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「ロイ遅いなあ・・もうすぐ夕飯なのにー・・・」


ウィルはそう言いながら外を見た。


「しっかし今日はやけに静かだなあ。なあんかやな感じだ」


ベルルトが自分の剣の手入れをしながら呟いた。


すると今までずっと厨房で料理をしていたキールが神妙な面持ちでこちらへやって来た。


「ベル、今すぐトーニョさんとロリンシスさんを呼んできて。外に何かが集まってきてる」


キールのその言葉を聞いた瞬間ウィルとベルルトが動き出した。


そして急いで二人を呼んできた。全員がリビングに集まった事を確認したキールが静かに言葉を紡ぐ。


「先ほど料理をしていた所、キッチンにある小窓から誰かが覗いておりました。怪訝に思ったので少し様子を探ってみたのですがこの家を囲むようにして沢山の人間が配置していました。恐らく城の人間です」


「俺等を嗅ぎつけて来たってことか・・・・?」


ベルルトの言葉にキールが頷く。


「おそらくその可能性が高いと思います。ロイくんが今この場に居ないのがせめてもの救いです」


「ああ、そうだな・・・」ベルルトが目を伏せながらそっと呟いた。


「ロイには悪いがこのまま敵片づけてさっさとずらかった方がいい」


トーニョも同意した。


「俺もそう思うよ。ロイが帰ってくる前に終わらそう」


ロリンシスもナイフを両手に持ち言った。


「じゃあ、やりましょう・・・」キールが日本刀を手にしながら言った。それに続くように各自それぞれ武器を持って立ち上がる。


「さん、にー、いち・・・」


ばああああああん!!!!!!という大きな音共に戦いの幕が切って落とされた。




暗くなった路地を必死に走る。もうすぐ屋敷に着く。どうか間に合ってくれ。ただただそれだけを祈りながらロイは帰路を急ぐ。


刹那、目の間に影が静かに降り立った。アルベルトだ。


「っ、アルベルトどうしたっ」


ロイはゆっくり息をしながらアルベルトに問うた。


「お急ぎ中失礼いたします。本時刻より戦闘がはじまりました。帰路をお急ぎください。それとこちらが例の調べ物の結果にございます」


そう言ってアルベルトは一枚の紙ロイに差し出した。その紙に目を通しロイは一つ大きく息を吐いた。


「よく分かった。感謝する」


「滅相もございません」アルベルトは恭しく一礼した。


そしてロイに剣を差し出した。そしてもう一つロイが逃亡の際にアルベルトに預けた漆黒のカフスだ。


「お持ち下さいませ。今ならまだ間に合うはず。どうかご無事で。白銀のカフスはもうしばらくこの爺めがお預かりしておきます。・・・・坊ちゃん」


アルベルトの言葉にロイは微笑んだ。


「うん、爺や、行ってくるから。ありがとう」


ロイはそう言い残して踵を返した。彼の右耳には漆黒に輝くカフスが確かにはめられていた。

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