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異性

 高校生ともなれば、女子と話をするとき、どうしても異性ということを意識するようになる。中学の時はあまり

「女子である」

 ということは意識することなく、話をしていたが、やはり高校生にもなって、大人へと近づいてくると、やはり

「この子可愛いな」

 とか、

「女子と話したいな」

 とか思うようになり、どことなく話し方がぎこちなくなっていた。家に帰れば年子の姉がいるし、少し年が離れているが、妹もいる。やはり家族と、クラスメイトの女子と言うのは、まったく違うものであると実感した私である。しかし、そのぎこちなさも次第になくなって、普通に

「異性」

 と意識せずに、話ができるようになったのは、入学してから1か月くらいたってからであろうか。最初のうちは、私と同じ学校から入学した竹本(ユッキー)や、石田(えっちゃんという女子とは気兼ねなく話せていたが、やはり違う中学校出身の女子を目の前にすると、少し緊張していて

「リンダ君、ひょっとして緊張してる?」

 などと言われて

「うーん。まあねぇ…」

 などと言って、桝田(みっちゃん柳田(なおちゃんという演劇部に入部した女子とユッキーやえっちゃんと言った女子が、気軽に話しかけてきてくれたので、私の中にあった小学校卒業以来、私に残っていた

「女子アレルギー」

 が少しずつ和らいでいった。一緒に冗談言ったり、好きなアーティストの話で盛り上がったり、女子との会話を楽しむ自分がいた。このころになると、私が山口に引っ越して以来、ずっと心の中にあった

「女子はいつか俺を裏切る」

 と言った疑いの念も、この高校の同級生の女子に関しては、抱くことはなくなっていた。そんなある日、私が自分の小遣いをためて初めて買った、私が好きなアーティストのチェッカーズのオリジナルアルバム、SONG FOR U・S・Aの歌詞カードを、プリントを挟めるクリアファイルに挟んで、持っていって、自分の机の上に何げなく置いていたら、直ちゃんが見つけて、

「リンダ君、これちょっと見せてもらってもいい?」

 と言うので、私は

「好きなだけ見ちょっていいよ」

 と言うと、嬉しそうに歌詞カードを眺めていた。彼女はチェッカーズの大ファンだったのである。私は今でもチェッカーズの曲をよく聴いているが、チェッカーズの曲を聴くと、彼女の底抜けに明るい笑顔を思い出す。今頃彼女はどうしているのかな?ふと懐かしく思い出すときがある。

 このころはバンドブームで。チェッカーズのほかに、安全地帯やC-C-B・XJAPAN・ショーヤ・プリンセスプリンセス・爆風スランプなどが、ヒットを立て続けに飛ばしていた時代で、音楽番組にもよく顔を出してた頃で、私にとっては大切な青春の1ページになっている。

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