一般常識の試験本番・そして入社試験
コンクールが終わって、しばらくは部活動も休みになり、私は夏休み明けに行われる一般常識を問う試験の勉強に励んでいた。いろいろな経済用語から、地理歴史・主要な国家元首の名前、主な国や地域の主要産業などを勉強して試験本番に備えていた。それからしばらくしてお盆休みがやってきて、母の実家へ。相変わらずまるちゃんが盛大に出迎えてくれて、着くなりリードを持ってまるちゃんの散歩へ。やはり緑が多い分涼しい。夜は周りが田んぼなので、クーラーをつけないと暑くて寝られないということもなく、心地よい夜風が吹き抜けていく。このころになると、スバルレックスは完全にスクラップになって、次に我が家にやってきた車はダイハツシャレード。レックスよりも広くて5人乗れるということであるが、さすがに5人が乗ったらかなり狭い。そのうえクーラーが効かないため、夏は蒸し風呂のような車内であったが、それでも車があるだけで移動が便利なことには変わりないので、文句を言うこともなかった。
母の実感では2泊だったと思うが泊って帰って、部活動が再開されるお盆休み明けまでまだ時間があるため、児童館でバイトしたり、清田や吹奏楽仲間と一緒に、先輩の車に乗せてもらってどこかに出かけたりして過ごしていた。特に高田先輩や小田先輩にはいろんなところに連れて行ってもらった。そしてお昼を奢って貰ったり、先輩の家に遊びに行かせてもらったり、吹奏楽仲間と楽しく過ごした夏休みであった。
そして、夏休みが終わって、2学期が始まり、9月の半ばごろ、一般常識を党全国一斉の試験が行われた。私がこれまで模試で解いていた問題が出されて、すべて問題を解いて、答案用紙を先生に提出。後日試験の結果が送られてきた。なんと私が全国でトップテン入りを果たしていたのである。県内で受験した中ではトップの成績であった。一緒に受験したユッキーやえっちゃんからは
「リンダ君凄いね…。私らは全然じゃったわ」
「ありがとう。頑張ってきたかいがあったわ」
この結果は私の両親にも知らされた。母は
「これだけの成績が取れるんじゃから、大学進学できたんじゃないかね?それにしても全国でトップ10入りとわねぇ…。私もびっくりしたわ」
などと言って、姉は私が説いた問題に挑戦していたが、答えられない問題がいくつかあったようで、
「難しい」
と言っていた。私としては、私が苦手とする数学の問題が解ける方が羨ましい気もするが。こうして、全国一斉に行われた一般常識を問う試験は終わって、しばらくしてから、私は地元の工場の入社試験を受けた。まずは筆記試験が行われ、海外にも進出している会社なので、国際情勢を問う問題が多く出された。あとは経済用語や為替レートについての問題なども出された。私はこれらの問題を難なくクリアして、次に面接を受けた。この会社を志望した動機や、この工場で作られている製品をどう思うか、この工場に就職して、自分をどう成長させたいのか。そう言ったことを面接官から尋ねられ、私は質問されたことに対して、丁寧にはきはきと落ち着いて受け答えをしていた。面接も学校で何度か繰り返し練習をしていたので、だいたいどのような態度で、どのような受け答えをすれば面接官に対して、好印象を持ってもらえるか頭の中に入っていたので、落ち着いて受け答えできていた。
入社試験が終わって、10月に入って私は部活の途中で担任の先生に呼び出されて、採用通知が届いたという報告をもらった。晴れて高校卒業後の進路が決まって、一安心と言ったところで、採用が決まったということを両親に伝えたら、両親も喜んでくれた。両親としても私の就職先が決まるかどうか、気になっていたんだろうと思う。安堵の表情を浮かべていた。




