Tree
短編の予定でしたが、作者が執筆後記を書きたいという身勝手のため連載となっております。
ご理解下さい。
ある街の外れの小さな公園。
そこには一本の大きな木がありました。
木の枝にはたくさんの鳥たちが集まり、また木の下にはたくさんの人々が集まりました。
鳥たちと街の人々は昔から、とても仲良く暮らしていました。
鳥が巣を作るときは、人はそれを静かに見守り、人が遊ぶときは、鳥は歌を歌うのをやめていたのです。
ある時、一羽の鳥が、街の子供たちが楽しそうに遊んでいるのを見て、つい歌を歌ってしまいました。
それを聞いた一人の少年が言いました。
「なぜあの鳥は歌ったの?僕は鳥たちが巣を作るとき、静かにしていたよ」
少年の父と母は、それを聞いて言いました。
「鳥たちはこれからきっと私たちの邪魔をするのだ。子供たちが遊んでいるときに歌を歌ったのはそのためだ」
すると街に住むすべての人々が言いました。
「そんな鳥たちと一緒に住んでなどいられない。鳥たちをどこかへやってしまわなければ」
街の長はそうして言いました。
「あの木を切り倒してしまえ」
その夜の間に、木は切り倒されてしまいました。
次の朝、公園に行った子供たちがそれぞれに言います。
「木が無いよ。鳥たちもいないよ」
大人たちはそれに答えます。
「それで良いのだ。もうお前たちを邪魔するものは何も無いのだから」
月日は流れ、子供たちは鳥たちや木の事を忘れ、今日も遊んでいます。
遊ぶことに夢中になっています。
公園にはあの大きな木の切り株しかありません。
鳥の歌声はどこからも聞こえません。
完結。
次話は執筆後記。




