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体育会系?

 高校は自転車通学なので、真夏の炎天下では

「暑い暑い」

 と言い、真冬の北風が吹き抜ける季節になれば、

「めっちゃ寒いじゃん」

 などと言いながら、毎日毎日自転車をこいでは、30分かけて通学していた。これがちょうどいい運動になったのか、入学してから1か月ほどすると、私の両足にはかなりの筋肉がついていた。そう、通学の途中でかなりきつい坂道があって、そこを上り下りしなければいけなかったので、中学校の時のような、平坦な道をこぐのとは違って、朝から相当な運動を自然とするようになっていたので、このほかに特に運動していたわけではないが、私の得意種目である短距離・中距離に加えて、長距離走でもかなりいいタイムが出せるようになっていた。それは体力測定でわかったのであるが、県平均よりもはるかにいいタイムが出せていた。そんな私を見て、体育の桜田先生が

「リンダさぁ、マイコン同好会やめて陸上部に入ったらいいんじゃないか~?」

 などと話していたので、先生としては、文化部の所属させておくのは、もったいないと思ったのであろうか。そう言えば、私が入学して間もないころ、3年生の先輩が私を見かけて、ラグビー部にスカウトしに来たことがあった。なんでも私の体つきは、今でいう体育会系体型らしい。私はラグビーをやったこともないし、ルールもよくわからないので、やんわりと断りを入れると、その先輩は

「ルールなら、俺たちが教えるから、どうしても入らないか?」

 と言われたのであるが、やっぱり興味がわかなくて断ると、その先輩は

「いい体つきしてるし、身長も高いので、もったいないんじゃけどなぁ…」

 と言って、残念がっていた。確かに私が通った高校は、ラグビー部の強豪として知られていて、花園での全国大会の県予選で、常に上位を争っていた学校である。残念ながら、私が在学中に花園ラグビー場で開催される、全国大会への出場は叶わなかったが。


 私は自分が思ってる以上に、体育会系の体つきになっていることに少々驚いたが、これがのちに、地元企業に就職したときに、いい結果を生むことになる。

 その桜田先生が担当する体育の授業は、半分遊びのような感じであった。天気が良ければグラウンドに出て、男子と女子を一緒のチームの混ぜて、4チームに分けてソフトボールをしたり、サッカーをしたり、天気が悪ければ、体育館でバスケや卓球をしたり、競技を教えるというよりも、スポーツを楽しませることに徹していた。ソフトボールでは、私が強肩ということで、主に外野を守っていた。ナイスプレーが出ると女子からは

「リンダ君ナイス~」

 などと声援がもらえたり、和気あいあいとした中で、体育の授業が行われていた。その中でも特に、私が印象に残っているヒットが、三遊間に放ったヒットである。サードの守備に就いていた金田がうまいこと捕球して、ファーストに投げるのが見えたので、私は全力疾走でファーストに向けて駆け抜けた。結果は私の方が一瞬早く駆け抜けたのでセーフ。誰もがアウトになったと思ったという。それを見てみっちゃんが

「リンダ君、本当に足が速いんじゃねぇ。アウトになると思ったわ」

 と言っていた。私も

「てっきり俺もアウトになると思ったわ~」

 と言うと、

「ナイスヒット」

 と言ってくれた。私はソフトボールのバッティングで、打球が飛ぶ方向はセカンドからサードにかけての方向が多く、よく言われている、センター返しの打球が多かった。そのため私がバッターボックスの入ると、対戦相手は

「リンダシフト」

 と、後に名前がつく守備体系を敷くようになった。そう、セカンドベースよりに守備を敷くのであるそうなると今度は3塁線が大きくあくので、そこを狙って打ったり、まぁ、対戦相手との駆け引きを楽しみながらソフトボールに興じていた。

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