弘姉ちゃんの結婚式
それから月日が流れて就職して最初のお盆休みがやってきた。お盆休みは確か、青春18きっぷを使って、自分の最寄り駅を起点にして、山陽本線・鹿児島本線・久大本線・日豊本線と乗り継ぐ旅に父と出かけたり、山陽本線・芸備線・木次線・山陰本線・山口線と乗り継いで日帰りで旅をしたりしたのではなかったかと思う。このころからであろうか、私はいつか、私に危害を加えた渡部や中井、浜山や久保たちを見返してやりたい。その目標として、日本全国全都道府県を訪れるという目標を立てて、旅の計画を立てるようになったのは。さすがにまだ就職して数か月しかたっていないため、何日もかけて旅をする資金がなかったため、最初のお盆休みは山口近辺の県を日帰りで旅するだけにとどまったが、それでもこの当時、まだ乗車したことがない鹿児島本線や久大本線、日豊本線や芸備線、木次線や山陰本線の旅は、見たことのない景色が堪能できて、新鮮であった。そして、お盆休みが終わろうとしていたころ、大阪の親戚から、結婚式の招待状が届いた。弘姉ちゃんが四国出身の人との結婚式を、徳島県内で開くというのである。最初は私の両親が参加しようって言っていたのであるが、私も久しぶりに大阪の親戚にも会ってみたいと思い
「俺が行ってもいい?」
というと
「じゃあ、俺とお前で行こうか」
と父が言うので、私は母の代わりに参加させてもらえることになった。結婚式は9月の終わりに行われることになっていた。
そして結婚式前日、私は父と一緒に、夜行高速バスで大阪梅田のバスターミナルに向かった。窮屈なバスの車内で一夜を明かして、阪神高速を降りて、早朝の大阪の市街地を走る。やがてバスターミナルに着いて、まずは早朝から営業している飲食店で朝食を済ませた後、地下鉄と私鉄を乗り継いでお墓参り。お墓を綺麗に洗って清めた後、二人で手を合わせて久しぶりの帰郷を報告し、留兄ちゃんの所に向かう。やがて電車は留兄ちゃんの家の最寄り駅に到着して、久しぶりに再会を果たして、そこから留兄ちゃんに運転する車で、弘姉ちゃんの実家に向かい、挨拶を済ませた後、高速道路を通って、大阪府を南下して、和歌山港に到着。ここから南海フェリーに乗って徳島に渡って、弘姉ちゃんが挙式するホテルに到着。久しぶりに会う大阪の親戚と、いろいろ昔話に花が咲いて、あっという間に結婚披露宴になった。ウェディングドレスを纏った弘姉ちゃんはとても綺麗であった。ご主人は徳島出身であるが、会社は大阪府内にあるため、大阪に居を構えるという。披露宴の間は、やよ姉ちゃんや義君・英ちゃんともいろいろと話をしたほか、留兄ちゃんとこの子供たちは、一番上の勇君が随分と大きく成長していたほか、私が大阪から引っ越すころ、まだ赤ちゃんだった他の子供たちもみんな成長して、中には引っ越ししてから初めて対面する子もいて、時の流れを感じさせる一幕であった。やがて結婚式と披露宴は無事に終わって、翌日、私たちは大阪に戻った後、梅田のバスターミナルから夜行高速バスで帰った。




