表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/218

徒歩通学日

 文化祭が終わるとだんだん寒さが厳しくなってくる。私が通ったK中学校には、健康増進を図るという名目で、徒歩通学日と言うのが設けられており、この日は遠方から通う生徒も徒歩で学校に通わなくてはならない。月に一度、土曜日に行われるのであるが、私が住んでいるところから学校まではおよそ4キロあり、歩いて通うとなると40分ほどかかる。中にはちゃっかりした者もいて、通学途中にある知人の家まで自転車で出発して、その知人に自転車を預けて、そこから歩いてくる奴もいた。まぁ、そんなことをするのはつっぱってる奴ばかりであったが。私はまじめに家から歩いてその日は学校に通っていたが、後に部活での移動に支障が出るということで、運動部を中心に廃止を求める声が上がり、私が2年になるころにはなくなったが。

 それにこの徒歩通学日と言うのは、保護者からも不評で、子供が早く出発する分、家の用事も早く済まさなければならないため、

「なんでこんな校則があるのよ」

 と、母も愚痴をこぼしていた。徒歩で学校に向かう場合と、自転車で向かう場合、20分は出発時間に違いが出てくるため、朝食の準備が大変だったようである。

 さて、やがて2学期の期末試験が行われ、テスト期間中は部活も行われないため、帰宅部であっても、堂々と帰れる。各教科の先生から出題範囲が示されて、習ったことの復習を主にしていくわけであるが、中間試験が終わってからすぐに習ったところは忘れてしまっているところも多く、習ったことを思い返しながらの勉強が続く。数学の公式や英語は相変わらず苦手で、なかなか覚えられなかったことに変わりはなく、家庭教師の先生をつけてもらって、勉強しても数学と英語の成績は良くて平均点前後、大体は平均点を下回る成績であった。そのほかの国語・社会・理科で得点を稼いで学年の順位を何とか維持している状態であった。数学と英語の成績が一向に上向かない私に母は

「相変わらず数学と英語がだめじゃねぇ…」

 と言っては、ため息をついていた。この期末試験が終わると、足早に年末を迎えて、クリスマスに年末年始がやってくる。その年末を前にした12月の終わり、終業式の前で、私にとって過去のあの忌まわしい記憶を呼び起こさせる、最悪な事件が起きる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ