新生活は孤児院で
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うーん…。さむっ……。
ころりと体勢を変えて、隣にいた暖かい何かを抱きしめて、すーはー深呼吸。
今何時だろう。お腹すいた。
転生してから1日1日がなかなか濃い。
でも一切後悔はない。
人間界では助けられなかった、猫にも再会できたし。
(転生してすぐ側にいたのに気づかなかったのは、内緒にして…。)
一緒に転生する条件に、女神様と何やら誓約があったらしいけど、また会えて嬉しい!
今世では助けられるように、強くなる!
あ、名前は「クロ」にしたんだ。色が黒いから。
クロとお話ができるのは、念話よって女神様が教えてくれたんだけど、これもチートなんだって。
魔法ってスゴイね!
「寝顔も可愛いわね、まるで天使みたい。」
「あれ、誰?」
「昨日院の前で倒れてたんだって」
「しー!起きちゃう!」
「しー!」
「…猫ちゃんも…可愛い…」
なんだか周りがうるさいような。
わたしは、目を擦りゆっくりと目を開けた。
「?」
「天使が目覚めたわ!」
「見た?今、俺と目が合った」
「違うわよ。わたしと目が合ったのよ」
「院長呼んでくる」
「よんでくる〜」
「わ、わ、わたしも…」
まじまじと覗き込むたくさんの瞳。
わたしは、ビクッと体をすくめて、薄着れた毛布を引っ張って被った。
ここどこ!?
思い出そうにも、全く思い出せない。
ドドッと早鐘を打つ胸を押さえて、隣で寝ていたクロの背中を叩いた。
ーおきて!おきて!
ー…ふぁ〜。眠い…。なんだよ。
ーここどこ!?
ー孤児院だ。寝かせろ。
ーねないでよ!おきてってば!
クロは仏頂面でわたしを睨み、二度寝してしまった。
どう考えたって説明が足りないでしょー!まったく頼りにならないんだから!
頬を膨らましてぷりぷりしていると、ふわっと身体が浮いて、毛布ごと抱えられた。
「大丈夫よ、大丈夫。今日からここがあなたのお家よ。」
背中を優しくさする手が、もう二度と会えないお母さんを思い出させる。
っぐず…。ぐず…。ひっぐ…。
「ジン兄が天使を怖がらせた!」
「え?俺?俺のせい?」
「ジンうるさい。ほら、大丈夫よ〜。」
「ジン兄、ややこしくなるから黙ってて」
「だまってて〜!」
「な…な…泣かないで…」
子ども達が集まってきて、健気に声をかけてくる。
その優しさも嬉しくて、さらに涙が出る。
ぐぅ〜。
うるさい周りの声をかき消すように、盛大にお腹が鳴った。
「うふふ。お腹空いたのね。みんな朝ご飯にしましょう」
「天使って何を食べるの?」
「俺も作ったぞ!いっぱい食べな?な?」
「ジンはパン切っただけじゃない。」
「ジン兄、それは作ったって言わない。」
「いわない〜。」
「ご飯…一緒に…食べよう…」
は、は、恥ずかしいー!
わたしはその優しい人の肩に隠れるように顔をうずめた。
まったく!幼児の身体は不便で困っちゃう!
子どもたちの会話は、アクア、ジン、ベル、テオ、ロッテ、ジェシカの順です。
紹介は次話で。