表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/67

しゃくでば! 蹴

「呼ばれて飛び出てしゃくしゃくーんっ!!

 みんなー☆

 どーもお久しぶりしゃくぅぅぅうう!!

 なーに驚いた顔してるしゃくかぁ!?

 僕しゃく!

 美鶴しゃくー!!」


はい。

はいじゃないが。

いや、うるさいが。

もうさ。

なんでまた俺がこいつと会うことになったのかっていうね。

謎が甚だ大きい。


「いやー本当に久しぶりしゃくねぇ。

 今度こそヴぉくの出番はなくなると思っていたしゃくけど

 どういうわけか気が向いてまた出てみることにしたしゃくよ」


「おう」


俺はのんびりと返事を返した。

なんでこうなった。

もうしゃくでば!は終わったんじゃないのか。

そんな俺の心の中を読むように美鶴は


「しゃーっしゃっしゃ!!

 ヴぉくは無敵しゃくよぉ?

 そんな簡単に終わる訳ないしゃく!

 まさに無敵!

 まさに最強!」


最強とか無敵とかなんか厨二なことばかりを発言した。


「ああ、はい」


「はいじゃないしゃく!!」


もうなんなんだよ。

こいつに合うことは二度とないと思ってたのにー。

もうさ。

なんでこうなったよ。

面倒だから反応も返したくないしさぁ。

「波音は毎回毎回、テンションが低すぎるんしゃくよ。

 そんなんだから主人公の座を奪われるんしゃく!」


ありもないことをわめきたてるんじゃない。

みっともないというかメンドクサイというか。


「誰に奪われたんだ誰に」


聞くだけ聞いてみる。

答えは


「しゃーっしゃっしゃ!」


俺をバカにした笑いだった。

あーもうだめ。

開始五分でここまでイライラ来たのは久しぶりだわ。

やっぱりこいつうざいわ。

駄目だ、腹立つ。

もう死んでくれ。

頼むもう。


「しゃっしゃっしゃっしゃ」


あーもー。

なんでこいつここにいるんだ。

頼むからもう死んで。

生きなくていい死んでー。

お願いだよもう。

頼むから。

死んでくれってばぁ。


「あーでもあれしゃくよぉ。

 ヴぉくは完璧しゃくからねぇ。

 波音も反論できないんしゃくねぇ」


「何にだよ」


「ヴぉくのかっこよさしゃくよ」


はいはい。

俺は美鶴から目を背けて空を眺める。

綺麗だなー空。

これぐらいでいらっと来ているようじゃ俺もまだまだということか。

牛乳飲むか。


「帰っていい?」


ダメ元で聞いてみる。

駄目かしら。


「だめしゃく」


ですよね。

だってさぁ、聞いてくれよ。

なんでこうなったかって言うとな。

俺がな。

街を歩いていたんだよ。

そうしたら前のな。

草むらがガサガサ動いたかと思うとな。

あ、やせいの美鶴が勝負を挑んできた! ってなったんだよ。

逃げようとしたら掴んでくるしでもうさ。

大変。

頭がおかしいんじゃないかってぐらいにまで俺に話しかけてくるわけ。

なんでそこから出てきたんだよというかさ。


「帰る」


「だめしゃく」


「帰らせてお願い」


「だめしゃく」


「あああああああああああああああああ」


死ぬ。

発狂する。

頼む誰か助けて。

そう願った時だった。


「呼ばれた気がしてじゃじゃーんっ☆

 ハニーの助け神セズクだよーっ♪」


Oh No!

Horry Shit!

さらに状況が悪化しそうで俺は頭を抱えた。

なんでだ。

なんでお主が出てきた。

普通はシエラとか蒼さんとかさぁ……。

もうちょっとまし、というよりか頼りがいがある人がさぁ。

来るもんだろ、常識的にさぁ。


「はぁ……」


大丈夫なのかね。

こいつで。

とりあえず泥船ではあったが助け舟は来た。

助けてもらえるところまで助けてもらおう。


「まぁ任せて」


「しゃく!?

 ホモ野郎じゃないしゃくかぁ。

 波音が昔の女に似てるからってしつこく付きまとうストーカー男しゃくねぇ」


「……あ?」


今までにこやかだったセズクさんの顔が引きつった。

おい美鶴。

今お前はナチュラルに触れちゃいけないところに触れた気がするぞ。

おい。


「それで、さびしくってさびしくって敵を殺しまくったしゃくよね?

それでもなお満たされない寂しさを波音で埋めようとしてるしゃくよね?」


「…………」


「何も言えないのが図星しゃくよね?

 セズクはどっちかというと僕寄りしゃくよ。

 ロクな出番も用意されず、影に隠れて――」


やめとけって、それ以上は!

俺が心の中で絶叫した瞬間、美鶴は俺の目の前から消えていた。

代わりに片足を上げたセズクが立っている。

あれ?

セズク俺の横にいたよな?

遅れてやってきた風で金髪が揺れ、ポニーテールも揺れる。

まるでゴミを見るような目つきでセズクは


「黙ってろ、クソ顎が」


と唸った。


「セ、セズク……?」


怖いなおい。

どうしたんだ彼。

というか美鶴の出番終わり!?


「波音?」


「は、な、何?」


びくびくしながら答える。

怖い。


「波音、僕はそんなつもりで君の側にいるんじゃないからね」


セズクが目を向けた先には美鶴が電柱にめり込んでいた。

顎ががっつりと突き刺さり、顔もコンクリートにめり込んでいる。

音速を超える速度でめり込んだらあれぐらいになるんじゃないかしら。

勝手にそう予想する。


「分かってるよ」


そりゃ……そうだろ?

な。


「ふふふっ。

 ハニー愛してるよ」


「今言われると恐怖しか感じねぇよ、それ」






          つづかないー


おっひさしぶりです。

おっひさしぶりの更新です。

いやぁ、美鶴のうざさを忘れてましたよ。

そういえばこいつうざかったです。

久しぶりに更新すると美鶴がどんなんだったか分からなくなってました。

たぶんこれでいいはずっ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ