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しゃくでば! なぜ
俺は美鶴に言った。
「なぜ」
と。
美鶴は黙っていた。
もう一度俺は言った。
「なぜ」
と。
美鶴は返事をしない。
美鶴……。
なんでだよ。
「なぜ」
美鶴はベットで寝ている。
安らかに……。
白いベットの中で美鶴は寝ている……。
「なぜだよ……美鶴」
なぜだろう。
俺は涙が止まらなかった。
こいつは昔からこうだった。
いつもバカなことをやって……。
美鶴……。
お前、本当に……。
「なぜ」
もう一度、もう一度だけ。
ベットにこぼれた涙を手で拭う。
「なぜ……俺のプリンを食ったんだ」
こいつ、俺のプリン食いやがった。
それで満足したのか俺のベットで寝てやがる。
ありえん。
この野朗……。
「しゃくぅぅすぷぅ……」
よし、殴る。
殴りつけるぞ。
「せーの……」
ごきっ!
「しゃぁああああああああああああああああああああああああああ」
食べ物の恨みは恐ろしいのだ。
恐ろしいのです。