1/4
序章
「拓也?」
「ん?」
「君は?」
「やっぱりね。拓也だ」
「えっ?」
「向こうの丘で待ってるからさ、ゆっくり来なよ」
「あの・・・」
「じゃっ、そういうことで」
「聞こえてないのか?」
「聞こえてるよ。はっきりと」
「でもこんな時くらいゆっくりしたいだろうからね。」
「色々思い出しながら来なよ、先に行っておくから」
行ってしまった。
どうしようか。
私はふといつも持ち歩いている手帳を広げる。
そこにはこう書かれていた。
私には、幽霊が見える。
決して嘘ではない。確かに、見たんだ。
そう、それは、ただ私をじっと見ていた。
でも、この体験は、私の生涯にかけがえのないものをもたらしてくれた。
そう、私は信じている。
この話をいつか誰かに信じて貰えたらいいな。




