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しゃくでば! 嫌がらせ

「ねぇ、ねぇ、波音、波音しゃく」


んだよ……。


「……………」


「しゃくしゃく」


何なのさ。

言うなら早く言えや。


「う゛ぉく思ったしゃくよ」


何を。

早く言え。


「しゃく、思ったしゃく」


「おう、おう……?」


「う゛ぉく、帰ったらきちんとしたいい子になりたいしゃく」


はあ。

何かと思ったらそんなことか。


「いいんじゃね?」


しばらくの沈黙。


「波音、波音しゃく」


いらっ。

何?

まだ何か言いたいことがあるのか?


「う゛ぉく思ったしゃくよお」


「ほう。

なにをだ?」


本当は無視したかったが無視するとうるさいからなぁ。

仕方なしに聞いてやる。

しゃーなしやな。


「僕、帰ったらきちんとしたいい子になりたいしゃく」


「さっきも言ったよな、それ。

 何で改めて言い直したんだ?」


「大事なことだったからしゃく」


「……はあ」


またしばらくの沈黙。

ああ、手が痛くなってきた。


「ねぇ、波音、波音しゃくしゃく」


「なんだ……」


半ば諦め気味である。

こいつは何を言っても聞かないんだ。


「僕また思ったしゃくよ。

 家に帰ったら冷蔵庫のプリンを食べたいしゃく」


…………。


「確かに……な」


疲れた。

まだか?

まだなのか?


「なあなあしゃく」


「…………」


「なあなあしゃくしゃく」


「……………」


「なあなあしゃく!!」


うるさい。

ため息を吐きながら美鶴の顔を見た。


「なんだよ?」


「やっと僕を見てくれたしゃくね?

 それはいいんしゃく。

 脇に置いておくしゃく」


ホモか。


「早く言え」


「う゛ぉく達いつまでこうしてればいいんしゃくかねえ?」


そう言って美鶴は下を見た。


「……さあな」


俺も一緒に下を見る。

ぱっくりと口を開けた、崖は底が見えない。

風なんかはなくて体が冷える恐れはないが……。

岩肌に捕まっている手が痛い。

美鶴が悪ふざけをして俺の背中を小さく押すからだ。

お陰でネメシエルの甲板から落ちてしまった。

とっさに掴んだものが美鶴の足だったなんて……。

ついてないぜ。


「ごめんしゃくよぉ、波音……」


「お前が変な思い付きで俺にちょっかいかけてこなかったら今ごろは太平洋でピクニックだったのにな。」


「……しゃくぅ……」


「おらっ、落ちろ」


俺は美鶴の手をたたいた。


「しゃくっ!?

 だからごめんしゃくってぇっ!!」






おまけ。


「よーやく来てくれたか……」


俺は下を見た。

巨大な戦艦が浮いている。


『まったく、何やってるんですか?

 二人して』


蒼さんの声が崖に響いた。

すまぬ。

たすかってよかったぁ……。


「しゃくしゃくしゃく……」


泣くな。

助かってよかったからって泣くな。

歓喜すんな。


「よぉーし! 

 今から太平洋へれっつごぉぉしゃくぅっ☆」


ネメシエルが火を噴いた。

美鶴が消えた。


「……そりゃそうだわな。

 お前のせいだしな、元はといえば……」


「しゃくぅぅ……」


消えてすぐに復活する。

さすがギャグキャラだ。

いろいろと状況不明なのはしゃくでばだからです!

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