宿泊訓練パート2
夜が明けて2日目はオリエンテーリングで、学校から学校発祥の石碑がある、市民会館までを歩くというものであった。学校から市民館まで、往復10キロほどあるであろうか。まだ梅雨入り前の時期とはいえ、5月も終わりごろになると、暑くなるので、かなり厳しい歩きとなった。まだ学校を出発して、1キロ2キロくらいは皆余裕があるが、やがて学校を出発してから1時間くらい歩くと、皆疲れてきたのか、歩くペースが遅くなってきた。途中、子供向けの遊具を備えた、子供センターがあり、そこではウォータークーラーが設置されていて、喉が渇いていたので、ちょっと寄り道をしてのどを潤しながら、トイレも済ませて、再び市民館目指して歩いて行った。一緒に歩いて行った栗田はバテバテで、
「早く帰って寝たい」
などと言っていた。その一方で、女子の田坂や佐川は元気そのもので、運動部で体を鍛えているだけあって、まだまだ余裕っていう感じであった。私も比較的暑さには強い体質なのか、汗はかいていたが、子供センターで水分を補給したこともあって、まだまだ大丈夫っていう感じであった。
そして、子供センターを出発して、1時間ほどで市民館に到着。学校発祥の石碑の前で、全員で記念撮影して、また歩いて帰るのである。かんちゃんは
「電車に乗って帰りたい」
と言っていたが、歩いて帰るという至上命題が出ており、よほど体調が悪い場合でない限り、帰りも汗だくになりながら歩いて、子供センターで再び水分補給。皆考えることは一緒で、1台しかないウォータークーラーには、順番待ちの長蛇の列ができていた。喉を潤して、クーラーのきいた室内で少し休んで、再び外に出ると、ムワーッっとした暑さが身体を包む。引いていた汗が、再びどっと噴き出してくる。子供センターからまた、1時間ほどかけて歩いて帰って、学校に着いたころには、皆疲れ切っていて、汗だくになったシャツを脱いで洗濯を済ませると、皆ぐだーっとしていた。流石に一日4時間歩くというのはそうそうないので、体力を使ったんだろうと思う。そしてその日の夜は疲れているので、早く寝ればいいものを、夕食と入浴を済ませると、再びトランプ大会。今度は亀田や藤田双子の山辺兄弟(兄貴と弟)たちも加わって、これまた賑やかに過ごして、宿泊訓練2日目の夜は更けていった。そして、最終日は朝食を済ませた後、片付けを済ませて昼前に解散して、それぞれの家へ。この宿泊訓練は闇鍋に始まって、寸劇に肝試しに炎天下の4時間ウォーキングと、いろいろあったが、楽しい思い出となった。何より私自身が、女子に対して抱いていた心の距離感が縮まったような、そんな気がした。そして家に帰ってラジオをつけると、安全地帯の
「じれったい」
が流れていた。安全地帯と言えばバラード系の曲が多いというイメージがあったが、この曲はポップな感じのする曲で、それまでのイメージとは少し違った感じがした私である。




