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郵便局のバイト

 文化祭が終わるとあっという間に12月に入って、私は郵便局の年末年始のアルバイトの予約を入れていた。郵便物の取り扱いが一番増える年末年始に、年賀はがきや封書を配達するのが主な仕事で、私の担当するエリアは後日知らされるという。アルバイトの予約を入れて、私も年賀はがきを早く出さないといけないなと思って、親せきや友人に出す年賀はがきを買ってきて、宛先や名前をまず先に書いていく星田や永井や、柳井や今田たちに出す年賀はがきを書きながら、

「今頃皆どうしてるのかなぁ?」

 などと思っていた。山口に引っ越ししてから、まだ一度もあっていない友人もいるので、また大阪に帰りたいなと思っていた私である。その年賀はがきも書き終えて、児童館のバイトに向かって、子供たちの色々な話を聞いたり、一緒になって遊んだり、体育ルームの安全の見回りをしたり。小さい子供は寒さなど気にせずに、外で元気に遊んでいる。そして、児童館での1年最後のバイトを終えて、アルバイト代をいただいて、年明けのバイトの予定を組んで家に帰った。さすがに12月も半ばになると、自転車での外出は寒さが身に堪えるようになる。厚手のジャンパーに手袋をはめて、いつものように途中にある小さな書店に立ち寄って、文庫本の新刊を確認してみると、この前立ち寄ったときとあまり変わっていなかったので、このときは何も買わずに帰宅。無事に児童館でのバイトが終わってホッとしている私であった。そして冬休みが始まり、私は自転車をこいで中央郵便局へ。まず最初にそれぞれに担当部署と、私たちエリアが言い渡されて、女子は主に局内での仕分け、男子が郵便物の配達へと振り分けられ、私は自分が住んでいるところのすぐ近くを担当することになった。ほとんどが知っているところばかりなので、私としてはありがたかった。一番ありがたかったのが、ほかの人は、昼食の時は局内に戻って、局内にある食堂で食事をするか、自分で弁当を持ってくるしかなかったのであるが、私は昼食時になると、自分の家にいったん戻って、暖かい昼食を食べることが出来ることであった。ただ、昼食を済ませると、早めに郵便物を配り終えないと、日が暮れるのが早いため、真っ暗な中、配達をしなければいけなくなるため、交通事故を防ぐ意味からも、家で食事をするからと言って、あまりゆっくりとしている時間はなかった。昼食を摂り終えると、再び郵便物が山積みになった自転車をこいで配達。これがかなり重たいので、坂道を登らないといけないようなところは大変である。幸い私が受け持った地区は平たんなところが多いので、比較的楽な配達コースであった。まだ年が明けるまでは年賀はがきがないため、郵便物は少なめであったが、これが年が明けると一気に郵便物が増えるのである。

 やがて1988年の大晦日を迎えて、1年無事に過ごせたことに感謝しつつ、皆は食事を済ませた後、紅白を見ていたようであるが、私は元旦からの激増する郵便物の配達に備えて、早めに眠りについた。

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