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しゃくでば! 人類滅亡の日 【The Another End】

人類滅亡の日。

結局来なかった……と思いきや。

どうやら今日、十一日もやばいらしい。

そんなしゃくでばの世界のもう一つの終わりを見てみよう。




(前回の人類滅亡の日の別編です)


前回までの牛筋。

人類最後の日らしい。

で、美鶴はおやつが一万円分食うことを思いつく。

俺は呆れながらもそうしたら?と、アドバイスするのだった。(本当かよ)






「で、おやつを買ってきたしゃくぅ~」


美鶴はほれ、と俺にビニール袋を見せつけた。

本当に買ってきたよ、こいつ。

一万円相当。

バカじゃないのか?


「まじでやるのか?」


「当然しゃく。

 人類がどう終わろうが僕はこれを食いきってみせるしゃくっ!

 しゃむっ!!

 しゃむぐむぐしゃむぐぐぐぐっ!!

 ヴォラックサンドゥアーがおいしいしゃくっ!!

 しゃむっ!!

 しゃむごごごごっご!!!」


えーと。

吸引力の変わらないただ一つの顎。


「しゃごごごごっ!!

 ずぶっじゃががらららんむぐぃしゃ!!

 すゃごそっそっつつつ!!!」


なんて音だよ。

普通じゃありえない音だぞ、それ。

どういうことなんだよ。


「そぉれにしてもぉ!!  

 今は何時なんしゃくがぁああっんぉぉぉ!!!」


今か。


「夜の七時ってところか……。

 それにしても明るいな。

 一体なんでこんなに明るいんだ……?」


俺は窓から外をちらっと見た。


「うぁああああああああ!!!!」


絶叫した。

小さいながらも隕石が燃えながら落ちてきていたのだ。

そりゃ明るいわ。

――じゃなくて。


「おい、美鶴!  

 逃げるぞ!!」


「いっやぁしゃくっ!!」


俺は美鶴の首筋を掴んだ。

だが美鶴はおやつをむぐむぐ頬張ってその場から動こうとしない。


「バカ!!

 しにてぇのか、ボケ!!」


なんで、国は言わなかった!

この街は見捨てられたってのか!?


「おやつはヴぉくのものしゃくっ!!

 ずぇーったいに波音には渡さないしゃくっ!!!」


ああ、もう!!

俺は美鶴の首根っこを掴んで窓に目を無理やり持っていった。


「しゃ……?」


美鶴はポロリと手からチョコを手放す。


「しゃ、しゃあああああ!!!

 逃げるしゃくよぉ、波音!!!」


言われんでも!!

車はあるか!?

そうだ、シエラは!?

そんなことを今気にする暇はない。

最終兵器でもあんなものに立ち向かえるわけがないんだ。

早く逃げないと死ぬ。


「な、なんしゃくかぁ、あれ……?」


美鶴は恐怖で窓から動けなかったのだろう。

隕石よりも大きな船がこの街を守るように空に浮いているのを見つけた。


「超空要塞戦艦ネメシエル!?

 蒼さんでもあれは無理だろう!?」


俺もすぐにその光景を目にして悲鳴を上げる。

そのネメシエルの隣を二つの小さな粒が飛んでいるのが見えた。


「シエラとメイナも……!」


「しゃ……。

 が、がんばるしゃくよぉ、三人ともぉ!!!

 ヴぉくはまだ蒼のちっぱい(※ちいさいおっぱい)に触ってないし

 シエラのデカぱい(※おっきいおっぱい)にもメイナのにも触ってないしゃくぉぉぉ!!

 この三人を両手にはべらせてハーレムを築きあげたりとかもしてないしゃくぅ!!

 それに、それに!!

 嗚呼、沢山ありすぎてえへへへへしゃく」


このタイミングでそれをカミングアウトっすか。

さすがっす、美鶴。

美鶴汁臭いから殴っていいか。

そんな俺達を無視してだんだんと輝きを増してゆき、落ちてくる隕石。

その隕石に向かってネメシエルが艦首を向けた。

甲板上の装甲が展開され、それだけで普通の戦艦の大きさを超える主砲が露出する。

シエラとメイナもお互いの手をつなぎあい、一つの巨大な砲身になると

ネメシエルの主砲にくっついた。

隕石よりもまぶしい光がそこから発せられてゆく。


「がんばれぇええ!!

 ここでしゃくでばが終わってたまるかぁあああああ!!!

 ここは俺の本編でのストレス発散なんじゃヴぉけぇえええええええ!!!」


「そ、そうだったんしゃくかぁ!?

 ひどいしゃくよぉ!!」


「うるせぇえ!!

 本編は今色々とシリアスなんだよぉぉ!!!」


陽天楼、ネメシエルの別名が現すとおり、夜だというのに

一つの太陽がその場に出現したようだった。

その光は急速に縮まったかと思うと


「しゃっ!?」


目を潰すほどの巨大な光柱となって隕石を飲み込んだ。

思わず目を覆う。

まぶしすぎて目が開けられない。

ようやくその光も収まったかと思うと


「や、やったしゃくよぉ、波音!波音!」


美鶴が俺の背中をばしばしと叩いた。

俺も目を開けて空を見る。

そこにあったはずの隕石はなくなっていた。


「俺達、助かった……のか?」


「うっぉぉおおおおおおおしゃくぉぉぉお!!!!」


感涙極まってますな。

俺も涙で前が見えないよ。

人類はこうして守られたのであった。

めでたし、めでたし。


「ああ!!

 せっかくおやつを一万円分かったしゃくよぉ!? 

 無駄遣いしちゃったしゃくぅ……。

 またバイトで貯金しゃくぅ……」


「まぁそう落ち込むなって。

 生きてる。

 それでいいじゃない」






                つづくかもぉ。




☆おまけ☆


「で、誰がちっぱいですか、クソ顎」


と、蒼。


「へー、そんなHなこと考えていたんだねぇ?」


と、メイナ。


「――死ね」


と、シエラ。

三人はいつの間にやら美鶴の背後に立っていた。

あの美鶴のカミングアウトを聞いていたというのか。

すげぇ余裕だ。


「しゃ!?

 しゃぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

ありがとうございました。

いやぁこんなエンドを考えていたのです。

実際こっちの方がよかったかなぁ……と思わないでもないです。

まぁもう一つのしゃくでば、人類滅亡の日、として

楽しんでいただければ幸いです。

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