しゃくでば! 僕らのトラウマゲーム②
翌日。
「ほらよ、出来たぞ」
仁は美鶴にUSBを投げて渡した。
「おっ!
どーもしゃくぅ~♪」
美鶴はそれを顔面で受け止める。
「オラ、さっさとPC返せ」
「分かったしゃくよぉ。
ホレ、しゃく」
それを隣で見ていたメイナが
「関係ないけどさぁ。
お店のレジってお金受け取ってから商品渡すじゃない?」
ん?
それがどうかしたのか?
「いや……別にいいんだけどさぁ……」
それにしても眠いな。
「今夜はシエラもメイナも蒼も寝かさないしゃくよぉ~?
しゃっしゃっしゃ!!」
お前の独り言は時々思うんだが
ほんっとうに気持ち悪いなぁ、おい。
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学校が終わり帰宅。
肩を叩いて「つかれた~ただいま」と言うと
俺は自分の部屋に入った。
「あーつかれた」
「おっ、ただいましゃくぅ~波音~!」
何だ、美鶴か。
「おぉ、ただいま美鶴。
先に帰ってたのか」
鞄を床に置いてごろんと寝転がる。
やっぱり落ち着く……。
「そうしゃく!
というわけでパソコンをつけて欲しいしゃく!」
ったく……。
「はいはい、わーったよ。
パソコンのつけ方ぐらい一人で……は?
お前なんで俺の部屋にいるの?」
「だって家にパソコンないんしゃくもん!
ぶう!」
可愛くない。
「いいかげんそれやめろ。
〆るぞ、こら。
勝手に人の家に入り込みやがってごら」
美鶴を後ろから羽交い絞めにしてやる。
逝け。
「わー!
ごめんしゃく、ごめんしゃく!!
謝るからその手をはなし……て……」
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「はぁ?
仁から作ってもらったエロゲー?
何やってんだあいつ。
一晩とか嘘だろ?」
「嘘じゃないしゃく!
仁はすごいんしゃくよ!」
それは知ってるが……。
まぁとりあえずやってみよう。
ゲームスタート!
「MITSURU QUWST!
よく来たな、ベイベー。
何?
現実が怖い?
はっ、だから?
別に俺自身はそれほど……(以下サブタイトルなのに五十行ぐらい続く)」
な、なんじゃこの文章……。
アメリカンなのになんかエロチックっ!
つまり素敵。
「ほほう、RPGエロゲときたしゃくかぁ……。
マニアックで興奮するしゃくっ☆」
美鶴の顔といったら……。
なんだろう、このぶん殴りたくなる顔は。
俺自身平和主義者だからそれほど人を殴ったりしないんだが
こいつには人から殴られる要素しか気がする。
「はやすぎるだろ、落ち着け。
まだサブタイトルだ。
てかお前絶対汁たらすなよ。
俺のPCなんだからな」
「わかってるしゃくよぉん」
つつーと一滴の……。
「言ってるそばから!!」
美鶴の頬に俺の拳がめりこんだ。
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名前を入力してください。
みつる →▽決定 ▼戻る
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画面が点滅したと思ったら急に明るくなった。
画面に映っていたのは……俺?
『みつるよ!
お前を呼んだのは他でもない。
シエラ姫が魔王に連れ去られてしまった!
助けに行ってくれるかね?』
→▽もちろんしゃく!!!(むふっ)
▼ヤキがまわったしゃく……
『おぉ、私はそう答えてくれると思っておったぞ!
ではこれをもっていくがよい』
モザイクソードを手に入れた!
ゾームの盾を手に入れた!
ネイキッド服を手に入れた!
100Gを手に入れた!
世界地図を手に入れた!
グェルトリューを手に入れた!
フェニックスのくちばしを手に入れた!
『では、健闘を祈る、みつるよ!』
つづきますよ~
ちなみに。
クエストのスペルはわざとです。
間違っていたらわざとです。