しゃくでば! ゆでたまごの点数
キーン、コーン、カーン、コーン……。
「こないだの中間考査の結果を配布する。
赤点(四十点以下)なぞ取る不届き者は生徒指導室に来るように」
そう、確かに担任の桐梨は美鶴を見ながら行っていた。
だが本人は……。
「…………」ボケー
だめだ、こいつ。
まったく次元が違うところにいってやがる。
「鈴木……杉田……高森……永久……」
桐梨から受け取ったテスト。
65というなんともいかめしい文字が……。
まぁ赤点じゃないからよしとしようか。
ん、なんで美鶴あんなに喜んでるんだ?
「おい、美鶴、お前なんてんだっt!?」
「波音、波音ー!!
○がついてるしゃくよー!!」
あぁ……名前の隣の○は……。
・
(数分後)
・
「しゃくしゃくしゃくしゃくしゃく……」
「おい、こいつ人間やめたの?」
大きく82と書かれた成績表を隠すそぶりも無く美鶴を指差すシエラは
心なしか唇の横にうっすらとした笑いを貼り付けている気がした。
「いや、普通に泣いてるんだろ?
しくしくの所をしゃくしゃく言ってるだけで」
てかなんだよこのテンションのギャップ。
「何?
テストで悪い点でも取ったの?
お前が泣くなんて珍しいこともあるもんだね~。
見せてみな」
ほれと手を突き出すシエラに
「しゃくぅん」
美鶴変な声で拒否。
「あー変な声出すな、きもいから」
ひでぇ。
「どれどれ、ほらっ……貸せって……!!
笑わないから、どーせ10とか20なんぶはははははは!!!!」
せーだいに笑いやがったよこのひと、血も涙もない。
美鶴はと言えば
「………………」
悲しい音楽を流してもいいぐらいの質量のオーラを出してやがるぜ。
「シエラも~ん、助けてほしいしゃく~……。
このままじゃどこにもいけないしゃくよぉ~……」
どこもアウトだと思います。
「またやっちゃったのかい、みつるくん」
何!?
今回のシエラはノりが良いようだ。
紳士的だ、運がよかったな。
「勉強が簡単に出来るようになる道具出してほしいしゃく~!」
「仕方ないな」
そしてごそごそと胸←注目から出したのは
「アンキペーパー☆」
おぉ!
紙だ、ただの。
「コレに覚えたいことを書き込んで食べればどんなことも覚えられるんだ!
(ボソッ)気持ちだけ」
「わーいしゃくー!!
早速やってみるしゃく~!!」
おい、お前最後の一言聞えてなかったのか?
「しゃむしゃむしゃむしゃむ……」
「むしゃむしゃだろ……」
呆れて突っ込む気力もうせた。
・
・
・
(翌日)
ぎゅるる~。
「うぅぅ……おなか壊したしゃくぅぅ……。
一体何がいけなかったんしゃくぅ?
Test Sierra paper……。
AHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!
It was Anki Paper!!!!!」
「いきなり英語しゃべりだした……」
効果は下痢にならないと分からないのね、きっと。
「も、もう駄目しゃく……。
トイレに……」
ソレをにやにや見ながら
「よかったね、トイレとお友達になれて」
ひどい、ひどすぎるよ、シエラ。
「じゃああぁぁぁぁぁあああ……」
ぎゅるるるぅ……。
ジャーゴボゴボ……。
☆エピローぎゅ☆
「おい、うんこしてるやつがいるぜ!!」
「ギャハハハハ!!!」
小学生かっての。
「おい、なんか騒がしくなってきたぞ?」
「ん?
別にいいんじゃないの?
僕に被害はないわけだし」
「……とりあえず言っておこう。
平和だなー」
「おいっ!!
出て来いやゴラァ!!」
「ひぃぃぃぃっ!!
やめてしゃくぅぅぅっ……!!!」
「おいっ、10円貸せよ」
「ほらよ~、汚すなよ?」
「おっし!!」
ガチャガチャ……。
「ひぃっ!!
な、何してるしゃくっ……!?」
カチッ(鍵が開いた音)
ギィィィィィ……………!
しゃぁあああああああああああああああああああ………
つづくかもー
どうもありがとうございました。
いやはやね。
ゆでたまごの点数ね。
ありますよ、僕も。
数学で。
えぇ、あれは勘弁して欲しいです。
特にベクトルらへん。
ここまで読んでいただきありがとうございました。