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しゃくでば! ~生徒会長は天使ですか?神ですか?~

今日は6時間目から生徒総会。

一般生徒にとっては全くの時間の無駄だと俺は思う。

……いや、これは戦いなのだ。

睡魔とのスーパースリープ大戦αなのだ。

お、早速死人が出た模様だ?

誰だろうか。


「しゃあぁぁあんごごごごごおおぉぉぉおお~……」


今回は豪快にいびきまで……。

それを察した桐梨が美鶴のもとへやってきた。 

いつものように生徒指導へ連れて行くのか?

と思いきや美鶴の鼻の穴になにかをつめたようだ。

あれは――コルクか?

あのシャンパンとかの蓋みたいなやつ。


「ふんが・・・ふがしゃっっっっっっぽおぉうぅんっ!!!」


鼻水にまみれた木のコルクがシエラに飛んで行く。

シエラが避けた。

メイナの所に行く。

メイナも避けた。

そこでコルクは軌道を大幅変更し何故か出刃の元へ。


ぱくっ。


oh!?

食った……。

食いやがった……。 

出刃もどうやら寝ていたようだ。

寝ているとき特有の筋肉の弛緩によって

口がダストシュートのように開いていたようなのだ。


「むがっ!!!

 むっぅつぅ!!!!

 むぼぼおおぉぉっ!?!?!?!?!」


「それでは、生徒会長の理伊田誠君からの閉会の言葉です。

 お願いします」


あーそろそろ終わりのようだ。

美鶴もお目覚めだろうな。


「あー!

 おっぱいしゃくぅ~!!」


おきていきなりなに言ってんだ。

もみもみもみもみ……。

しかも揉んでやがる。

まぁ


「な、何するでごわすかぁ!?」


どうでもいいがそいつは相撲部の奴だぞ。


「いやぁ~終わった終わった……!」


シエラがうーんと伸びをした。

おはようございます。


「まだ眠いしゃくぅうぅ。

 しゃふわあぁぁぁぁあああ……。

 しゃむにゃむにゃむ………」


お前はまともな欠伸できないのか?


「もうこんな退屈なの勘弁して欲しいしゃくぅ~。

 なんとかしてなくせないんしゃくかねぇ~?」


美鶴は退屈極まりないしゃくぅと顔をしかめた。


「そんなの生徒会長にでもならないと無理だろ?」


俺も俺で暇で仕方がなかったけどな。


「何しゃく?

 せーとかいちょーって?」


「お前、ちゃんと中学校行ってたんだよな?

 いや、小学校でも学級委員長とかあっただろ?」


知らないなんてそんなことあるのか?


「しゃく?」


あぁ、知らないんだな。

ってかさ。


「いや、そんなぽかんとしなくていいから。

 その萌えキャラしかやっちゃいけない表情しなくていいからキモいから」


「生徒会長……。

 それは学校の制度を見つめ、生徒を見つめ、容姿を見つめ――。

 自分と生徒の理想の姿を形成するために選ばれし代表者。

 それが、生徒会長でっぱ……!!」


俺の後ろからにゅっと出刃先輩が現れた。

あんた神出鬼没だな相変わらず。


「つまりどういうことしゃくぅ?

 むじゅかちいことはわかんないしゃく」


いらっとした方は多いのではないだろうか。

奇遇だな。

俺もいらっとした。


「つまり――。

 学校で一番偉い人のことをいうでっぱ!!!!」


きらーんと光が溢れた。

いやぁ、それまとめすぎじゃないのか?


「そうなんしゃくかぁ?

 ということは!学校全てが自分のものになるんしゃく!?」


「そうでっぱそうでっぱ!」


いや、違うだろ。

最終決定権は校長か理事長だろ。

あんたも変なこと教えんなよ。


「しゃくふふふぅぅぅううぅううう……」


いかん。

美鶴がまた危険な妄想に入ったらしい。

こうなると誰も手がつけられない。


「ほら、出刃先輩が変なこと教えるから……」


ため息混じりに抗議した。


「お、俺のせいでっぱ!?」


あんたのせいだよ。

キーンコーンカーンコーン……。

チャイムが鳴る。

お、次は日本史のようだな。

桐梨かぁ。


      ・

   (美鶴妄想内)

      ・


「生徒会長様ぁ~!!

 顎すりすりさせてぇ~ん!」


「いいしゃくよぉ~!!

 もっとすりすりしてしゃくぅ~!!」


「あぁ~ん私にもぉ~!!」


「私にもよぉ~!!」


「よいではないかしゃくぅ!よいではないかしゃくぅ~!!」


とある事情により生徒会長になってしまった灼場山美鶴。

彼は今日も書記、会計、雑務係などの女子と戯れていた。


「灼場山生徒会長。

 もうすぐ体育祭の開会の言葉の時間が迫っております。

 ご準備を」


なぜか眼鏡をかけてボードを持ったシエラもいる。


「お!

 副会長シエラぁ!

 お前もこっちに来いしゃく!

 いっしょにtogetherしようしゃくぅ~!」


一緒にtogether……。

頭痛が痛い……?

意味的には一緒だよなぁ。


「今は体育祭の方が先です。

 全員炎天下のグラウンドで待機しておりますゆえ。

 このままでは熱中症患者が数名出ると予測しますが」


眼鏡くいっ。


「そうしゃくか。

 ま、仕方ないしゃくね。

 愚民どもの前にちょっと顔だしてくるしゃく!

 チミたちは待っててくれしゃ~くぅ~!」


ひらひらと手を振る。

その姿まるでドラゴンすら引くような……。


「「「はぁ~い!!」」」


でもまぁここは美鶴の妄想の中。

女の子は美鶴にべたぼれというわけわかめな設定なんだろう。


「私は司会の職を勤めておりますのでご同行願います」


「もちろんしゃくよぉ~シエラぁ~。

 後でたぁ~っぷりかわいがってやるしゃくぅ~!」


両手をわさわささせる美鶴の横をシエラが素通りする。

あいからわず相手にされてねぇ。

妄想でもシエラは変わらないな。


「それでは生徒会長殿がご到着致しましたので開会の言葉を始めていただこうと存じます」


グラウンドの生徒の群集からは


「はやくしろよ!」

「あちぃんだよクソが!!」


などとブーイングがポツポツと出ている。

美鶴はそいつらを的確ににらんだ後、ゆっくりと威厳をとたたせるかのように台へと登る。

それがまた生徒の怒りを増長させる原因となっているのだ。

キィーーーーーンとマイクを使っているものなら

大抵知っているあの音が鳴り響き、すぐにやむ。


「あーっあーっマイテスしゃくマイテスしゃく」


またもや生徒の怒りゲージ上昇。

そんなこと知らずに「シャコホン」と息をつく。


「みんな、今日は待ちに待った体育祭しゃく!!

 体育祭だけに、たいい、くっさーーーーーーい!!!! 

 なーんちゃってしゃく!!!」


風吹く。

木の葉舞う。


「えー、生徒会長、どうもありがとうございました。

 生徒のみなさんは生徒会長に大きな拍手をお願いします」


シエラが、かけている伊達眼鏡をキラリを

光らせ表情ひとつ変えずに拍手を促す。

パチ……パチ……。

パチパチパチパチパチ……。


「どーもしゃくぅー☆ 

 どーもしゃくぅ☆」


調子に乗り始めた美鶴。

再びギャグを叫ぼうとマイクを握った。

その時だ。


「全員構え」


いきなりシエラ副会長がマイクに言葉を吹き込んだ。

刹那、生徒全員が足元にごろごろ落ちてる石を両手に好きなだけ持ち出しはじめる。

矛先は、当然灼場山生徒会長。


「しゃ・・・しゃく・・・?」


「放て!」


シエラ副会長がもののけ姫のエボシ様の様に叫んだ。

と同時に生徒全員が美鶴に向かって一斉に石を投げ出した

もちろんシエラ副会長も投げる投げる。

どさくさにまぎれて空き缶を投げるやつもいる。

皆鬱憤がたまっていたようだ。


ガッ!!ガガッ!!ガガガッ!!ガガッ!!


「いいい痛い痛い痛いしゃくぅ!!!

 やめてしゃくぅ!!

 石を投げるのやめてしゃくぅう!!

 痛いしゃくふふうぅううぅううう……」


こう、最後の方の恍惚とした感じだな。

なんか……言いたくないけど快感的な?


「弾幕薄い!

 なぁにやってんの!?」


司令官シエラがもっと石を催促する。


「もうやめてくれしゃあああああああああああああああああ……!!!」


      ・

      ・

      ・


「はいここで第二期六八七年島丸寺の変だ。

 ここで重孝に反逆した武将がいるのだが……。

 これは当然皆知ってるよな?

 おい灼場山、答えてみろ」


「おい、美鶴、当てられたぞ」


少し揺すってみたが一向に起きやしない。

こうなったらこの前のようにシャーペンで顎をだな。

ぶっすりとだな。


ガバッ!!!!


「いい加減にしろしゃく!

 なぁんでボクばっかり当てるんしゃくかぁ!?

 当てるならシエラに当てろしゃく!!

 こいつボクを裏切ったんしゃくよぉ!?

 反逆罪しゃく!!!

 コイツこそ当てるべき奴じゃないしゃくかぁ!?

 しゃあああん!?」


教室が静かになった。

な、どうしたんだこいつ。

俺のシャーペンを握った右手が固まる。

しばらくたって


「灼場山?

 それはお前から俺に対する反逆とみなしていいな?」


桐梨がぴくぴくと額の血管を浮き上がらせつつ美鶴をにらみつけた。


「しゃく……?

 なんで桐梨先生がここにいるんしゃく?」


おめめをぱちぱちさせた。

当たり前だろ。

今は日本史の時間だぞ?

教室が失笑に包まれる。

誰かが


「灼場山の変だー!!」


とか言って教室が爆笑の渦になる。


「ちょっと指導室来い。

 昨日完成した桐梨流処刑術その108を見せてやる」


桐梨は美鶴の腕をがっちり掴んだ。


「しゃくっ!?

 は、離せしゃくっ!!

 ボクはただ寝てただけしゃくよぉうっ!!!」


火に油を注ぎやがったな。

墓穴を掘ったバカな美鶴。


「余計断罪じゃ。

 安心しろ。

 苦しむのは一瞬だけだ」


「しゃあああああああ!!!

 波音、波音!!

 助けてくれしゃああああくっ」


他人のふり他人のふり……。

からむとろくなことにならない。






               つづくかもぉ~





(放課後 生徒指導室)



「う゛うっ……。

 う゛う゛うぅうう……。

 おててがもう痛いしゃくぅううぅうう……」


「まだだっ!!

 まだ終わってない!!!

 あと原稿用紙二五枚!

 この御経を書き写すまで絶対に帰さんぞ!!!!」


「しゃあああああああああああん!!

 しゃあああああああああああん!!!」


「ああもう泣くな!!

 女々しいそして鬱陶しい!!」


「きゃああっ!!

 私の蛙ちゃんがパニック起こしてる!! 

 大丈夫だよ~。

 よ~しよ~し……」


生物担当の派真野先生。


「わぁっ!?

 俺のカップめんが沸騰しとる!?」


知らん眼鏡チビデブ先生。


「ぎゃーーー!!

 コーヒーが書類に……」


バレー部の顧問の先生。


「パソコンが固まったーーー!!!」


美鶴の泣き声は

周囲の万物に被害を及ぼす……時がある……。

まじか。





結論から言うと天使でもないし神でもないですね。

なんていいますか。


ただのアホ?

ってか顎?

アゴ?


agoみたいな?


では、ありがとうございました。

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