しゃくでば! 顎の使い道
「なぁ、美鶴」
「しゃく?」
俺はから揚げを口の周りに油をつけながら頬張る美鶴に話しかけた。
「お前のさぁ」
「しゃくむぐむぐ」
「顎ってさぁ」
「しゃくむぐむぐ」
「うまいのかなあ?」
「しゃくぶふほぉ!?」
飛んでくるから揚げを傘でガードして俺は続けた。
「な、なぁに言ってるんしゃくかぁ!?
波音はとうとう頭がおかしくなっちゃったしゃくかぁ!?」
「いや、だってさ」
俺は考える。
骨の周りに肉がついているんだろ?
つまりフランクフルトだろ?
「うん。
じゃあフランクフルトじゃないとしたらさ」
「ふ、フランクフルトしゃくかぁ!?
一体何を考えているんしゃくか!?」
俺はふむと頷いた。
「美鶴の顎を液体水素の中に入れると仮定するだろ?」
「ちょ、ちょっと待つしゃく!!
もう意味が分からないしゃくイミフしゃくよ!」
「五月蝿いから黙れ。
で、入れるじゃん?
固まるじゃん?
それで釘って打てるのかなぁ」
美鶴はもう唖然として俺を見てきた。
お口はあんぐりあいて信じられないって目をしてる。
「じゃあもう一つさ」
「も、もう許してくれしゃくぅ。
どうせくだらないんしゃくよね?」
んなこたぁないぞ。
俺は指を振った。
「その顎さぁ。
避雷針とかにはならないわけ?」
「か、雷しゃくか!?
無理しゃく、真っ黒こげになるしゃくよぉ!!」
でもシエラとかネメシエルとかにぼこぼこにされてるわけだし
今更何を心配するんだと思う。
「じゃあこれは?
ずばり、聖剣エクスアゴバー」
「ちゃんばらも無理しゃくよ!
第一なんでヴォくの顎が剣とならなきゃならないんしゃくか!?
状況がわからないしゃくよ、じょーきょぉが!!」
ふむ。
「じゃあその顎の中にグレネード弾を入れて「無理しゃく」
おい、最後まで言わせろ。
「その顎のなk「無理しゃく!絶対!」
「そのあ「無理しゃくってば!!」
「そ「無理しゃくよぉぉぉお!!!」
俺は美鶴を殴った。
五月蝿い。
「しゃくぅ……」
「聞けって、いいから。
その顎の中にグレネード弾を入れるだろ?
んで気合で飛ばすと人間グレネードランチャーの完成じゃん?」
「しゃくぅぅん……」
それは反対の意なのか?
「じゃあさぁ。
その顎を蒼に頼んで改造してもらってさぁ……」
俺の横にひょこっと蒼が顔を出した。
「無理です。
私が嫌です」
断固拒否か。
「第一なんでそんな話になったんしゃくかぁ?」
「いや……な」
「一体何の話をしていたんですか?」
俺は蒼の頭を撫でて笑った。
「美鶴の顎の有効利用方法」
「なるほど――です」
蒼は美鶴の顎をじっと見た。
「確かにこのクソ顎の顎は邪魔ですよね。
取っちゃった方がいいかもしれませんね」
美鶴は両手を振って首も振った。
「ずぅぇえぇぇええったい無理しゃくっ!!!!
やめてほしいしゃくよぉぉぉぉ!!!」
いい加減いラッとしてきた。
「じゃあさぁ、美鶴。
お前が考えろよ?」
「しゃく?」
「お前の顎、ずばり何の役にたつんだ?」
「しゃく……。
それは…………。
……………………。
しゃぁあああああああああああああああああ」
あ、美鶴逃げた。
自分でもうすうす気がついていたのかも知れない。
というか美鶴に突っ込まれる側ってのもまた新鮮だな。
「本当に何の役にたつんでしょうか……」
蒼も首を捻って悩んでいた。
な?
つづくかもぉ
いやホントなんの意味があるんだろう。
使い道が分からんですばい。
噛む為・・・なのは分かるんですがねw