サンタが街にやってくる!
ロンドン
今日はクリスマスイブ。
そんな日もジェットとケンが依頼を受けていた。
「ったく、クリスマスイブくらい休ませてくれよケン。」
「いや僕に当てられても…」
5日前
ジェットの元にある男がやってきた。
トイズ・カンパニーというおもちゃ会社を経営しているという彼の依頼内容とは、ライバル会社の社長をクリスマスイブに自殺に見せかけて殺してくれというものだった。
「で、ライバル会社とは…」
「ETM 社です…」
ETM 社、業界NO.1のこの会社の主力商品に使われているミニ・バイオフレーム技術が男の経営している会社と業務提携をしていないのに関わらず、独自に特許を取得していたのだ。
「で、その後あなたの会社は…」
彼はため息をついた。
「新技術の特許を取得された限り、我が社はもう…」
彼は涙を流した。
「泣くな!俺も泣けるから〜!」
ジェットももらい泣きした。
「依頼、引き受けるから!」
ジェットは日にちを忘れて快諾した。
「ちょっと待て!俺はイブってことを忘れて快諾しちゃったってことなのかケン!」
「そうだって、断れって言ったろ!」
ケンは急に口が悪くなった。
ETM本社ビル
その日はクリスマス商戦のための最終会議が開かれていた。
「私は、12月25日の朝日を浴びた子供達の笑顔が見たい!我が社の商品で!ここで品薄になっている商品の一斉再販をする。時間は各国標準時10時から。どんどんマスコミに伝えてほしい。以上だ。」
「お疲れ様でした社長。ところで、社長に会いたいという方がおりまして…」
「なんだなんだまたターボマン人形が欲しい輩か?10時から売り出すと言っておけ。」
「いやぁそれがトイズ・カンパニーから雇われたと言ってます…」
社長室
ソファーに座っていたのは、ジェットとケン。なぜか笑顔だ。
「ソファーに座る時は奥で向かうんじゃなく、手前で無表情で待ってろ。」
「何言ってんの、笑顔が見たいからこんなおもちゃ売ってんだろ。ターボマン人形。」
ジェットは社長にターボマン人形を投げつけた。
「ちょっと!」
一番反応したのはケンだったが、ジェットは話を続けた。
「お前がトイズ・カンパニーの技術をパクったんだろ。このターボマン人形にも使われているミニ・バイオフレーム技術を。」
「何を言ってるんだ。まずトイズ・カンパニーという会社はもうこの世にないぞ。」
「嘘つけ!」
ケンが首を突っ込んだ。
「それじゃあ今から調べるか。」
社長は検索結果をスクリーンに表示した。
トイズ・カンパニー…今から14年前に倒産。
「え…?」
ジェットとケンは驚くどころか呆れた。
あんな泣き落としで快諾したのに後悔した。
「おそらく我が社に逆恨みしてる旧社員だろう。こんな事例はよくある。」
「じゃあ殺すべき奴って…」
夜
依頼した男との待ち合わせ場所でジェットとケンは待っていた。
「どうでしたか。ちゃんとできたんですか?」
「俺たちからのクリスマスプレゼントだ!」
「…?」
BANG!
A.D2264.Dec.24 PM.22:16
次の日
ジェットの寝室にたくさんの箱が積み重なっていた。
「…なんだよこれ。おいケン!」
少し間が空いたがケンが部屋に入ってきた。
「わーすごーい。開けてみてくださいよ。」
ジェットは包み紙を思い切り破ってみた。
「お!これってバーコードファイターだろ!子供の頃家にサンタからもらったんだよなぁ…てかなんでこれを?」
「さーワカリマセーン。」
「だよな。じゃマジのサンタか⁈」
A.D.2264 Dec.25 AM.20:13
ここから加筆予定!