表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/218

呼出

 翌日、学校に行って、昼に弁当を食べていると、校内放送で

「3年9組の田伏君。至急職員室に来てください」

 と言う呼出があった。私は

「たぶん、修学旅行で金を脅し取ったことが、ばれたんじゃないか?」

 と思っていた。そして田伏が教室に帰ってくると、

「誰じゃあ‼‼。俺が修学旅行で金をパクったって、センコウにチクったやつは」

 などと言っていた。私は

「自分で「修学旅行で金をパクった」って言ってんじゃん。バカじゃねぇの」

 と思っていた。その田伏が真っ先にチクった張本人として疑ったのが私であった。初日に、一緒の部屋で宿泊して、その部屋で1000円を、一緒に泊まったメンバーから盗ったわけで、その中でもクラスが一緒の私が、チクったと思ったのだろう。私は田伏と関わること自体面倒なので、ほっといたのであるが、おそらく2日目に一緒に泊まったメンバーか、初日の一緒泊まった他のクラスのメンバーから、告発があったんじゃないかと思う。田伏は私のところに来ると

「リンダ~。テメェー、センコウにチクったんじゃねぇじゃろうな?」

 と言ってきた。私はまともに相手するのもばかばかしいので、

「はぁ?なんで俺がそんな面倒なことをしなければならんのか?第一チクられて困るようなことをしたのは自分じゃろうが。自分のケツくらい自分でふけ」

 そう言うと田伏は

「お前じゃないんじゃったら、誰がチクったって言うのか?」

 などとぐちぐちしつこく聞いてくるので

「じゃあ、俺がチクったっていう証拠を見せろよ。あぁ?何か証拠でもあんのか?」

 と言って凄むと、おとなしく引き下がっていった。自分が人の金銭を盗んでおいて、それがばれたら相手を逆恨みするなんて、バカのやることだし、本当呆れて、アホとしか言いようがないと思った私である。

 この一件で田伏は厳重注意処分が下された。まぁ、厳重注意されたからと言って、こういった不良と言うか、チンピラがやるようなことをやめることはなかったが。多分、被害金額は10000円を超えていたのではないかと思う。しかし、この事件で田伏の親が謝罪に来ることはなかった。恐らく田伏のことは、ほったらかしにされていたか、子供のやることに無関心だったのではないかと思う。田伏が他人の金銭を盗んだということは、学校から田伏の親にも連絡が行ったはずであるが、何の行動も示さなかった。もし、仮に私が田伏と同じことをしたら、親は私の顔を2~3発ぶん殴って、被害を受けた相手に対して謝罪させたうえ、被害者全員に全額自分で返済させたはず。私の親は曲がったことや、理屈が通らない話が大嫌いで、どのような理由があったにせよ、このような悪事を働いたら、私をぼこぼこにするくらいぶん殴ってたのではないかと思う。

 ちなみに田伏が、被害を受けた生徒全員に盗み取った金銭を弁償することは、なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ