嘘を終わらせるために
増えている……だと!
カネルドの戦闘が終わって、カーネラルの方は。
ハエンドは確実にカーネラルを追い詰めていた。
単純な遠距離射撃を得意とするハエンドは、亡霊の機体と死神の機体では無理があった。
距離を詰めようとしても、牽制され。腕を伸ばしても銃で勢いを消される。
どうしても悪手ばかりだ。
どうしようか、考えているのだろう。その時、無線が飛んでくる。
「「そっちにサアラン行くよ~」」
「ありがとう、もう少し持たせる」
やりとりを終わらせて、死神の機体で動きつつアンカーを飛ばしては蛇剣を使い攻撃を当てようとする。
カネルドの使い方は、真似しても……どう頑張っても、同じくならない。機体の負荷が多すぎる、速度を出せば出る。しかし、その分フィードバックが自分にかかってくる。
それを調整している、感情を上げ下げするように。
「もう……こんなのどうやって、使ってるのよ……!」
「独り言を言ってる暇があったら、集中すればどう?」
「くっ!」
高スピードを出せば、その分自分に痛みが襲い掛かってくる。だから遅くしても逆に、攻撃を避けられない。
そうしてる内に歌声が再び、世界に響く。
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あなたは 今何処にいますか
闇の中に いたら 叫んでください
助けて とその声は 最初届かないかもしれない
でも 必ず 聞いている人がいる
それは ほんの小さな 小さな光
でもそれはあなたを それを温めてくれる
だから 今一度叫ぼう 助けてと
世界は あなたを必要としている
必要ない 命なんて 無いんだと
あなたの 今を 生きよう
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天に伸びた光は、黒く淀んだ空を……あおい空に戻していた。歌声に呼応するように、その大樹も光っていく。
誰もが美しいといえる、美しい光を。
カーネラルは奥から走ってくる機体を見る。灰色の機体が走ってくる……サアランドだ。
ハエンドからの攻撃を回避しつつ、無線で叫ぶ。
「どうしたの? こんな所に来て」
「劣勢なんだろう? あの2人組の方行ってろ!」
「いうじゃない、まぁそれに乗っからせてもらうわ」
そう言って、カーネラルはその場から離れるハエンドが銃を乱射するが、全速力で去る。
サアランドは、追いかけようとするハエンドを静して。
「おっと、どうせなら……ここで遊んでいかないか?」
「あら、女を誘うならもう少しやり方あるでしょ?」
「手厳しい……まぁ関係ないがな」
そう言って2人は衝突した。




