貸しはふたつ(2)
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待って!やっぱり待って!早まらないで!!
わたしは、小走りして院長の服の裾をひしっと掴んで力いっぱい引っ張った。
しかし、幼児は非力なもの。
院長は止まらない。
「お話中失礼します。断じて毒など入れておりませんが、浄化魔法をかけても、毒味は必要でしょうか?」
ギィェエエエエ!
な、な、なんてことを言い出すの!
予想外の言に、わたしは慌てた。
なんとしてでも止めねば!!
「ギル兄!アル兄!」
わたしは、二人の名を呼ぶと、食べる仕草をして、両手でバッテンをする。
伝わって!お願い!食べるのを辞退して!!
と念じて、食べる仕草とバッテンを繰り返す。
すると、二人は二言三言交わし頷いた。
「うん、必要ない!元聖女様とミアの言う通りだ」
どうしてこうなった……。
再び白目を剥くミアを他所に、アルトは深く首肯したのだった。
♢
「なぁ、ミア、まだ?」
ジン兄が、まだかまだかと急かしてくる。
無理もない。
さっき、ソースを惜しみなくぶっかけたからだ。
じゅうじゅうと音を立て、腹の虫を狂わせる芳しい匂いが辺り一面に広がる。
「あぁ〜…俺この匂いだけでパン食べれそう」
「そう、じゃあ、あんたのはお肉なしでいいわね」
「?!今のナシ!ナシナシナシ!ベル様、どうかお慈悲をー!」
ジン兄とベル姉の安定のいちゃいちゃが始まったが、わたしはそれどころじゃない。
何故かって、わたしの分のパンが、半分だからだ。
1個まるまる食べたいよう!お肉たっぷり入れてかぶりつきたいよう!
そう思っていたら、急に肉体年齢に引っ張られ、視界が潤んだ。
すると、誰かの手がわたしの頭に乗り、優しく撫でてきた。
泣いても状況は変わらないのは分かってる。
分かってるもん…。
わたしは、自称食いしん坊と自慢するほど、前世では食べることが大好きだった。
だから食べることを我慢するなんて、魂レベルでムリなのだ。
ふぅ…。
やっと気持ちが落ち着いたので見上げると、その人は、八の字眉で困ったような顔をしていた。
「いんちょぅ……」
そんな顔しないで。
暴君ギル兄がすべて悪いの、と言いたい。
いや、あえて言うべきか…?
悶々と呟いていると院長がわたしの耳元で呟いた。
(ここは、恩を売っておくのですよ)
(ほうほう、なにかいい案があるのですかな?)
わたしは、思わず悪の商人みたいな口調になった。
ワクワクしながら、院長の唇が動くのを待つ。
(……。今はないけれど、今後大物と引き換え予定ですよ)
(大物…!仕方ない、今回は恩を売ることにしましょう!)
大物に大期待して、今回はパン半分で我慢する。
あっ、貸しは2つだからね!
ギル兄とアル兄に、ひとつずつ!!
ミアの必死のアピールは、ギル兄にもアル兄にも伝わりませんでした…
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