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勇者は魔王を倒したい  作者: 時島さちこ
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暗黒の時代の始まり



初めて魔が現れたのはいつだったか。



王都の中央神殿に存在する「はじまりの書」。

   


そこには、こう記されていた。


『我々ハ大キナ過チヲ犯シテシマッタ。


己ガノミ正シイ存在ナノダト、ドウシテ傲慢ニモ思ッテシマッタノカ。


闇ガ空ヲ多イ、大地ハ多クノ者ノ血デ穢サレタ。


助ケヲ求メル権利ナド我ラニハ与エラレテイナイ。


我ラハ魔ヲ持ツソレラ(・・・)ニ怯エ、タダ死ヲ待ツ運命ナノダ。』




著者は国の最高位の神官であったトリトン神官だ。


彼はいち早く魔の存在に気づき、王へと助言した者として知られている。


彼は抑えきれない魔の浸食に死を覚悟していた。


しかし、そんな彼の前に一筋の希望が現れる。




『シカシ、神ハ我ラニ救イノ手ヲ伸バシテ下サッタ。


聖ナル剣ヲフルイシ勇者ガ現レタ。


神ニ愛サレシ穢レヲ祓ウ聖女ガ現レタ。


慈悲ブカキ心ヲ持チ傷ヲ治ス僧侶ガ現レタ。


強イ力ヲ持ツ屈強ナ戦士ガ現レタ。


彼ラハ魔ノ王ヲ倒シ、再ビ我ラニ光ヲ与エタ。』





人々は彼らに感謝し、世界は救われた。





これは一般教養として、国の民が皆学ぶ歴史である。


しかし、多くの者は歴史の裏を知らない。


トリトン神官のある一文が伝えられていないように、感謝された彼らが決して皆生きていたとは一言も伝えられていないように、国は自分に不都合な部分は消してしまうのだ。






その事実に勇者らがたどり着くのがいつになるのか、まだ誰もわからない。




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