同窓会の案内
それからしばらくたって、学校から帰って家に入ると、私宛に、小学校の同窓会を行うという案内のハガキが届いていた。差出人は、私に対していじめ加害行為を働いた主犯格の一人、浜山。小学校の同級生も高校に入って、皆でそれぞれ違う学校に進学して、なかなか顔を合わす機会もないので、8月〇日に久しぶりに、みんなで集まりたいという内容のことが書かれていた。私も確かに星田や永井・今田や福田・柳井たちには会いたい。でも、どうしても加害者に顔を合わせることになるということが、私を同総会に参加するということをためらわせていた。どうしても、あいつらの顔を見ると、その当時の辛い記憶がよみがえってくるのではないか。あいつらの顔を見た瞬間、記憶がフラッシュバックするのではないか?という思いが頭の中から離れなかったである。また、あいつらと顔を合わせて、平常心でいられるのかどうか、不安があったというのが、正直なところである。まだあいつらのことを、完全に許せたわけではなく、あいつらのことに関しては、正直殴り倒してやりたいという思いをこの当時も抱えていた。なので、あいつらの顔を見た瞬間、私の理性が失われて、何か、警察沙汰になるような事件を、引き起こすのではないかと言う、不安を抱えていた。どうしようか少し迷ったが、参加しないことに決めた。往復はがきの返信面の不参加に〇をつけて、理由などは書かずに返信した。それから数日たって、星田から電話がかかってきた。
「お前、同窓会には参加せえへんのやな…」
「うん。正直、まだあいつらと顔を合わせて、自分が平常心でおれるかどうか、自信がないねん」
「そうかぁ…。まぁ、あれだけ悲惨な目にあわされたんやもんな…。リンダがそう言うのも無理はないか…」
「俺もまた大阪に帰りたいと思うてるんやけどな」
「また、いつでも帰ってきたらええやん。あ、そうそう。今度の夏休みな、柳井と二人で、大阪から鹿児島まで、自転車旅行しようってことになってんねん。それでな、もしよかったら、3~4日ほど泊めてもらえんやろうかなって、思うてるんやけど」
「そうなん?俺らはいつでも来てくれてええで。でも、大阪から鹿児島までっていうたら、自転車やったら2週間くらいかかるんちゃう?」
「多分かかるやろうな。だいたい1日で100キロくらいを考えてるからな」
「気をつけてこいや」
「おぉ。ありがとうな」
ということで、星田と柳井が、大阪から自転車でやってくることになった。柳井と会うのは、小学校卒業以来なので、4年ぶりになる。久しぶりに会えるとなると、やはりうれしいものである。




