表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/29

6章

『さぁ皆さんお待ちかねの第263回ジン・コンバット決勝トーナメントの開催です!!』

 司会が盛大に観客を盛り上げていく。観客は千を余裕で越えている。そんな人数に対して空席をチラホラと見せる競技場。

 そして控え室に控えている俺と薫。

 周囲には四人の選手が俺と同じように控えている。もちろん、そのなかには生徒会長ーー王もいる。

 ……あいつを倒せば神への道が見えるはずだ。

 俺は昨日、生徒会長の桜花駿に出会い、その時に耳元で


『神への道が欲しければ、オレを倒せ』


と囁かれた。

 その時、ある一つの考えが頭に浮かんだ。

 ……王は俺が生き返った存在だと知っている。そして神のことについて何か持っているはずだ。

 その日の夜に俺は薫と共に修行を行った。今日のこの試合に勝つために。

 だから負けるわけにはいかないんだ。

 ーーと不意に控え室の扉が開く。中からはジン・コンバットの関係者が姿をあらわす。

「選手の皆さんはついてきてください。今からジン・コンバットの会場へ案内します。ではどうぞ」

 俺たち選手一同は関係者の後についていく。



 歩くこと二分。俺たちはデカイ扉の前に案内された。とにかくデカカった。

「こちらの扉を潜ってもらいますと、会場に行きますので、私たちがついていくのはここまでです。では選手の皆さん今日は頑張ってください」

 ジン・コンバット関係者が皆にそう告げ、サッと姿を消した。

 緊張があるなか目の前に構える扉がギシギシと音をたてながら開いていく。

「おわっと!?」

 緊張するなか誰かが俺の背中を叩いてきた。

「なぁに緊張してんだよ、そんなんだったら満足に戦えないぞ神崎!」

 後ろを振り向くとそこには元気そうな王と相変わらず無愛想な聖霊ーーエスパーダの姿があった。そのエスパーダはなにかを見ている。冷たい瞳の先を辿ると……俺の聖霊ーー夜白薫を見据えていた。

 なんか凄い光景だな……。

 視線をエスパーダから王に移し、今日の王に意気込みを聞いてみる。

「王は優勝狙い?」

「神崎には負けられないしね。だから、まぁ優勝狙いかな、一応……」

 王は苦笑で返事を返す。

 どうしても王は俺には負けたくないらしい。俺たちも勝つきでいるから、やすやすと負けたくはない。

「俺は絶対王に勝ってやるからな!!」

 いままで開いていた扉が完全に開き、選手が次々と入っていく。王とエスパーダが入っていき、最後に俺と薫が入る。

 次の瞬間、俺たちは観客の大歓声に包まれた。千を余裕で越えている歓声はすさまじかった。

 すごい熱気だ……。また緊張してきた。

 緊張しつつも指定された場所まで歩いていく。

 その場所の目の前には青白い光が天まで伸びていた。すると、選手の人たちが次々と光のなかへ進んでいっている。俺も少し遅れたが、薫と共に光のなかへ進む。

「おぉ!」

 俺は感嘆の声を出していた。

 入った先には巨大なビルがいくつもそびえ立っていた。周りに幾つも幾つも立ち並んでいる。

 しかし、周囲を見渡しても王、選手たちはどこにもいない。あるのはビルだけ。薫も周りをキョロキョロと見ている。どうやら同じことを思ったのだろう。

 すると、上空の青空に突如、スクリーンが出現した。そのスクリーンにはこのジン・コンバット司会者の姿を映し出している。

『選手の皆さん、今いる場所は今回のジン・コンバットの戦闘場所(バトルフィールド)のビルステージです!そこで自分以外の選手を倒してもらいます』

「まぁ負けるきはしないけどな。この日のために薫と特訓したんだし結果を出さなくてどうする」

「颯人君、昨日の成果出そうね!私もすごく頑張るから」

 相手が何人だろうと俺と薫は負けない。

 再びスクリーンに視線を戻す。今はちょうどルール説明だった。

『ジン・コンバットのルールを説明します。相手に勝利する条件は、指にはめている指輪を奪うことです。残り人数が二人になるまで奪い合ってください。その残りの二人は明日のジン・コンバット決勝戦に出て優勝を争っていただきます』

 司会者の説明を聞き、疑問が一つ浮かんだ。

 ……俺は指に指輪などはめていない。ましてや指輪を一度も持ったことがないのだ。

『指輪がない選手も持っている選手も今回はジン・コンバット専用の指輪を使用してください。この指輪は皆さんの右ポケットにいれてあります。装備を欠かさずに!』

 すぐに俺は制服の右ポケットに手を突っ込んだ。指に固い感触が伝わり、それを目の前まで持ってくる。

 掌には一つの指輪が輝いていた。

 それの中央には赤い宝石が飾られている。

 俺は、気分で右手の薬指にその指輪をはめた。

 ……意外に、フィットしてるぞ。この指輪……。

 手を降っても落ちないか確認して、俺はもう一度上空のスクリーンを見る。

『ルールは以上です。それでは選手の皆さん、準備はいいですか!試合開始まで10秒です!!』

 司会者のカウントダウンが静かなビル群に響き渡る。

『9!……8!……7!……6!……5!』

 俺と薫は顔を見合わせ、コクッと頷く。

 そして時間はラスト1秒になった。

『ゼロォ!!試合開始ィ!!』

 瞬間、俺は地面を思い切り蹴った。



こんにちは、先週投稿出来なかった境界線上の日々です。

中間考査が終わったので一安心です。

今回から新章が始まりました。

次回も頑張ります。

読んでいただきありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ