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冬休み

 やがて文化祭も終わり、足早に冬の足音が聞こえてくると、あっという間に12月。このころになると、普通の音階の音は出せるようになっていた。ただ、どの曲でもそうであるが、1オクターブ上のソやラまで出さなければならない曲が多いので、さらなる練習が必要であった。部活では、基礎練習に明け暮れた2学期の後半であったが、少しずつ音楽を演奏する楽しみと言うのが、分かり始めた私である。私と同じ学年には、清田の他に女子で貴ちゃんとみっちゃんがいて、基礎練習が続く私によく声をかけてくれていた。

「リンダ君、音はどこまで出せるようになった?」

 とか、実際にマウスピースを楽器に装着して音を出してみると、

「すごいじゃん。よく短期間に音が出せるようになったね」

 とか言ってくれた。だいたい音が出せるようになるまで、3か月くらいかかるのだそうである。それを3か月で普通の音階を出せるようになるというのは、上達が早いということらしい。

 冬休み期間中も部活があるわけで、終業式が終わったからと言って、あまり長期休みに入ったっていう実感はなかったが、家でだらだら過ごすよりも、学校に行って部活に励んでいた方が、よっぽどか楽しい。なので、寒風吹きすさぶ中、自転車をこいで学校に向かっていた私である。まぁ、部活もクリスマスが過ぎると、正月5日までは休みになるが。クリスマスがやってきて、部活も休みになって、しばらくの間学校に行くことはなかったが、基礎練習で、マウスピースを家に持って帰って、練習を続けていた。口の周りの筋肉を結構使うので、だんだんしびれてくるのであるが、毎日1時間以上は続けていたであろうか。

 部活が休みになって、年賀状も出して、あとは年末年始の大掃除。自分の部屋の窓を開けっ広げて、まずは窓の拭き掃除。寒い中、手が悴みそうになりながら窓をふいていたが、最初は寒いと思いながら掃除をしていたが、慣れてくるとだんだん体があったまってくるもので、最後の方はあまり寒さは気にならなかった。窓の拭き掃除が終わると、今度は部屋の中のタンスや、机の上に溜まった埃を叩き落して、掃除機をかけてから、今度はフローリングを雑巾ぶき。家の掃除が終わると、今度は男性陣と女性陣に別れて、男性陣は車の掃除。女性陣はお正月を迎える準備。私は車の掃除の手伝いで、まずは車の表面についた汚れを、ぼろ雑巾で拭き取っていく。その後乾いたぞうきんで水気を拭き取って、そのあとワックスがけ。ワックスが乾いてきたら、今度は再び乾いたぞうきんで、ワックスを丁寧に拭き取っていく。それが終わったら今度は車内の掃除機掛け。こうしておんぼろの中古のシャレードも、表面はピカピカに。車内も綺麗になって、家の中も、車の中も正月を気分よく迎えられるように、準備はできた。

 そして迎えた1988年。私は新聞配達があるため、大晦日も紅白など見ないで、早めに就寝して、朝早く起き出して新聞配達へと向かったのであるが、正月の新聞と言うのは、特集記事や新年の大売り出しの広告などがたくさんあるので、めっちゃ嵩張る上に重いため、新聞販売店のご主人が、各ポイントに新聞を持っていって、そこで新たに新聞を受け取ることになっているが、分厚い新聞をポストに投函するのも一苦労であった。まぁ、冬休みということで、」学生は故郷に帰省している場合が多かったので、普段より配る件数が少なかったので助かったが…。

 新聞を配り終えて家に帰ると、熱々の雑煮ができていた。新年の挨拶を済ませて、朝食代わりの雑煮をいたただく。家での用事を済ませたあと、母の実家に新年の挨拶に向かう。おんぼろシャレードに家族5人が乗っていくため、かなり窮屈で、非力なため、坂道に入ると思いっきりアクセルを踏み込まないと、減速してしまう状態であったが、無事に母の実家について、まるちゃんの盛大な歓迎うけて、新年の挨拶しながら家に入る。祖母と伯母からお年玉をもらったのであるが、高校生になって、バイトもしている私が、お年玉をもらってもいいのかなとも思いながらも、せっかくの厚意なので、ありがたく受け取ることにして、この時もらったお年玉と、バイトでためたお金で、日本コロンビア製のCDコンポを買った。この当時で、レコードプレーヤーもついて8万円ほどしたであろうか。今ではかなり音質のいい音響製品が、格安で出回っているが、この当時のCDコンポと言うのはかなり高額だったのである。これで自分専用に、CDコンポをようやく手に入れることが出来た私で、これ以降自分の好きなアーティストのCDを、バイトでためたお金を使って買うようになった私である。特に私がこの当時買っていたのが杉山清貴さんや、THE ALFEE、チェッカーズ、C-C-B、岡村孝子さんなどであった。この当時買ったCDは、今でも私の手元に大切に残してあり、今ではスマホに取り込んで車の中やスマートスピーカーで聴いている。

 

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