表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第1章 改訂前作品(改訂終わったら消します)
8/244

第7話 3人目が合流。一段落ついたので神様(の秘書)に色々聞いてみる①

明日乃あすの、悪いんだけど、今、ちょうど、秘書子さんが来てくれたみたいだから少しこの世界の話聞いてみるわ。その間に一角いずみにこの世界のことや神様の事を説明しておいてくれ」

俺はそう言って神様の秘書? 的な存在の秘書子さんと向き合う。


「えー、私も秘書子さんに聞きたいこといっぱいあるのに」

明日乃あすのが本当に残念そうに騒ぐ。


「私も聞きたいことは山ほどある」

一角いずみも不満を言う。


「とりあえず、一角いずみへの説明が終わったら俺に聞きたいことを言ってくれれば俺が聞いて答えるから、な。それに一角いずみが今の何も知らない状態で質問始めたら二度手間、三度手間になるから」

俺はそう言って、明日乃あすの一角いずみへの説明をお願いする。


「しょうがないな。じゃあ、こっちで、私達が知っていること説明してあげるね、一角いずみちゃん」

そう言って少し離れたところに座り雑談を始める二人。


「秘書子さん、すみません、お待たせしました」

俺は秘書子さんに敬意を示し、なるべく敬語で話す。

 前回は秘書子さんが現れたのがいきなりだったし、明日乃あすのが突然倒れ、切羽詰まった状態だったので、かなり失礼な口調で会話してしまったことを思い出す。


「いいえ、それでは、聞きたいことがあればお答えします。あくまでも聞きたいことだけです。私は人の脳では把握しきれない多くの知識を持っているので、すべてを教えるとあなたの脳が何度も壊れるくらいの知識量になってしまう、それゆえ、このような対応になります」

秘書子さんが無表情で無感情な声と顔でそう言う。

 なるほど、俺の体への配慮もあったのか。まあ、無表情で無感情なのは元々っぽいけどな。


 俺は改めて、仕事のできるOLさんみたいな。ボブカットでメガネをかけた真面目そうな秘書子さんに話しかける。顔の作りとかはめちゃくちゃ美人なんだけどな。


「とりあえず、さっき、神様から貰った物、中華鍋は分かったんですが、こっちの筒は何ですか?」

俺はそう言って、さっき拾った金属でできた筒? 棒?を見せる。

 なんか装飾されていて、美術品ぽくも見える。そして全体的に白い? 銀色というか白金色?


「それは、ダンジョンの景品です。この世界にある七つの島、そのそれぞれに配置されたダンジョンを攻略するともらえる武器です。本来なダンジョン攻略が条件ですが、今回は『貸与たいよ』ということで、この島にあるダンジョンの景品を神様がお貸しするそうです。なので、1年以内にダンジョン攻略して所有権を確保してください。しないと消滅します。それと、あくまで景品なので大した力はありません」

秘書子さんが必要最小限の事だけ教えてくれる。


「武器? これで殴るのか? それともビームサーベル的なやつ?」

俺は武器と言われて構えるが、ビームは出なかった。



「・・・・」

秘書子さんが無表情な顔で、俺の行動を見ている。というか冷ややかに見られてる?



「すみません、秘書子さん。この武器の使い方を教えてください。あと、これがどんなものなのか、詳しい説明を」

俺は、そんな秘書子さんの冷たいまなざしと沈黙が耐えられなくなって、使い方を教えてもらう。


「承知いたしました。これは、使用者の想像力でどんな刃物にでもなる魔法の武器です。それを柄とイメージして武器を想像すれば大抵の武器にはなります。ただし、飛び道具や元の世界の科学を使った武器にはなりません。あくまでも金属の剣や槍、斧など単純な構造のものだけです。そして、できた武器は絶対に壊れない金属でできています。ただし、切れ味は普通の鉄の刃物です」

秘書子さんが使い方とこの武器の特徴を教えてくれる。

 

「自由に変形できて、壊れない。それだけでも凄い武器なんじゃないか?」

俺はそう言って、実際に今一番欲しいナイフを想像する。


 神様に貰った筒が少し細く小さくなってちょうどナイフの柄ぐらいになると、柄の先から20センチほどの片刃の刃が生えてくる。

 おお、想像通りのナイフだ。なんかカッコイイ。


 俺は調子にのって、それを槍にしてみたり、剣にしてみたりする。そして、剣をどんどん伸ばしてみて、重さで持ち上げられなくなって、がっかりする。

 重さがあるから無茶な構造にはできないのか。

 鎖や鞭みたいな複雑な構造や素材が違うものも無理らしい。あくまでも単純な金属製の刃物で刃物に柄がついた程度までしか変形できないようだ。


「切れ味は大したことないのであまり期待しないようにとの神様の伝言を承っております」

秘書子さんが無感情にそう言う。


 俺は、試しにナイフの形に戻し、足元の草や低木などを切ってみたが、うん、普通のナイフだ。枝を切るくらいがやっとかな?

 まあ、斧にもなるし、使い方次第では貴重な道具だ。

 これが他に6本あって、これをエサにダンジョン攻略をしろって、あのおっさんの魂胆だな。


「それと、もう一つの機能。眷属召喚が可能です」

秘書子さんが俺の試し切りに興味なさそうにそう付け足す。


「眷属召喚?」

なんか聞きなれない言葉が出てきた。


「この世界には神の他に精霊と呼ばれる存在がいて、この剣の所有者は『眷属召喚』と唱えることで、精霊と所有者の特性を持った自分の現身、主のお手伝いをする存在を1体だけ生み出すことができます。剣1本につき1体です」

秘書子さんがもう一つの使い方を教えてくれる。


「眷属召喚!」

俺は面白そうな話だったので早速、呪文のようなものを唱えてみる。


 すると持っていた筒、魔法のナイフから黒い煙のようなものが沸きだしてきて自分の前に徐々に集まり煙の密度が上がっていく。

 

 そして、煙が徐々に薄れて、霧散すると、そこには俺の背の丈の半分くらい、90センチくらいの2足歩行の動物が立っていた。犬っぽい? いや違うな。


「黒い、ライオン?」

俺は思わずそう呟く。

 なんか、子供向けのアニメにでも出てきそうな、二足歩行の獣人。顔はライオンをデフォルメしたみたいな生き物が立っていた。しかもちゃんと服を着てやがる。俺たちは裸だったのに。


「この馬鹿、光の剣で闇の眷属を呼びやがったよ」

その生き物が心底嫌そうな顔でそう言う。


 うわぁ、性格悪い感じの『眷属』か?

 俺は出てきた『眷属』らしきものにがっかりする。いきなりこの一言。確実に主人である俺と性格が合わなそうだ。


「リュウジ様。その剣は、光の属性を持つ剣で、本来ならアスノ様と相性が良く、アスノ様が所有すべき剣です。眷属召喚はアスノ様にしていただくのがおすすめかと思います」

秘書子さんが無感情だが、「コイツやらかしたよ」とでも言いたそうな口調でそう言う。というか、属性って何?


「言うの遅いよ、秘書子さん!! そういうことは先に言って」

俺は、呆れと怒りで声を荒らげてしまう。


「お前が馬鹿だからだろ?」

黒い獣人が頭に手を組み、馬鹿にするように俺に言う。


「ねえ、秘書子さん、1回キャンセルして、明日乃あすのに改めて眷属召喚してもらう事とかってできる?」

俺は秘書子さんにそう言う。こんな言う事聞かなそうなお手伝いはキャンセルだ、キャンセル。


「できなくはないですが、剣に込められたマナが枯渇していて、再度召喚するためのマナを補充するには1年ほどかかります」

秘書子さんが無感情だが少し残念そうな顔でそう言う。

 マジか、1年待たないとダメなのか。


「ねえねえ、何、その子、すごく可愛いよ。異世界転生もののお約束的なやつかな?」

ちょうど明日乃あすの一角いずみに説明を終えたようで、こちらに走ってきて、黒い獣人を観察しまくっている。

 一角いずみは興味なさそうにゆっくりこちらに向かって歩いてきている。


「なんか、ちょっと、りゅう君の小さいころに似てない?」

俺と黒い獣人を見比べながら、明日乃あすのがそう言うと、


「似てねえよ」

「似てねえよ」

俺と黒い獣人が声を合わせてそう叫ぶ。


「君、お名前は?」

明日乃あすのが黒い獣人に聞くと、


「俺は闇の精霊と闇の剣の眷属。名前はない」

黒い獣人がぶっきらぼうにそう言う。


「ねえ、りゅう君、名前つけてもいい?」

明日乃あすのが俺に向かってそう聞く。


「あー、不良品らしいから返品予定なんだ。名前はいらないんじゃないか?」

俺はそう言い、今までの事のあらましを明日乃あすのと遅れて到着した一角いずみに説明する。


「そうなんだ。本来なら、りゅう君じゃなくて私が召喚しなくちゃいけなかったんだね」

明日乃あすのがそう言って黒い獣人の頭を撫でる。

 黒い獣人は嫌そうな顔をしているが、払いのけたり、避けたりはしない。ツンデレか?


「しかも、明日乃あすのが召喚し直すには1年近くかかるらしいんだ」

俺はもう一度その部分を二人に説明し直す。

 一角いずみは興味なさそうに、俺から筒を奪い取り筒で遊んでいる。一応、他の人間でも使えるんだな。


「召喚し直すってことは、この子、いなくなっちゃうんでしょ? それは可哀想だよ。この子、私の眷属ってことにしていい? で、ダンジョン攻略して闇の剣っていうのが手に入ったら、私が眷属召喚して、その子をりゅう君の眷属にするの。眷属交換、みたいな?」

明日乃あすのがかなり無茶なことを言う。


「秘書子さん、できる?」

俺は一応、秘書子さんに聞いてみる。


「できなくはないですが、あくまでも、眷属の貸与。本来の主人はリュウジ様のままですがよろしいですか? あと、眷属が承諾すればという話になりますが」

秘書子さんがそう教えてくれるので、そのまま明日乃あすのに伝える。


「じゃあ、私がこの子貰うね。なんかりゅう君の小さいころみたいで可愛いし」

そう言って黒い獣人を抱っこする。


「お前はいいのか?」

俺は獣人に聞く。


「必要とされているならここに残る」

黒い獣人は言葉少なくそう呟く。


「そっか、じゃあ、これからよろしくね、ライオンちゃん。ん-、ライオンだとそのまんまだから、レオかな?」 

明日乃あすのがつぶやきを聞いて嬉しそうに獣人を抱きかかえてそう言う。


「レオ・・・、悪くない」

黒い獣人も気に入ったようだ。

 というか、マジでツンデレか?

 俺はコイツと一生、仲良くなれなそうだ。


 こうして、新しい仲間の一角いずみに加えて、闇の剣(光の剣?)のちっちゃい眷属、レオが仲間になった。


 次話に続く。

ブックマーク1名様ありがとうございます。

初ブックマークです。

やる気が出るのでブックマークと☆をください(結構深刻w)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ