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神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第1章 改訂前作品(改訂終わったら消します)
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第65話 鍛冶工房を作ったり石鹸を作ったり②

【異世界生活 37日目 4:15】


「おはよう、みんな」

俺は明日乃あすのと一緒に起きて焚き火の周りのみんなに挨拶する。


流司りゅうじクン、熊の脂固まってないから氷魔法で冷やす?」

珍しく早起きな麗美れいみさんが俺に聞く。


「そうだね。お願いするね。朝ご飯食べて剣道教室でもやっていたら固まるだろうし」

俺はそう答え、明日乃あすのと一緒に朝食を作る。

 昨日野菜が追加されたので野菜多めなのがありがたい。

 今日までクマの脂多い部位の焼き肉尽くしだな。脂が多い部位は干し肉にできないから腐らないうちにたべないとな。腐らないように一度焼いた肉を焼き直して野菜と炒めて肉野菜炒めにする。


 朝食を食べ、日課の剣道教室をやり、作業に移る。


 真望まもと体力に自信のない明日乃あすのだけ麻布作り。

 一角いずみ麗美れいみさんは石鹸づくりの為に貝を取りに行くらしい。

 琉生るうとシロは2時間ほど農作業をしてから小屋作りに参加する予定。

 鈴さんはレオと河原に石拾い。小屋の基礎は石じゃないとダメらしく、昨日拾った分では足りないそうだ。

 とりあえず、俺は真望まもと最初だけ熊の油作りをする。

 

 熊の油づくりはここからは単純。麗美れいみさんの氷魔法で冷やした熊の油は良く固まり、水と固形分に分かれる。

 バケツ型の土器に入った固体の油を、縁に沿ってナイフを入れ空気穴を作り、土器をひっくり返して作業台の上に出す。

 水とドロッとした部分、コラーゲンとタンパク質は流れ落ちて、固体の油と、不純物だけが残る。

 なんかプリンとカラメルのように2層に分離した固体の油。

 そのカラメルの部分、上にのっている少し灰色で汚い不純物をナイフで丁寧にそぎ落とし、下の白い部分だけにする。

 綺麗に不純物が取れたら、白い油の塊を適当な大きさに切って、別のバケツ型の土器に入れ、水を加えてもう一度煮る。かき混ぜながら脂が解けるまで煮る作業だ。

 油がよく解けたら、火から下ろし、常温で粗熱をとる。

 ある程度冷めたら、また麗美れいみさんの氷魔法で冷やして、固めて、不純物をとり、また煮る。

 こんな作業を4~5回繰り返す感じだ。


 とりあえず、1回目の不純物取りが終わり煮るのも終わったのですずさんと合流。鍛冶工房の小屋作りを手伝う。琉生るうとシロも畑作業が終わったのか小屋作りに合流する。

 俺と琉生るうとレオとシロで河原を2往復し少し大きめの石を担げるだけ竹かごに入れて持ち帰ってくる。鈴さんは琉生るうが使っていた変幻自在の武器を借り、シャベルにして地面を掘って拾ってきた石を並べて鍛冶場の基礎作りをひたすらする。

 2往復したところで、お昼の時間になる。


【異世界生活 37日目 12:00】


流司りゅうじクン、熊の油、氷で冷やしておいたからね。お昼食べ終わるころには2回目の作業に入れると思うわよ」

麗美れいみさんがそう言う。


「ありがとう。麗美れいみさん。それにしても今日も凄い貝の量だな」

一角いずみ麗美れいみさんが岩場で大量のアワビやサザエ、岩ガキを採ってきてくれたらしい。


「いっぱいあるから、アワビは干して乾物にするといいかもね。美味しいスープができるようになるよ?」

明日乃あすのがそう言う。


「それはいいな。じゃあ、今日は岩ガキとサザエを食べて、アワビは半分乾物にしよう」

一角いずみが美味しいスープと聞いて乗り気になる。

 とりあえず、アワビは大きい物から乾物にすることにした。

 アドバイサー女神様の秘書子さんに聞きながら明日乃あすのの知識で乾物を作ることにする。

 とりあえず、明日乃あすの琉生るうと俺でアワビを殻から外して、塩をまぶし、余分な水分をとる作業をする。

 とりあえず、お昼のご飯は貝を焼くだけなので、麗美れいみさんと一角いずみが鉄板代わりの平らな岩をたき火であぶり、サザエや岩ガキ、小さいアワビを焼いてく。

 一応、鑑定で毒のない(食中毒にならない)貝を選んで焼く感じだ。鑑定するとたまに岩ガキあたりが『毒』の表示がついているものが混ざっている。

 そういうのはもったいないが身は捨てて、殻だけ生石灰作りに利用させてもらう。

 というか、『鑑定』スキルが有能過ぎて食中毒にならないのはありがたい。


 乾物にするアワビの下ごしらえも終わり、貝も焼け始めるので、みんなで食べる。海水で塩味もついていて美味い。そして、食べた貝の殻は洗って、日向に干しておく。


 午後いちで氷魔法でよく冷えた固体の熊の油をもう一度土器から出し、不純物を取り除き、もう一度につめる。これを4~5回繰り返さないと不純物が無くならないのだ。


 煮詰め終わったところで、小屋作りに合流。今度は小屋の材料の竹を取りに行っているようでそれに加わる。

 すずさんが変幻自在の武器を使って作業をしているので、竹をとりに行くチームは竹を青銅の斧で叩き切る感じだ。

 一角いずみ麗美れいみさんがひたすら竹を切り、俺と琉生るう、レオとシロが切った竹を何度も往復して運ぶ。ついでに竹林の物置小屋に置きっぱなしだったドロップ品も拠点に運ぶ。

 

【異世界生活 38日目】


 そんな感じの作業を次の日も続け、油の不純物取りを2回繰り返し熊の油は完成、鍛冶工房の小屋も基礎と柱が何本も立った状態まで出来上がる。

 作業の合間に、昨日下ごしらえしたアワビを塩水で茹でてから天日干しにして乾物にする作業もした。アワビは乾物になるまで2カ月以上かかるらしい。

 

【異世界生活 39日目 6:00】


「それじゃあ、熊の油もできたことだし、石鹸づくりの為の生石灰作らないとね。その為にも窯を作っちゃうよ。今日も琉生るう、耐熱煉瓦造りよろしくね」

朝食と日課の剣道教室が終わるとそう言って、すずさんが元気にはしゃぎだす。


「え? また、作るんですか?」

琉生るうが少し引いている。


「うん、現地で作った分じゃ、精錬窯作るのには足りないし、持ってきたけい石も残っているからそれを全部レンガにして窯と、火床ほど、簡単な炉を作ろうかなって。せっかく貝を焼いて生石灰をつくるのなら、使い捨ての窯じゃなくて耐熱窯使ってみたいじゃない? 生石灰なら1000度以下だし、そんなに窯もダメージないだろうし」

すずさんがそう言う。


 そんな感じで、午前中は小屋を作りながら琉生るうが耐熱煉瓦を70個つくり、お祈りポイントを14000ポイント消費、前に作ったレンガと合わせて220個の低熱レンガができる。

 それと、けい石の一部を粉にしてつなぎに使う粘土も作る。それは俺の『圧縮する(コンプレッション)』の魔法で細かい粉にした。


「そう言えば、木炭ってあるの?」

俺は楽しそうに窯を作っているすずさんに聞く。


「ああ、前に木炭作った時みたいにレオが暇な時に手伝ってもらって2人で木炭作っておいたんだよね。だから在庫は結構あるんだ」

すずさんがそう言う。

 ツリーハウスを作りつつそんなこともしていたのか。


 午前中、すずさんは窯づくりを楽しみ、残りのメンバーは小屋作りで足りなくなった竹をもう一度取りに行く。ついでに交代で水浴びや洗濯もする。


 そして、お昼ご飯を食べ終わり、作業を少し始めたころにすずさんの窯が完成する。


麗美れいみさん、窯のつなぎの粘土を乾かしたいから乾燥させる魔法おねがい」

すずさんがそう言って麗美れいみさんに魔法をお願いする。


「うーん、鍛冶工房作りはお祈りポイントがどんどんなくなっていくな」

俺がぼそっとそう言うと。


「ああ、あと、鍛冶の道具はさすがに作れないからお祈りポイントで交換したいな。金床に金槌、火箸が欲しいから40000ポイント×3って感じかな? 最悪、金槌は変幻自在の武器でもいいかな?」

すずさんが申し訳なさそうな顔をしながら貰う気満々でそういう。


「40000ポイントが3回分、120000ポイントってお祈り20日分じゃないか」

俺は鍛冶道具に必要なお祈りポイントの高さに驚く。


「それがないと鍛冶ができないってことは、魔物狩りに行くのに武器や防具が出来上がるのを待つわけにはいかないわね」

麗美れいみさんががっかりする。俺もがっかりする。


「とりあえず、鍛冶工房の小屋ができたら、武器や防具の完成を待たずに魔物狩りだな。2個目の島で魔物狩りを始めるくらいに鍛冶ができるようになればいいやくらいの計画で進もう」

俺はそこにいるメンバーにそう話し、小屋作りに戻る。

 うーん、鍛冶や錬鉄を軌道に乗せるにはかなりの時間が必要そうだな。


「じゃあ、貝を焼いて生石灰を作ろう」

麗美れいみさんがそう言って耐熱窯の初使用にワクワクする。

 麻布作りをしている真望まも琉生るう以外は窯のまわりに集まる。


「とりあえず、麗美れいみさん、貝殻を乾燥魔法で乾燥させちゃってね。で、完全に乾燥できたら石で細かく砕く。あと、一緒にいれる木炭も細かく砕いてね」

そう言って、すずさんは変幻自在の武器を金槌に変化させると木炭を細かくする作業を始める。


 麗美れいみさんもしぶしぶ乾燥魔法を3回使い、貝を乾燥させ、俺と仲間達で乾燥させた貝を岩の作業台にのせて、大き目の石で叩いて粉にする。


「よーし、できたら、少し大きい木炭を一番下に敷き詰めて、その上に細かくした木炭と貝殻を交互に層になるように窯に入れてね。入れ終わったら準備完了。上から火をつけて、ふいごで風を送って上から徐々に燃やしていく感じだね」

すずさんが楽しそうにそう言って、木炭と貝殻を交互に窯の上から入れていく。

 そして、出来上がったら上に燃えやすい小枝や乾燥した枯草、種火になる炭を乗せて火をつける。

 

「あとは、みんなで交代しながらふいごで空気を送り続ければ火が高温になって生石灰が出来上がるよ」

ふいごを動かしながら空気を送り続けそう言うすずさん。


 そこからは交代でふいごを動かしつつ、小屋作りも再開する。

 そして日が落ちる少し前に、窯の炭も燃えきり、窯に貝殻を焼いたもの。生石灰が出来上がった。


明日乃あすの、たき火灰、集まってる?」

俺はたき火のそばで麻糸作りをしている明日乃あすのに聞く。


「うん、なんか色々使えるらしいから、倉庫に土器に入れて溜めてあるよ」

明日乃あすのがそう言い、倉庫から灰を出してくれる。


 俺は灰に水を入れてよくかき混ぜ、上澄みを別の土器に移し炭酸カリウム(K₂CO₃)水溶液を作る。

 さっき貝殻を焼いて作った生石灰を水に加え、水に溶けるときに出る高温、水和熱に気を付けながら水に溶かし、水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)水溶液を作る。

 そしてその二つの水溶液を混ぜると水酸化カリウム(KOH)、強塩基が出来上がる。


 最後に事前に作ってあった、熊の脂身から作った油と水酸化カリウムを反応させればカリウム石鹸(RCOOK)とグリセリン(C₃H₅(OH)₃)ができるので食塩水を入れると石鹸とグリセリンが分離されて、石鹸分が多い部分は固体になっていく。液体部分(グリセリンと水)を捨てたら石鹸の出来上がりだ。

 まあ、化学知識にも詳しい麗美れいみさんの受け売りなので半分良く分かっていないがそういう事らしい。


 それと、副産物としてできたグリセリンだが、純粋なグリセリンだったら化粧水に最高らしく、真望まもが欲しがったが、不純物や塩基の残りを含んでいそうなグリセリンはちょっと怖いと、凄く悩んでいた。


「神様にお祈りポイントで純粋なグリセリンというか化粧水にしてもらえば?」

俺がそう言うと真望まもはその溶液に飛びつき、お祈りポイントを10000使って、化粧水にしてもらったらしい。

 うん、お祈りポイントが久しぶりのマイナス、-2100ポイントになった。


 まあ、女の子達が喜んだので良しとしよう。

 化粧品とかもそろそろ作ってあげないとダメだよな。秘書子さんの話だと、椿油とかかな?


 とりあえず、こうして、耐熱窯と石鹸が出来上がり、おまけで、化粧水も神様に作ってもらったのだった。


 次話に続く。

 ちょっと繰り返し作業が多すぎるのでスキップ気味ですすみました。

 そして、鍛冶に必要な道具が多い上に自力では作れないというがっかり結果ですw お祈りポイントの回復を待って道具を神様に貰い、鍛冶を始める予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] お祈りの借金制度ありましたね。そういえば、入浴剤も石灰で作れるとか作れんないとか理科の先生が言ってた気がします。せっかくですし作ってみてください。もし違ったらごめんなさい。(あれ、お風呂って…
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