幼女+猫=
お読みいただきありがとうございます!
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「自己紹介しましょうね。私は院長のエリザ。お名前、言えるかしら?」
あ!っと気づいたときには既に遅し。
身体の名前か本名か、女神様にもミーリアちゃんにもこの身体で生きる名前を確認していない。
ミーリアちゃんのご両親の名誉を取り戻すためにも身体の名前でいきたいところだけど、万が一、ミーリアちゃんを知る人がいたら…。
ミーリアちゃんの身体は幼児。飲まず食わずじゃ2日ももたない。
どうしたらいい?どうしたら…。
どっちが正解??誰か、助けて…。
「みゃあ〜」
お前はミアだろ、とでも言うようにクロが鳴いて、足に擦り寄ってきた。
いつの間に!念話できなかったっけ!?
今は細かいことはいい!
とりあえず可愛いければ全てが上手くいく!
ミーリアちゃんに籠絡されよ!
わたしはクロの背中をぎゅっとして、目を潤ませ、顔を斜めにしてみんなを見上げ、なるべく可愛く、なるべく切ない声を出した。
「…みあ。このこは…くろ…。」
「天使ミア、今日からあなたのお姉さまのアクアよ!」
「俺はジンだ!頼れるカッコいいみんなのアニキでーー」
「ジン長いわよ。わたしはイザベル。ベル姉って呼んでね!」
「僕はテオ。こっちは妹のロッテ。ようこそミア!大歓迎だよ!」
「ロッテ、おねえさん〜?あ、ねこちゃんまって〜!」
「…ジェシカ……。よろしくね…」
ふっふっふ。作戦通り!
みんなミーリアちゃんの美貌にやられたようだ。
美貌?どこ?という目で見てくるクロを無視して、わたしは院長の服の裾をくいっと引っ張って解説を頼んだ。
自己紹介順に、天使を崇拝するアクアが9才、陽気なジンとお姉さん的な存在のイザベルが最年長で14才、しっかり者のテオが12才で、甘えん坊のロッテは5才、気弱なジェシカが11才だという。
みんなスレてなくていい子そう。
しかし、最年少のロッテが5才か〜…。
明らかにロッテより幼い手。
閉じたり開いたりしてみるが、やはりグーとパーしかできない…。
わたしは丸っこい小さい手を目一杯広げて、院長に見せた。
「…みあ、さんさい…。」
院長は小刻みに震え、わたしの手にタッチして、「さぁ、食堂に行きましょうね」と誘った。
小さい子のちぎりパンみたいな体、おいしそうで好きです笑