貸しはふたつ(1)
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「冷めちゃうじゃんー」
「何かあってからでは遅いんですよ!」
「熱々が食べたいー」
「ダメです!」
ぶーたれるギルバードをアルトは断固として拒否をする。
何故なら、王族の毒味なしの飲食は死を意味するからだ。
第三王子のギルバードでさえ、幼少期は何度も死に際に遭い、毒味役は何度も代わった。
ギルバード自身で把握する限り、未遂を含めると1000を超える。
これが、兄王子達より少ないのかは不明だが、9歳で1000回ということは、ざっと1年で110回、1月だと9回、つまり3日に1回を意味する。
少しずつ毒の耐性はつけているとはいえ、王子も楽ではない。
現在、ギルバードの毒味役はアルトだが、万が一があった場合、護衛も兼ねているため拷問後に首が飛ぶ。
しかし、張本人のアルトは、命が惜しいなどと露程も思っていない。
主を護ることが生まれてきた理由であり、生き甲斐であり、天命だと考えているからだ。
そんなアルトの偏愛は、十二分にもギルバードに伝わっているはずなのだが、王族という輩はみな暴君である。
故に、暴君王子の我儘が過ぎる場合、命を賭けて何としてでも諌めるのが護衛の役割なのである。
(おっとっと、焦げちゃう!)
わたしは慌ててお肉をひっくり返した。
鉄板の端を見遣ると、パンも良い塩梅に焼けてきていた。
パンは、全部で10個。
院長、ジン兄、ベル姉、ジェシカ姉、アクア姉、テオ兄、ロッテ、クロ、ビーちゃん、わたしの分だ。
そう、ぴったり1人一個だ。
だから、ギル兄とアル兄の分など端からない。
しかしギル兄は暴君王子であって、命令には逆らえない。
このまま断れなければ、うち4人が半分こになるのだが、この世界には、ジャンケンがない。
じゃあどうやって決めるのかって?
自己犠牲精神の院長+胃袋の小さい順に決まっている。
そう、クロ、ビーちゃん、そして、わたしだ…。
女神様!今だけわたしを大きくして!元の18歳の身体に戻して!
とりあえず背だけでも!と、その場でピョンピョンとジャンプして、腕と脚をぶるぶると震わせる。
1ミリも変わらないのは分かっているけど、気分が変わる気がするの。気分が。
突然始まった謎の行動に、ベル姉とジェシカ姉が奇異な目でわたしを見てくる。
やめて。見ないで。
そんな目でわたしを見ないで。
そんなこんなしていたら、院長の足音が近づいてきた。
ぴんち。
とりあえず、白目を剥いておく。
わたし、パン1個食べたいの。
わたし、真剣なの。
最後、ベル姉とジェシカ姉は、笑いを堪えています。
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