表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
193/218

夜勤開始

月曜日の朝起きて、昼前に一度食事をとって、その後仮眠。17時ごろ起きて夕食を済ませた後、最寄駅から電車に乗って15分ほどで下車した後、工場方面に向かうバスに乗って、正門前のバス停で下車して、新しく交付されたばかりの真新しい社員証を守衛に提示して工場内に入る。

 社員証は就職の時に就職祝いとして、大阪の弘姉ちゃんからもらった定期入れに社員証を入れて使っていた。私はこの定期入れに電車とバスの定期券も入れて通勤していたのであるが、後に電車通勤から車通勤に切り替わったため、免許証と社員証入れとして使う事になる。

 さて生まれて初めて経験する夜勤。いくら昼間寝たとしても夜も0時を回るとだんだん眠くなってくる。作業中は仕事の方に意識がいているので、眠くはならないのであるが、休憩時間になると、目をつむっていたらどうしても眠くなる。特に昼休みの時は、食事をとった後ということもあり、椅子に腰かけていたらうつらうつらしている状態であった。やはり夜勤の時は眠れるときには眠っておくことが大切である。やがて昼休みが終わって、始業5分前のベルが鳴って、それぞれの配置に着く。そして休憩時間もはさんで、定時で仕事が終われば朝の6時に仕事が終わる。そこから着替えて、朝の1番に発車するバスに乗って駅に向かい、ラッシュで混みあう電車に乗って家に帰るのであるが、バスや電車の揺れは心地よい眠りにいざなう。電車とバスを乗り継いで通勤している間は、途中で寝落ちしていることがよくあった。

 最初の夜勤を終えて帰宅した私に母は

「無事に帰ってきた。夜勤はどうじゃった?眠くならんかったかね?」

などと話しかけてきた。やはり夜勤という慣れない環境へと送り出すので、親として心配していたようである。私は

「何とか無事に乗り切れそう。でも、昼間はよく寝とかんと、絶対に体がきついわ」

そう言って、食事を済ませて、入浴も済ませて、着替えたらそのままベッドに直行。まだ時計は9時前をさしていたが、なるべく早く寝て、夕方からの仕事に備えようと思った私である。そして、ベッドに入ると、一晩中起きていたからか、あっという間に眠りに落ちていった。こうして私は社会人としての第一歩を踏み出したわけであるが、やはり一番の楽しみと言えば、働いてもらう給料。研修が終わったら残業もあるわけで、基本給のほかに残業代や夜勤手当などが加算されて、自分が思っていた以上に給料がたくさんもらえた。初めて自分で働いてもらった給料…。それまで高校時代にも新聞配達や、児童館でアルバイトをしていたが、それはあくまでも親の保護の下で働いて、何かあったら親が責任をとるという形であったが、会社に就職して働くということは、それだけ自分に課せられる責任も重くなるという事であり、親の保護のもとを離れるという事であった。その初めての給料で、今まで世話になった両親に恩返しがしたいと思い、私は毎月家にいれることになったお金とは別に、

「これで好きなものを買ってくれ」

と言って、感謝の言葉を言いながら現金を渡した。両親は喜んでくれて

「ありがとう」

そう言って受け取ってくれた。そして慌ただしく一か月が過ぎて行って、就職してからディーラーに頼んでおいた車がようやく納車された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ