しゃくでば! 羞恥心 ~永久家の場合~
「あ~、メイナ。
ご飯お代わりよろしく」
「はい」
「お~さんきゅ」
ここ俺、永久家ではいつもどおりの夕食をとっていた。
肉を頬張り、TVを眺める。
「僕もお代わりしゃくっ!」
「ブフォ!?」
いつもどおりじゃなかった。
美鶴だよ……おいおいおいおいおいおいおいおいおい。
「な……なんで……ゲホッ!
お前が……ゲホゲホッ!!
ここにいるんだってゲフホァッ!」
水!
水!!
「僕、この頃出番がないしゃく……。
だからっ!!」
バンっと机を叩く。
「ちょっと!
机叩かないでよ!
壊れやすいんだから」
シエラが美鶴を睨みつける。
「あ、ごめんしゃく…じゃなくてっ!!
僕は決めたんしゃくっ!!
無理にでも登場して出番を増やしてやるしゃくッ!!」
「…………は?」
何言ってるんだこいつ。
「とめても無駄しゃくよ?
僕のこの硬い硬い決心は誰にもまけないしゃくっ!!」
「……は?」
マジで大丈夫かこいつ。
それにそんなこと言ってるとシエラ辺りが……。
『フ○タくぅ~ん、どうだいぃ、今夜ぁ?
や・ら・な・い・か?』
『えぇっ!?
ア○ゴくーん?
そ……それはボクに妻子がいることを知っていてのことかぃ!?』
「ナハハハハハッ!!!」
「っておい!
美鶴を追い出すなり蹴りだすなりぶっ飛ばすなり
レーザーで蒲焼にするなりなんかしろよ!」
「もぅ、僕今日疲れちった」
「ホラホラ、波音も一緒に見ようよ!
サ○エさんVSア○ゴさんだよ!!」
What?
なんだよそれ最近のサ○エさんおかしくね?
『マ○オさんは……渡さないっ!!』
『フハハハハハ!!おぉもしろぉぃ!!
何秒間耐えれるか数えてやろぉぅ……』
『サ○エスパーク!!』 『ぬぅるぃわぁぁあぁぁ!!!』
「「おぉぉぉぉおお!!」
最終兵器姉妹の趣味がだんだん分からなくなってきた。
というかココまで突っ込みどころ満載だと
逆にどこから突っ込めば良いのか分からない。
俺もう突っ込み放棄してもいいだろうか。
「あ、あのーしゃく……」
『ぶるぁぁぁぁあぁああぁ!!!』
『これが……愛の力よっ!!』
「あー!今週のサ○エさんも面白かったー!」
メイナが目に涙をためながら欠伸をして伸びる。
「終わったしゃく?
なら話を――――」
「あ!そだ!
お隣の田所さんからとうもろこし御裾分けしてもらったんだ」
ごそごそと倉庫から沢山のとうもろこしを引っ張り出してきて
新聞紙をごそごそする。
「え?まじ?」
とうもろこしかぁ。
久方だな。
「わー♪
はやく蒸かそうよ!」
メイナの目が既にとうもろこしな件。
「(くっ……今回はそうは行かないしゃくっ!!
奴らの行動に溶け込んでやるしゃくッ!!)」
とうもろこしは醤油をつけて焼くのが定番だ。
まぁ蒸かしてもいいんだが。
甘いしうまい。
最高だよな、とうもろこし。
「僕も欲しいしゃくー♪」
「…………は?
ないよ?」
シエラの声つめたっ!
「………え?しゃく……」
「当たり前じゃん。
これは僕と姉さんと波音にくれたものなんだから。
部外者であるお前にはなくて当然」
「しゃ……しゃ……」
お。
泣くぞ、泣くぞ。
しゃぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁ………
タッタッタッ……
ってかこの落ち久しぶりだな。
やっぱりこの落ち最高。
「ホント綺麗に涙流れるねぇ……」
メイナ、とうもろこしはまだ焼けてないぞ。
置け。
~☆あふたーすとーりー☆~
「あ、一個あまった」
「あ、私はいらないから」
シエラのとうもろこしをじっと見つめる俺。
「…………やるか?」
マンガの悪役のような顔をして捨て台詞を吐く。
「…………いいよ?」
バカめ、承諾したときがお前の運のつきだ。
「「せーのっ!」
「じゃんけん!!」
「ぽん!!」
「ひゃあぁぁ!!
負けたぁぁっ!!
僕がっ……負けたッ……!」
「ノリが悪かったなぁ……(キラーン)」
「うぅ……なんでチョキなんて出したんだろう……」
『来週もまた見てくださいねー♪
じゃん!けん!ぽん!!』
「あ、波音!
サ○エさんに勝ったからそれ僕の!!」
「なんでそうなる!!」
『うふふふふふ♪』
シエラとサ○エさんの声が重なって……
「こえぇぇよっ!!」
続くかも~
あじゃしたー!
いやねぇ。
ご飯中にどうなの、美鶴って。
頭痛くなるわ、ほんと。
なんだろうな、あいつは。