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将来の人生設計

 GWに入って、このころになると、そろそろ私も、自分の将来の人生設計に向けたことも考えなくてはいけない年齢になって、いつごろまでに結婚したいのか、いつごろまでに子供が欲しいのかなど色々と考えるようになっていた。そう考えるきっかけとなったのが、吹奏楽部OB・OGの中では最初に結婚した貴ちゃんの結婚式に出席したことであった。結婚式自体は1993年の6月に行われたのであるが、この時は私が24歳前後で結婚できればいいなと思っていて、それから2年余りが経過して、そろそろ自分もあちこち旅に出ている場合じゃないなって思うようになって、いつ相手が見つかって、結婚するということになってもいいように結婚資金を蓄え始めたのが1995年になってからであった。なので、GWも今までのように長期間にわたって電車で旅に出かけるということもしなくなったのであるが、会社の長期連休になっても遠くに出かけない分、家にいることも多くなったので、それまで以上にポッキーと遊んだり、出会いを求めていろんなところに出かけたりすることが増えていった。ポッキーは私がどこかに出かけて夕方から夜にかけて家に帰ると

「うんもぉ~どこに行ってたのよ~」

 とでも言いたげにニャ~ニャ~と鳴きながら私にすり寄ってくることがよくあった。


 吹奏楽OB・OGバンド結成


 そしてこの年のGW明け頃だったと思うが、

「久しぶりにみんなで集まって、吹奏楽やりたいねぇ」

という話になり、吹奏楽部OB・OGバンドが結成されたのである。私の同級生や高田先輩などが集まってスタートし、私より後輩の世代の吹奏楽部卒業生にも声をかけて集まったのが12人前後であったと思う。その中に私より2歳年下のすずちゃんや、えりちゃん、さらに私より4歳年下のはっちゃんや、まりちゃんと言った後輩女子部員も加入してのスタートであった。そして会則を作ったり、自分が使う楽器の購入をしたり、卒業した学校に土曜日の夜の部室の使用許可をとったり、吹奏楽部顧問の先生との打ち合わせを行ったり、いろいろと下準備を初めて、本格的にスタートしたのが1995年6月に入ってから。当面の活動目標は毎年11月に行われる文化祭への参加であった。まずは演奏する曲目を決めることから始まって、この当時はやっていたJ-POPから、地元のお年寄りも大勢訪れるため、演歌や時代劇の主題歌まで、幅広いジャンルが選曲されて、6曲ほどが現役の吹奏楽部員も交えた話し合いで決められて、それから楽譜の発注をして、楽譜が届くまでの間は、まずはブランクを埋めるために基本練習を繰り返して、マウスピースを口に押し当てて、唇を震わせて音を出す練習とかを繰り返して終わって、その日の練習は終わって、大林先輩と貴ちゃん夫婦の家に遊びに行って、おなかが空いたので各自が持ち寄った弁当やお菓子を食べて、これからのOB・OGバンドの方針などを話し合った。先ず団長と副団長を決めて、団長は大林先輩・副団長が高田先輩などの役割のほか、毎月の会費を千円にすることなどを決めて家に帰ったのが午前0時ごろ。車を駐車場に止めて玄関の鍵を開けようとすると、猫の鳴き声がするので、

「ポッキーが閉め出しを食らったのかな?」

 と思ったので

「ポッキー~」

 と名前を呼ぶと、

「ニャー~」

 と鳴きながらポッキーが駆け寄ってきて、私と一緒に家の中に入った。ポッキーは

「私が外にいるのに、扉を閉められて入れんかったわよ」

 などと文句を言っているかのように鳴きながら家の中に入った。もちろんいつも一緒の布団に入って寝ている両親はとっくに寝ているので、私と一緒に布団に入ったのであるが、寝ていたら暑くなったのか、布団の上に乗っかって寝ていて、私が今度は寝苦しくなったので、ポッキーを起こして、私の枕元に寝かせたら、今度はおならをしたらしく、めっちゃ臭いにおいが部屋に充満したので、今度は窓を全開にして空気を入れ替えて、再び眠りについた私である。そして朝5時ごろポッキーが

「外に出して~」

 と鳴くので、外に出してやって、そのまま目が覚めたので起きて着替えて朝の空気を思いっきり吸い込んで、夏の朝の陽ざしを全身に浴びて完全に眠気を吹き飛ばすと、何もすることがないのでみんなが起きだすまで寝室でラジオを聴きながら過ごして、6時にごろに両親が起きだしてきたので、両親と一緒に朝食。普段の日曜日の朝ならもっと遅くまで寝ているのであるが、この日は朝早くから目が覚めたので、朝食を済ませると、朝の涼しいうちにちょっと軽めの運動をして来ようということで、家の周りをウォーキング。家に帰るとポッキーも餌を食べていた。そしてのんびりと過ごしていたら清田がやってきた。彼はバンドではトランペットを担当することになったのであるが、会費の決め方に不満があったようで、

「みんなそれぞれ月の収入が違うんじゃから、一律に千円って決めるのはどうかと思う」

 と話していた。私は正直

「何言ってんだ?」

と思ったので

「あのなぁ、それじゃったらいちいち皆の収入に応じて会費を払うのかよ。そんなんじゃったら、給料明細を持ってきて皆に見せんといけんじゃん。俺はそんなんは嫌じゃね」

 そういうと、私から賛同を得られなかったことに不満を持ったらしく

「お前じゃったら賛成してくれると思ったのにな」

 などと言っていたが、そんな意見に賛同できるはずがなかった。給料明細という個人の情報が満載されたものを、なぜわざわざみんなに見せなければいけないのか、私には理解できなかった。それに不満があるのであれば、私個人に言うのではなく、皆が集まったときに、自分の意見を提案すれば済むことである。これが、清田がOB・OGバンドに関することで不満を漏らした最初の出来事であった。この後彼はいろいろと不満を漏らすようになり、それが元で退団することになるのである。


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