しゃくでば! 接着剤
「なー、美鶴」
「しゃく?」
俺は横を歩く美鶴にある液体をかけてみた。
「ひゃっ、つめたっ!?
な、何するしゃくかぁ!?」
わめく美鶴をそのまま壁に押し付けてみる。
前々からこれやってみたかった。
人で試してみたかった。
「な、何するしゃくかっ!?
離すしゃくよっ!?」
「ういうい」
俺は十分に乾いたかな、と予想しながら美鶴から手を離した。
「まったく、急に……しゃく?」
美鶴は不思議に思っただろう。
そう、俺がかけた液体はタイトルの通り超高速瞬間強力接着剤なのだ!
何を隠そう超高速瞬間強力接着剤なのだよ!
「は、離れないしゃくよぉ、波音~」
「ふむ……。
と言うことは人体にも有効ということか」
ふう。
満足した。
もういいや。
「美鶴、もういいぞ。
何やってんだ?」
美鶴はうるうると目を潤ませ俺を見てきた。
顎の皮膚はうにょんと長く伸び、顎と壁がくっついている。
無様である。
「た、助けてくれしゃくよぉ!
しゃぁあああああん!!
しゃぁああああああん!!!」
「泣くな。
今強力な助っ人を呼んだからな!」
「強力な……?」
強力も強力。
そう最終兵器ぐらいにね。
「呼んだ?」
おお、シエラ、来たか。
「状況は見ての通り。
美鶴を助けてやってくれ」
「了解した」
「しゃ?
な、何をするつもりしゃくか?」
シエラは片腕を刀に変えると
「しぇやぁあああああ!!!」
一気に壁を切り裂き、美鶴を分離させた。
「しゃ?
お、おぉぉおしゃくよ!!」
さすがだ、シエラ。
「終わり?」
おう、もういいぞ。
「なんなんしゃくか、これ」
つづかない。
おいらは接着剤を手につけて遊んでいたところ
剥がれなくなり、無理やりはがしたところ
皮膚まで剥がれて血がすごかった記憶があります。
接着剤は正しくおつかいください。