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膨れ上がるは一つ事

 なんじゃ!?なんなんじゃ!?


 "極地"の状態において、こんな事に陥った事はこれまでになかった事じゃ


 再度、極地を行い間を取ってみても、危険を知らせる感によって肉眼による認識に戻れば、そこには再び相手の得物が迫っている状態になっておる



 それに合わせて、ここ何十年も忘れていた焦りや驚きにも近い感情がよみがえってきておった



 感情・・・か



 とうに忘れてしまっていたそんな感情であったそれを思い出させた相手


 そんな相手というのが、大娘ときておるとはな・・・


 そして、そんな大娘に対し、極地では何の効果も上げられないという事実だけが残り、結果は同じであったことにワシは驚いてしまった。



 なれば、ここは極地に頼らぬ、研鑚した己の技量で対応するまでじゃ



 何も極地に頼らずとも、己が研鑚し続けた技量を使用すればよいまでの事


 その技量を持ってしまえば・・・ほうら、相手の剣筋なぞ読み取れ・・・読み取・・・れ・・・?!


 なんぞそりゃ・・・!?



 相手の剣筋を読み取れはするのじゃが、その剣筋の行き先を知るとともに危険という信号を感ともいえるものが感じ取ってしまい驚くしかなかった


 なればとワシ自身の動きにより相手の動きを誘導させてみるも、誘導にはあっさりを乗ってはくるのは拍子抜けも良いのだが、誘導した軌道を力で無理やり急変させて突き進んでくるとでもいうべきなのだろうか、慣性が起きうる筈の方向とは真逆に変わろうが勢いがまったく落ちることがない・・・



 無理やりすぎるにも程があるぞ!?



 受けつづけるのもと、こちらから攻めてみようぞと進み出る。


 物には斬れる筋という物が存在しており、その筋に剣を乗せるだけでいかなる物もたやすく斬れるものなのだが、その大娘の斬れる筋にワシの剣を乗せたにもかかわらず、その筋の途中で止まってしまう。


 バカな・・・すべてのモノには、必ず斬れる筋があるというのに、この大娘にもソレは無数に存在しているにも関わらず、何故かとんでもない力でその筋に乗せた剣が止められるじゃと?


 止められたかと思えば、大娘が振るう無軌道な得物が振るわれ、ワシも対応せざる得なくなる


 なればと、距離を放して研ぎ澄ました斬撃の刃を飛ばしてみるも、その大娘の振り下ろした得物の一撃によって粉砕された・・・ワシの見えぬ斬撃その物を粉砕しおるじゃと・・・!?



 ワシが行う剣の(ことわり)その物を、すべて否定し続けてきおる・・・



 しかも、大娘の振るわれる得物の軌跡は、どうみても剣を知らぬ若造のソレでしかない。流した後に、斬れる筋に乗せ抜いてみようものなら、ワシの剣がついに曲がってしまったという・・・



 こんな大娘が放つ出鱈目の剣に、ワシの剣技がことごとく粉砕されてゆく。 


 ワシが至った(いただき)というモノは、一体何だったのかと思わされる。


 これはもう剣術とかそういう類ではない、野生の獣とでもいうのか?


 いや、野生の獣であってもここまで生の理(せいのことわり)を無視する様な動きなぞせん


 なれば、なんぞ?


 まるで自然災害の(たぐい)とでもいうのか?



「なんじゃ!?おぬし!一体なにモンじゃ!?」

「天才!」

「はぁ?」

「天才!!」

「どこがじゃ!!そんなものは出鱈目というモノじゃ!!」

「じゃぁ、デタラメの天才!」

「はぁ?!お主は馬鹿か?」

「馬鹿じゃない!天才!」



 こんな出鱈目な剣しかもたぬ馬鹿な大娘が天才じゃと?甚だ可笑しいわ!


 同じ"てんさい"という呼び名でも、防ぐことも出来ぬ自然災害である"天災"の方がしっくりくるわい!


 ワシの繰り出す剣激を、ことごとく通さないという、まるで超えれぬ道理がそこに存在しているという感じじゃったが、なればその道理を切り裂くまで


 そう、覚悟を決めたとき



「うー・・・もう、めんどくさい!思いっきり行く!!」



 大娘はそういう叫ぶと、得物を高々と振り上げおった、


 そんな隙だらけな状態を、見過ごすわけはなかろう!


 世の理をも超えた、ワシの最速の剣というのを見せてやろうぞ!





 最速・・・の・・・





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