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18.『空飛ぶキャンピングカー作ってみた』

メンバー

・さかのん:本作の主人公、異世界に来てユーチューバーを始めた唯の人間。

・ノア:獣人。

・アイ:人工知能、だいたいネットの中にいる。


以上のことが頭に入っていたら大丈夫です。



「今日はねー、空飛ぶキャンピングカー作るよ!」


ー【キャンピングカーで空飛ぶよ!ではなく?】

ー【作るってどゆこと?】

ー【空飛ぶ道具って一般人が簡単に作れていいものだっけ?】

ー【よく分かんないけど多分さかのんならできるよ】


前にコメント欄で【あのキャンピングカーなら空も飛べるだろ】の言葉を見た時から、キャンピングカーで空飛びたいなって思ってたんだよね。

しかし残念ながら、今のレベルだと陸と崖と川や海などの水面を走ることしか出来ない。

いや、普通の車で崖と水面を走れる時点で充分すごいんだけど。異世界に居過ぎたせいで感覚バグってきたな。


まあそんな事はさておき。


なので!今回はキャンピングカーのレベルを上げるんじゃなくて、キャンピングカーが空を飛べるように改造することにした。

といっても、私はジェットエンジンとかをつける超技術は持ってない。

じゃあどうやって飛べるようにするのか?って。

答えは簡単。ヘリウムガスが入った風船を大量に使えばいい。


「…あ!でも、私のキャンピングカーだからできる事だからね!?間違っても真似しちゃダメだよ!?」


ー【するかばーか】

ー【注意喚起してくれるのは有難いけど、真似しよう!にはならねーよ】

ー【車を浮かせるだけの風船を用意するのも一般人には無理かなあ】


居るかもしれないじゃん!知らないけど!

私のキャンピングカーは防御力がめっちゃ高いから上空から落ちても車も中にいる人も無傷で済むだろうけど、普通の車だと大破するだろうし。

私はアイのお墨付きを貰って実行に移しているので!それだけは分かってほしい。


注意喚起をしっかり行ったところで、キャンピングカーを飛ばすための風船を準備する。

大量の風船はネットショッピングで用意した。流石に異世界に風船はまだ発明されてないし。


風船のサイズとかにもよるけど、一般的には1つの風船で約14gの浮力を持つとされている。

体重60kgの人を浮かせるのに60000gを14gで割って、必要な風船の数は約4286個。人ひとりを持ち上げるのに四千弱の風船が必要で、キャンピングカーとなれば数は倍以上に必要になる。

気が遠くなるなあ。というか、キャンピングカーの前に私が飛ぶ動画配信するんだった。しくった。


動画配信のネタを1つ潰してしまったことを悔しく思いながら、手を動かして風船を膨らませてはキャンピングカーに繋げていく。

風船をつけていく事に私の車が随分とファンシーな見た目に。まあ異世界では似合ってる、のかな?


千の位を軽々と飛び越えて、数万個という莫大な数の風船を数時間費やしてキャンピングカーに付け終えた。

重しを外して、車に乗り込んで。


「いざ、空の旅へ!」


数万個の風船の浮力の力によってキャンピングカーは空を飛んだ。


「わ〜!ノアたち、空飛んでる〜!」

『キャンピングカーの結界は空中でも変わらず持続されるんですね〜』


窓の外から見える空の景色は、飛行機の中から見ていた景色と似ているようで違う、不思議な感覚だ。

まあ異世界じゃなきゃドラゴンとかペガサスとか飛んでないしね。


「ねーのん、空に魚がいるよ」

「マジで!?捕まえられそう?」


面白いし、どんな様子か気になって窓を覗けば本当に魚が空を飛んでいた。


『あれはトビウオですね〜』

「異世界のトビウオって空飛ぶの!?」


現代日本にも存在していて、かつ食べられる存在が異世界では空を飛ぶとは。

確かにトビウオが水面を跳ねる姿は、まるで飛んでいるように見えるけども。名前も漢字だと飛ぶ魚って書くけども。

君は異世界で何がどうなってそんな進化を遂げたんだ。すごい気になる。


他にも、豚が空を飛んでいたり、雲の中に飴を見つけたりと現代だと有り得ない光景を幾つか見た。

前者に関しては死んだ豚が空を飛んで天国にでも向かってるのかと勘違いしそうになった。だって羽生えてたし。

後者は、異世界だとたまに飴の雨が降るからそんなに不思議じゃ無かったけど。冗談じゃないよ?異世界にはマジでキャンディーが空から降ってくる飴雨という天気があるのだ。

なんて空の旅を数時間楽しんだ所で。


「そろそろ地上に戻ろっか」


私の発言に【そう言えば、飛んだ後はどうやって着地するの?】というコメントが。


「ん?風船全部を破壊してそのまま直下で落下するけど?」


ー【嘘だろ!?】

ー【まさかのキャンピングカーバンジー!?】

ー【ばかばかばか】

ー【さかのん紐なしバンジー好きすぎだろ!】


「それじゃあノア、風船全部壊しちゃって」

「はーい」


シャドーウルフの特性である影を操る力によってノアが全ての風船を破壊すれば、浮力を無くしたキャンピングカーは重力に従って物凄い速さで地面に落ちていく。


「今日の配信はここまで!見てくれてありがとう、ばいばーい」


.

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