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02

男はこの国の王子であったが、訳あって身を隠さなければならなかった。そして今男は体を休める場所を探していた。なにせ時刻はもうすぐ深夜だ。どこも灯りが点いている家などなかった。


どこかの木の上で眠るのも有りだが、男が歩いている所には生憎木など全くなかった。


しばらく歩いていると、道の少し外れた所に家が建っていた。その家は人目に目立たない所に建っており、男も注意深く周りを見てないと見つからなかっただろうというくらい目立たなかった。


男は都合上あまり目立ちたくはないし、身分がばれたらそれこそ一貫の終わりだ。この家がもし空き家なら自分が住もうと考えその家に近寄った。


いざこの家の前に建ってみると、まず意外と大きい事に驚かされた。外見もあまり廃れていないオシャレなレンガ造りの家だ。


男は中に入れぬものかとドアを引いてみた。引いたり押したりしてみたが、ドアは開く様子がなかった。


ここには人が住んでいるようだ。しかし男は諦めなかった。もしかしたら窓はいけるかも・・・と。


そうして男は裏手にわたり、窓を探した。窓はある、さらにはベランダまであったが、窓は鍵が掛かってるし、ベランダは二階だ。


やっぱりダメかあ・・・と肩を落としたが男は待てよともう一度上を見上げた。それから周りを見渡した。


そして男はある事に気付いた。この家は横と後方を鋼鉄の柵で囲ってあったのだ。


この柵を上手く使えば、二階に上がれなくもない。男は柵に飛び乗り、そこからベランダへ飛び移った。男は自分の身体能力には自信があったので失敗する事なくベランダへの侵入を成功させた。ちょっと足を捻った気がしないでもないが、そこは気にしない。


そしてベランダに上って一息ついていた所たまたまベランダに出てきた住人に見つかり、ダメ元であ、どうも!!と挨拶したにもかかわらず胸倉を掴まれ押し倒された。


そして今現在に至るわけだ。




男は等々途方に暮れた。どうしようこのままだと俺ホントに死ぬ。そう思った直後、急に呼吸がしやすくなり、体に圧し掛かっていた重みがなくなった。


「ま、とりあえずは皆と会議だな。皆を呼んでくるよ、ウィル」


「ああ、俺もそのつもりだった。このまま睨み合いは嫌だからな」


どうやら助かったようだ。そっと胸を下した瞬間ウィルと呼ばれた男が振り返って言った。


「お前、逃げたら地獄まで追いかけて殺す」


・・・・・・ウィルの目を見た瞬間男は心の奥底で叫んでいた。


死ぬっっっっっ!!!!!!!!!!!!

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