しゃくでば! ゲームで成功した人っているの?
前回までのあらすじ。
名前の横に大きな丸という点数をとってしまった灼場山美鶴。
彼は成績を上げるためにシエラもんに相談を持ちかけ
彼女の助言どおりにしたが、失敗に終わった。
だが……。
「まだしゃく!!
まだ終わってないしゃくっ!!」
・
・
・
「というわけで、メイナもん!
なんとかしてしゃく!!」
メイナもん……。
そのうちハノンもんとかいわれるのだろうか、俺は。
「じゃあ成績がアップした気になれる料理を……」
美鶴の顔が変わった。
顔というか顔色が。
「もうあんな危険物……二度と作らないで欲しいしゃく!!
爆死はまぬがれたけど変な子供まで生まれてしまったしゃくっ!!」
その言葉を聞いたメイナの目から一筋の……涙が……。(感動番組風)
「私の料理は……。
私の料理は……」
「しゃく?」
「みんなを死に至らしめる危険物だったんだね――っ!!」
泣きながら走りさるメイナ。
美鶴は一人その場に残された。
一瞬の静寂の後に始まるひそひそ話。
「ちょっと、何アイツ。
女の子泣かしたよ?」
「しかもアイツこの前の変態じゃね?
サイッテー」
「うほっ、良い修羅場」
「女の子を泣かしてその上変態だなんて……。
あれ聞いてる価値あんの?
ってか人間?」
すごい言われようだが今回は完璧に美鶴が悪い。
だから俺は止めない。
「……僕は……僕は……。
しゃぁぁぁぁくっ!!!」
美鶴も駆け出す。
「おい、お前のせいだぞシエラ。
お前のせいでクラス中がなんか美鶴攻め体制に入ってるぞ」
「えー?
別におもしろいからよくない?」
「お前……」
・
・
・
「あー、結局何も成績アップの方法がつかめなかったしゃく……」
なんで俺のところに来たんだよ。
俺はバカだから力にはなれんぞ。
「誰かお前のまわりで頭いいやついないわけ?」
美鶴は長い間顎に手を当てて考え始めた。
いないのか…。
「……そうしゃく!」
お、思い付いたのか?
頭いい友達いたのか?
美鶴はすっとアンテナ付き携帯を取りだしボタンを連打した。
そのまま耳にあてる。
電話してやがる!
「……しゃく………」
『はい、こちらベルカ第一…』
「蒼を呼んでくれしゃぁぁぁくっ!!!!」
大声だすな!
耳痛いがな!
だがチョイスはグッドだ。
確かに蒼さんならいいかもしれんな。
いい迷惑だろうけど。
『はっ……?
えーと蒼中将…お電話です』
『はい、お電話かわりまし――』
「蒼ー!!お願いしゃく!!成績アップのコツを教えて欲しいしゃぁぁぁくっ!!!」
『…………』
ブツッ。
つーつーつー…。
うるっせぇ!
なにこいついきなり大声あげてんだバカ美鶴。
「お前いきなり大声はアウトだろ…」
やさしく諭す。
「へ?
だってこうしないときこえないんじゃしゃく?」
「はぁ…あのなー……普通に話しかければいいんだよ?もういっぺんかけてみ!」
「わかったしゃく!」
プルルル…。
『はい、こちら…』
「しゃぁぁぁくっ!!!」
「分かってねーじゃねーか!」
『…………』
ブツッ。
つー…つー…。
「切れたしゃく…」
あのな…。
だからな…。
「いいか、美鶴。もう一回言うからな?(略)」
「わかったしゃく!」
本当かよ…。
プルルル…。
『はい、こちら…』
「しゃくっ!」
『……はぁ…。なんでこの周波数知ってるとか
キミの携帯どうなってんのとかはこの際問いません』
「ありがとうしゃく。というわけで成績アップのコツを教えて欲しいしゃく」
『……脳トレでもしたらどうです?』
「僕DS持ってないしゃく……」
『じゃあソフトだけあげますよ。うまく受け取って下さいね』
「しゃく?」
ん?
なんだあの空から降ってくる……っ!
箱!?
「美鶴!上!」
「しゃ――」
がぎんとソフトが入っている箱が美鶴の顔に直撃!
「みつるぅうぅう!」
・
・
・
その後美鶴は義母に買ってもらったDSで脳トレをはじめたのであった。
『あなたの脳年齢は…
0歳です 』
しゃぁぁぁぁぁ…!
「いいのか、悪いのか…」
ってかまた0かよ…。
どうもありがとうございました。
がんばれ、美鶴さんと
応援したくなりますね。
え?
ならない?
僕もなりません。