表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/218

栄養素の測定

 楽しかった2泊3日の宿泊訓練が終わって、家に帰ってのんびり過ごした私。やはりなんやかんやで疲れていたのか、横になっていると爆睡していて、目が覚めたら夕方であった。

 月曜日になって普段通り学校に向かうと、同じ高校に合格した末山が先に行っているのが見えた。はっきり言って、先に行くと変ないちゃもんつけてきて、面倒なことになりそうだったので、一緒に学校に向かっていたしげに

「ちょっとこっちまわって行こうぜ」

 と言って、一つ手前の信号で国道を渡って、末山を追い越した。

「なんであいつがこの学校に受かったんだよ」

 と思った。学科が違うとはいえ、同じ高校にあいつがいるというのは、正直嫌なものであった。まぁ、なんとか無事に末山に因縁をつけられることもなく学校に着いて、しげとともに教室に入って、まずは授業の用意。その日は学校の敷地で栽培されている、大豆の栄養素を測定する日だったので、ホームルームが済むと、実験用の白衣に着替えて実験棟へ。まずは測定用の試薬を用意して、測定を開始。この測定は試薬の濃度がきちんとあってないと、正確な数値が求められないので、試薬の正確性が極めて重要な要素となる。この測定が正確にできないと、次の実験に進めないため、私はさっさとパスして、次の実験に向かいたいと思っていたので、試薬の準備は慎重に行っていた。水溶液の作るのに、薬品を溶かすために、使ったビーカーに残ったごく少量の薬品も、きちんと試薬を保管する容器の中に入れてやらないと、正確な値が出ないため、慎重の上にも慎重を期して測定に臨んだ。その結果、私は1回で測定をパスして、次の課題が与えられた。一方で試薬の精製に失敗したものは、幾度となくやり直しと言う結果になり、その都度試薬の精製からやり直さなければならないため、1学期の中間テストが始まるころには、次の課題をパスしている者、まだ一番最初の大豆の栄養素の測定で躓いている者と、はっきりと分かれ始めた。清田も生成に失敗側で、

「なんで俺が作った試薬では、正確な値が出んのじゃろ?」

 などと言っていたが、彼の試薬の作り方を見てみると、ビーカーに残った薬品も一緒に、容器の中に入れなくてはならないのに、ビーカーの底に残った薬品は洗い流していたのである。そのため、試薬の濃度が薄いため、実際の値よりも低い数値しか出てなかったのである。その点を指摘すると

「なんじゃ、そうじゃったんか~」

 と言っていたが、私は

「先生が一番最初に行ってたことじゃん。聞いちょらんかったんか?」

「そんなこと言ってたっけ?」

「言ってた」

 そんなこんなで、当然課題の進行具合によって、成績も大きく影響されるので、課題が遅れているものに対する採点は厳しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ