ずっと一緒
俺は猫。
全身シックな黒だ。
性格はクールにみられるが、社交的で賢い。
猫缶やおやつをくれる人間の匂いを覚えて、巡回するのが日課だった。ちなみにどの人間が何をくれたかまで覚えてる。だから空腹で困ったことがない。
特技は、撫でられること。
身体を擦りつけて、なでなでタイムを要求すると、みんな撫でてくる。特に耳の中をこりこりマッサージされるのが好きだ。
中には、猫吸いまでしてくる奴らもいる。
癒されるらしい。別にキライじゃないから、されるがまま俺は無になる。懐が広い男はモテるしな!(人間限定…)
だが、尻はだめだ。ゾワゾワして気持ち悪くなる。
美人や可愛い子ちゃんでもダメだ。
問答無用でキシャーする。だから尻は触るな。絶対にだ。
ってな感じで、自由気ままに生活していた。
あの事故に遭うまでは。
死んで女神殿に会って、俺は開口一番にあの人間を助けて欲しいと懇請した。
俺があの人間を巻き込んでしまったから。
俺があの時あの場所にいなければ、あの人間は死なずにすんだから。
すべては俺のせい。
あの人間は俺が殺したも同じ。
だから、女神殿にあの人間を異世界に転生させると聞いて、愁眉を開いた。
もう一度生きることができるのか。
願ってもみなかった。
俺は、出来ることならあの人間を護りたい、どうか護らせてくださいと、土下座した。
今度は俺が護る。
女神殿から、ある条件をつけられたが、何てこともない。
もっともっと鍛錬して、強くなるんだ。
俺は、幼児となった大事な人間に身体を寄せて、金の眼をゆっくり閉じた。
お読みいただきありがとうございます!
猫を飼ったことがないで、猫愛が足りないかもしれません…。
でも犬より猫派です!!