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貸しはふたつ(2)

アクセス、ブクマありがとうございます!

ぜひリアクションをお願いします!

待って!やっぱり待って!早まらないで!!


わたしは、小走りして院長の服の裾をひしっと掴んで力いっぱい引っ張った。


しかし、幼児は非力なもの。

院長は止まらない。


「お話中失礼します。断じて毒など入れておりませんが、浄化魔法をかけても、毒味は必要でしょうか?」


ギィェエエエエ!

な、な、なんてことを言い出すの!


予想外の言に、わたしは慌てた。


なんとしてでも止めねば!!



「ギル兄!アル兄!」


わたしは、二人の名を呼ぶと、食べる仕草をして、両手でバッテンをする。


伝わって!お願い!食べるのを辞退して!!

と念じて、食べる仕草とバッテンを繰り返す。


すると、二人は二言三言交わし頷いた。



「うん、必要ない!元聖女様とミアの言う通りだ」


どうしてこうなった……。


再び白目を剥くミアを他所に、アルトは深く首肯したのだった。







「なぁ、ミア、まだ?」


ジン兄が、まだかまだかと急かしてくる。


無理もない。

さっき、ソースを惜しみなくぶっかけたからだ。


じゅうじゅうと音を立て、腹の虫を狂わせる芳しい匂いが辺り一面に広がる。



「あぁ〜…俺この匂いだけでパン食べれそう」

「そう、じゃあ、あんたのはお肉なしでいいわね」

「?!今のナシ!ナシナシナシ!ベル様、どうかお慈悲をー!」


ジン兄とベル姉の安定のいちゃいちゃが始まったが、わたしはそれどころじゃない。


何故かって、わたしの分のパンが、半分だからだ。

1個まるまる食べたいよう!お肉たっぷり入れてかぶりつきたいよう!


そう思っていたら、急に肉体年齢に引っ張られ、視界が潤んだ。


すると、誰かの手がわたしの頭に乗り、優しく撫でてきた。


泣いても状況は変わらないのは分かってる。

分かってるもん…。



わたしは、自称食いしん坊と自慢するほど、前世では食べることが大好きだった。

だから食べることを我慢するなんて、魂レベルでムリなのだ。




ふぅ…。


やっと気持ちが落ち着いたので見上げると、その人は、八の字眉で困ったような顔をしていた。


「いんちょぅ……」


そんな顔しないで。

暴君ギル兄がすべて悪いの、と言いたい。

いや、あえて言うべきか…?



悶々と呟いていると院長がわたしの耳元で呟いた。


(ここは、恩を売っておくのですよ)

(ほうほう、なにかいい案があるのですかな?)


わたしは、思わず悪の商人みたいな口調になった。

ワクワクしながら、院長の唇が動くのを待つ。


(……。今はないけれど、今後大物と引き換え予定ですよ)

(大物…!仕方ない、今回は恩を売ることにしましょう!)


大物に大期待して、今回はパン半分で我慢する。



あっ、貸しは2つだからね!


ギル兄とアル兄に、ひとつずつ!!


ミアの必死のアピールは、ギル兄にもアル兄にも伝わりませんでした…


「面白かった!」「続きが気になる!」「続き早く!」「タイトル回収まだ?」「ミアちゃんかわいいー!」などなど、思って頂けましたら、リアクションをいただけると幸いです。

今後、作品を作っていく上での糧になります!

どうぞよろしくお願いします!

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