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一羽の烏(正式発表)
*****一羽の烏(あと365日)*****
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「あと365日で、この学校は廃校になります」
先生は少し引きつった顔でこう告げ授業を始めた。
どんよりとした雰囲気でみんな授業を受ける。
はかどるわけがない。烏の鳴き声が聞こえるほど静かな教室に、疲れまで覚えた。
それほど重たい空気が漂っているのだろう。
いつも居眠りするような、仲良し三人組のひとり栗山一輝が
6限目を真剣な顔して起きている。よっぽどなことだ。
放課後、僕たちは秘密基地である三都川に集まった日高晴真、
いつも元気な一輝さえも黙り込んだ。
最初に口を開いたのは、晴真だった。
晴真「よし!こうしてても仕方ないし、思いっきり遊ぼうぜ!」
この一言で、僕たちの方針は決まった。
元から、この方向にしか進まないことは、必然だったのだと思う。
それから三人は三都川で遊んだ。
だが、良い方向へ進むとは限らなかった