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浴衣姿

「綺麗っ!」

打ち上げ花火を見上げる浴衣姿のカンナが呟く。

「そうだね。」

僕は、数歩下がり、打ち上げを見上げるカンナを見つめる。


小さな夏祭り。

打ち上げ花火も時間にすると僅か。


あの日の“少し考えさせて。”の答えは、“今年は行けない。”だった。

そのかわりが、電車で1時間ほどにあるこの街のこの夏祭り。


待ち合わせに浴衣姿で現れたカンナ。

何度も何度もカンナと会ってるけど、浴衣姿のカンナは初めて。

“ドキッ”としたのが、正直なところだ。

夏祭りのあるこの街にいくのも初めて。

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