだ、落ちないように柵がついておりが布団がもふもふしていて気持ちいい。


「キャッキャ」


「あ、起きた」


僕が素直に喜んでいると上から声がした。

声のほうを真っ白な女性が笑顔で覗き込んでいた。ほんとに真っ白だ。

目も唇も髪の色も真っ白だった。

正直怖いと思った。前世では見たことも無い故の未知から来る恐れが僕の中に出てきた。


「だ、大丈夫怖くないよ怖くないよ」


そんな僕の恐れが顔に出たのだろう、白い女性は必死に僕の事をあやそうとするが手遅れだった。

また、感情の波が濁流のごとく流れ出した。


「オギャーーーー」


僕は大泣きした。とめようにも理性が無い僕には止められない。落ち着くまで待つしかない。


「ふぇぇぇん、泣かないでー、私のこと怖かったのー?ごめんねー、ふぇぇぇん」


白い女性も大泣きしていた。

二人で大泣きしていたからだろうか、部屋の外から足音が聞こえやがて部屋に女性が入ってきた。


「どうしたのビャクちゃん」


「ふぇぇぇん、クロトさーん、ノトアちゃんがノトアちゃんが」


「落ち着いてビャクちゃん、ノトアがどうしたの?」


「泣かせちゃったー、ごめべんなざーい」


「オギャーーー」


部屋に入ってきた女性━クロナを泣いている僕を見るや否や優しく抱きかかえた。

その瞬間僕はとてつもない安心感に包まれた。

ああ、これならいやでも分かるこの女性、クロトが僕の母親だと。


「おーよしよし、怖くない、怖くない」


体を揺らしながクロトは僕のことをあやし続けると、やがて感情の波がなくなり落ちついた。


「えらいねーノトア、いい子、いい子」


優しくクロトが声をかけるたびに僕の心は安心感で包まれていく。


「キャッキャ」


「ほらもう大丈夫だからビャクちゃんももう泣かない」


「ぐっす、はぁい、ぐっす」


「ノトアほら、ビャクちゃんは怖くないわよ」


ノトアに言えわれてもう一度、白い女性━ビャクを見る。

白は顔どころか見えている肌全てが白かった。着ている服も白く、本当に真っ白い女性だ。

顔はさっきまで泣いていたため涙やら鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。

さっき感じたような恐れはなく、今はただの落ち込んでいる女性に見えた。


「ダー?」


「ほら、怖くないでしょ?」


「キャッキャ」


「もう大丈夫よビャクちゃん」


「ほ、本当ですか?」


「大丈夫よ、さっきはちょっと驚いてただけだと思うわ」


「それなら良いんですけど・・・」


「心配しすぎだって、ね?ノトア」


「キャッキャ」


クロトがビャクのことなだめていると部屋の外から声が聞こえた。


「ただいまー」


若い男の声だ、この世界にきて初めて男の声を聞いたな。


「ほら、ビャクちゃんラジナ帰ってきたよ迎えにいこ」


「・・・うん」


今度は誰だろう?

そう思っていると、クロトが答えた。


「ノトア、お父さんが帰ってきたよ、会いに行きましょ」


僕のお父さんはラジナっていうのか早くあってみたいな。

僕はクロトに抱きかかえながら、部屋を出た。


感想、評価して下さればやる気につながります。

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