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高校3年生・学生生活最後の1年

 私が高校3年生になって、年子の姉は会社に就職。OLとしての道を歩み始めた。姉が就職して最初に買ったのが車。通勤に必要だということで、ダイハツのミラ(愛称ミラちゃん号)。この車で毎日通勤することになったのであるが、両親が一番心配していたのが、やはり事故を起こさないかということ。とにかく無事に帰って来られるようにと、毎日仏壇に手を合わせて両親は拝んでいた。

 私は3年生になって、新入生も入ってきて、教室の移動があったり、学習内容もこれまでよりも難しくなったりと、色々変化があって、最初は少しざわついた感じがしたが、徐々にそれも落ち着き、授業では食品中に含まれるアミノ酸量の測定や、クエン酸の含有量の測定などの実験も始まった。クエン酸の効能などについての学習もあって、疲労回復などの効果があるほか、何故鰻とクエン酸を多く含む食品を一緒に食べてはいけないかということについて、科学的知見からの実験も行われたりした。そして吹奏楽部にも新入部員が入ってきて、男子の山川りょー佐川コースケ・女子の川山ミーちゃん中田えっちゃんの四人が入部してきた。りょーとコースケはチューバ、ミーちゃんがテナーサックス・えっちゃんがフルート担当となった。これでフルート2人・クラリネット2人・サックス1人・トランペット1人・トロンボーン2人・ホルン1人・チューバ2人と言う体制で新たなスタートを切った吹奏楽部であった。相変わらずの小所帯であったが、これで夏のコンクールを目指すこととなった。皆吹奏楽経験者だったので、呑み込みが早く、演奏するスカイハイも数日で何とか形になるまでなっていた。

 3年生になって、清田が部長・私が副部長を担当することになり、全体で音合わせをするときのチューニングは、私が担当することになって、私がチューニングをするときは

「音が高いよ~。もっと抜いてちょ~」

 とか、

「ちょっと低いねぇ。もうちょっと入れてみそ~」

 とか、面白おかしく言うので、皆に好評だったようで、私が何か用事で部活に参加できないときは、

「昨日はリンダ先輩じゃなかったから、チューニング面白くなかった」

 と言う話を聞いたことがある。私が

「昨日は誰がチューニングしたん?」

 とみんなに聴いたところ、先生がチューニングしたという。

「そりゃまぁ、先生じゃったらそんな冗談は言わんよなぁ」

 というと、

「私はリンダ先輩がチューニングしてくれる方がいい」

 などと言ってくれるので、私としては嬉しかったのであるが…。そして、1年生も学校に慣れてきたころ、私たちも参加した宿泊訓練が行われる時期を迎えた。各学科で実施される日が違うので、宿泊訓練に参加している1年生が毎日誰かしら1人いない状態がしばらく続き、皆

「今頃何しちょるかねぇ?」

「さぁねぇ…。俺らの時は肝試ししたけど?」

「えぇ?肝試しですか?夜の学校って不気味じゃないです?」

「不気味どころかホラーの世界よ。それで俺は建物の陰に隠れて脅かす役やったんじゃから」

「じゃあ、リンダ先輩はずっと暗い校舎に隠れてたんですか?」

「そうよ…。それこそ幽霊とか出てくるんじゃないかと思ったわ」

「いやぁ…。私には耐えられんです」

 そんな話をしながら、いつものようにチューニングを済ませた後、全体で音合わせ。練習に取り掛かって1か月もすると、間違わず演奏できるようになった。楽譜を見なくても演奏できるようになり、楽譜にはこうした演奏をした方が多という、先生や歩以下のメンバーからのアドバイスを書き込んで、音符よりも、メモとして書いている方が多くなっていた

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