表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/67

しゃくでば ~こちら虫歯建設株式会社~ ②

前回までのあらすじ。

美鶴が虫歯になっちゃった!

俺達はがんばって美鶴を歯医者に連れて行こうとするが……。

早い話、前回から読もうぜ!




「失敗か」


シエラののんびりした声に押されて

おかまばかりの歯医者から離れた。


「どうする?」


やれやれといった顔でメイナが尋ねる。

俺は知らん。


「あ、これはどうでっぱ?

 美鶴が大好きな甘いお菓子を設置して

 歯医者にまで誘導するなんて手は?」


おぉ。

出刃先輩あんた、冴えてるな!


「よし、それで行こう!」


      ・

      ・

      ・


「うぅ、ひどい目にあったしゃくぅ。

 なんとか逃げ切れたけどずぇーったいに

 もう二度と歯医者なんてごめんしゃくぅ」


美鶴は涙を流しながら歩いていた。


「ん?

 あれは何しゃく?」


鳴いたカラスがもう笑ったというべきスピードで

美鶴の泣き顔が終わった。

作戦通りだ。


「あっ、あれはヴぉくが大好きな

 ヴェスターザーオリジナルしゃくっ!」


道端に一つのキャンディーを見つけた。

お前落ちてるものは食べちゃ駄目って教わらなかったのか。

まぁ今回はそれでいいんだけどさ。

それにしてもうまいこと引っかかってくれたもんだ。


「あっ、あっちにもあるしゃく!」


案の定、美鶴はお菓子に釣られてシャテクテク……。

歩く歩く。


「うんまぁいしゃくぅっ!

 あぁんまぁいしゃくぅっ!!!」


「あっ、こっちにもあります!」


ん?

なんだ今の声。


「どうしてこんなに落ちてるんでしょうか?

 でもおやつにまずいものなんてないですよね?

 何よりもったいないです」


シエラがあちゃーと顔を手で覆った。

白いワンピースに麦わら帽子を被った女の子が

両手一杯に俺達がばら撒いたキャンディーを持ちつつ

美鶴に接近しつつあった。


「どーしてこんなにおいしいんしゃくかぁ? 

 拾う手が止まらないしゃくぅ!!」


「まったく、食べ物を捨てるなんて……」


美鶴が目の前のおやつに手を伸ばした。

それをぱっと横からかっさらう蒼。


「あ……」


「しゃ……」


二人はばったり出会ってしまった。


「このヴェスターザーオリジナルは僕のものしゃくっ!!

 なぜなら僕は特別な存在だからしゃくっ!!」


美鶴は寄越せといわんばかりに右手を突き出した。

蒼はへ?と言った顔をして


「わ、私のですよ!

 これは譲れないです!」


お前結局食べる気だったんじゃないかい!


「ふざけるなしゃく!!

 さっさとよこすしゃくっ!!」


美鶴は蒼の手からキャンディーを奪い取った。


「私のです!

 返してくださいッ!」


蒼が美鶴から取り返す。


「よこすしゃくっ!!」


「いやですっ!!」


嗚呼、喧嘩がはじまった。

殴り合い、叩きあい。

美鶴が蒼の頬に平手打ち。

その瞬間蒼の気配が変わった。


「わかりました。

 そこまでして欲しいんですね」


「そうしゃく!

 さっさとよこすしゃく!」


「勝てたら……あげますよ?」


ざわっと空気が揺れた。

ん、空が暗い……。

おい、まさか!


「ネメシエル、艦底五一センチ光波共震砲用意。 

 目標美鶴、三秒後に斉射」


「ちょ、待つしゃく、蒼!」


「三……二……」


「お、落ち着くしゃ「ゼロです」


空から数え切れないほどのレーザーが降り注いだ。


「しゃぁあああああああああ!!!!!」


大地がえぐれ、美鶴の姿は土埃にまみれて見えなくなってしまった。


「まったく……。

 キャンディは私のです」


蒼は美鶴からキャンディを奪うとネメシエルの中に消えた。


      ・

      ・

      ・


「また失敗したよ!

 もうどうすりゃいいんだよ!!」


「結局はさぁ」


うん。


「美鶴を歯医者に入れればいいんでしょ?」


そうだな。


「ならさぁ……」


メイナの提案はすごくマシなものだった。

なんではじめっからそうしなかったんだろうというぐらいに。


      ・

     (翌朝)

      ・


「おっはよーしゃくぅっ!」


美鶴が教室に入ってきた。

と、思ったらそこは歯医者の治療室になっていた。


「な、なぁんしゃくかぁ!?

 これはぁ!?」


実は美鶴が寝ている真夜中に蒼の協力の下で

シエラが美鶴の脳の中に変な電波を送り込んでたんだ。

んで、幻覚を見せていたと。

ちなみに歯医者の予約も事前に済ませてある。

俺がやっといた。

かなり面倒だった。

美鶴は看護婦さんに押されるがままに治療室の中に入って

口をこじ開けられていた。


「はーい、ちょっと削るよー?

 痛くないからねぇー?」


歯医者さんのメガネが光できらりとした。

というか歯医者さんはみんなSだと思うのは俺だけだろうか。

痛くないよーって言うときほど痛かったりする。

変な法則である。


「きっ、聞いてないしゃくよぉ……!!」


お医者さんの持つドリルの先が回り始めた。

あの嫌な音が鳴り響く。

ドリルの先が美鶴の黒くなった虫歯の表面に触れると

ガリガリと削れる音がして……。

もうココから先は言わせるんじゃない。

あれはヤバイ。

神経に達したときが一番痛い。







しゃあああああああああああああ…………!!!








               つづくかもぉ~







ちなみに俺は小学校一年生から歯医者には行ってない。

虫歯はゼロ。

超綺麗にしてるからな。

毎日四十分ぐらい磨いてる。

どや!


ありがとうございました。

いやぁ虫歯。


なると痛いですよねぇ。

そうならないうちに歯を磨いて綺麗にしておきましょう。

笑ったときに銀歯だらけっていうのもちょっと・・・ですからね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ