表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第2章 改訂版(今から読む方はここからお読みください)
243/244

第146話 久しぶりの休息(後編)と果物採取

【異世界生活 140日目 13:00】


「スイカ採ってきたよ!」

琉生(るう)がみんなに声を掛ける。


「お帰り、琉生(るう)ちゃん、りゅう君、真望(まも)ちゃん。野菜もいっぱいだね」

そう言って明日乃(あすの)が野菜の入ったリュックを受け取る。


「遅いぞ、流司(りゅうじ)。腹が減ったし、魚とりにも飽きた」

一角(いずみ)が俺に文句を言う。

 そして、明日乃(あすの)のそばに積まれた大量の川魚。


一角(いずみ)、また、アホみたいに魚を獲ったな。明日乃(あすの)、バーベキューの準備は任せていいか? 俺は魚を捌いて干す作業をする。腐らせるのももったいないからな」

俺はそう言い、荷物を置くと、ニジマスっぽい魚やイワナやヤマメっぽい魚を捌く作業に入る。


「美味しそうなスイカね」

(すず)さんと日よけテントの下で、ビーチベッドを広げて待ったりしていた麗美(れいみ)さんがそう言って琉生(るう)の置いたスイカを覗きに来る。


「試食に切ったスイカが1個あるから食べる?」

琉生(るう)がそう言って、味見した残りのスイカを取り出す。

 その言葉に一角(いずみ)(すず)さんも寄ってくる。


「味はあまり期待しない方がいいわよ」

すでに試食した真望(まも)がぼそっと言う。

 まあ、その通りなんだが、食べる前に言わなくても。


 とりあえず、まだ食べていない、明日乃(あすの)一角(いずみ)麗美(れいみ)さん、(すず)さんに琉生(るう)が切ったスイカを配る。


「今食べたら、スイカ割りする気分が半減するな」

一角(いずみ)がさらに余計な事を言う。

 まあ、そんな気は俺もした。


 そして、スイカを食べて、みんなも微妙な反応をする。


「なんか、懐かしくて、食べていて美味しいんだけどね。確かに元の世界で食べたスイカと比べるとちょっとね」

麗美(れいみ)さんがそう呟く。

 そうなんだよな。自然で育った、手入れしていないスイカだからな。甘味とか瑞々しさとか、そのバランスとか、微妙に違うんだよな。


「これは、琉生(るう)が一生かけて改善しないといけない課題かもしれないね」

琉生(るう)がスイカの栽培に変にやる気を出す。


「とりあえず、米の栽培が安定してからでいいぞ」

一角(いずみ)がそう言う。こいつは米が一番だからな。


「そうね。お米に小麦、主食を安定させないとね」

麗美(れいみ)さんもそう言って頷く。

 果物は自然に頼りつつ、まずはお米と小麦って感じかな?


 そんな感じで、スイカを食べてから、それぞれ作業に移りだす。


琉生(るう)真望(まも)。川で遊んできていいぞ。料理の方は俺と明日乃(あすの)でやっておくから」

俺はそう言って琉生(るう)真望(まも)を川遊びに誘う。


「私達も少し水浴びしようかしらね?」

そう言って、麗美(れいみ)さんと(すず)さんも川に向かう。

 川で冷やすためにスイカを持って。


 そして、一角(いずみ)も暇なのか、魚とり用の弓矢を持って川に向かって行く。

 これ以上魚を獲る気か?


 俺は、一角(いずみ)に呆れながら、大量に積まれた川魚のはらわたをとり、木の間に荒縄を張ってそこに魚を吊るして干していく。

 最近、肉しか食べてなかったからな。保存食としてとっておきたいし。


 そんな感じで明日乃(あすの)は野菜を切ってバーベキューの用意、俺はひたすら魚を干しつつ、一部の魚は串に刺して塩を振って焼き魚にする。



【異世界生活 140日目 14:00】


「みんな、準備できたよ」

明日乃(あすの)がそう声を掛ける。

 バーベキューの準備ができた。

 明日乃(あすの)が午前中に準備してくれた焼肉のタレにつけた豚肉、琉生(るう)たちと取ってきた野菜はサラダと焼き野菜にする。

 焼肉のタレが圧倒的に足りないので、豚肉は塩胡椒で焼いたり、味噌漬けにしたりして工夫する。

 それと、一角(いずみ)が獲ってきた川魚は塩焼きにして焼け次第随時食べていく感じだ。


流司(りゅうじ)! ご飯食べ終わったら、午後は川遊びするんだからね?」

真望(まも)がバーベキューを食べながら俺に言う。


「そうだな。今回は北の臨時拠点もあるし、泊りでの川遊びだしな。午後はゆっくりするか」

俺はそう答える。


明日乃(あすの)お姉ちゃんも、準備で忙しくて遊んでないみたいだし、午後はみんなで川遊びしよ?」

琉生(るう)がそう言って明日乃(あすの)も誘う。


 そんな感じで、お昼ご飯は盛大に河原でバーベキューをして、スイカ割り。

 ぶっちゃけ、バーベキューでお腹いっぱいになり、スイカどころではなかったので、スイカ割りをどうしてもやりたい琉生(るう)真望(まも)が楽しそうにスイカ割りをして、割った2玉をみんなで食べる。

 軽く後片付けをしたあと、俺は明日乃(あすの)真望(まも)琉生(るう)と川遊びをする。久しぶりの遊びらしい遊びにみんな楽しそうだ。

 そして、明日乃(あすの)達のビキニ姿が眩しいな。

 一角(いずみ)は魚獲りに疲れて、麗美(れいみ)さんや(すず)さんと日陰でまったり過ごすようだ。 


 途中、干した魚に釣られて、クマが出たらしいが、休憩していた一角(いずみ)麗美(れいみ)さんと(すず)さんが、あっという間に倒してしまったそうだ。

 川遊びをしていた俺達が全く気付かないくらいあっという間に。強くなったな、みんな。


 そんなこともあり、夕食はクマ鍋を作る。北の臨時拠点に移動して、バーベキューの残りのネギっぽい野菜と残り物の野菜を味噌で煮こんでみんなで食べる。


「そういえば、拠点で留守番してもらっている眷属達の夕食はどうしているんだ?」

俺は気になって明日乃(あすの)に聞く。


「最近、シロちゃんとココちゃんにお料理を教えだしたから、二人に任せた感じかな? そうしないと、みんな生肉とか平気で食べちゃうし」

明日乃(あすの)がそう言って笑う。


「そうだな。レオあたりは、豚肉とか普通に生で食べそうだもんな」

俺はそう言って笑う。


「それに、シロちゃんやココちゃんが料理できるようになれば、私やりゅう君、琉生(るう)ちゃんが留守にしても留守番する子たちが困らないでしょ?」

明日乃(あすの)がそう言う。

 というか、そこで、真望(まも)(すず)さんあたりにではなく眷属に料理を教えるあたりは、他のメンバーの料理の才能が絶望的という事だろうか。


「ああ、もちろん、シロちゃんとココちゃんが料理を覚えたそうにしていたからだよ」

明日乃(あすの)が俺の考えに気づいたようで慌ててフォローする。


 まあ、留守番している眷属達の夕食も問題なさそうだな。


 その日は前に作った北の臨時拠点に一泊する。

 小麦を収穫する為に北の臨時拠点を作ったのだが正解だったな。川遊びを帰る時間を考えずにできるのはありがたい。

  

 今夜は眷属がいないので、久しぶりに俺達が持ち回りで夜の警備をする。それもあって今日は早めの就寝だ。なんかこの流れ、懐かしいな。

 俺が最初の3時間、真ん中が(すず)さん、最後は明日乃(あすの)だ。

 (すず)さんと明日乃(あすの)は明日拠点に帰ってゆっくりできるからという理由からだ。

 

 

【異世界生活 141日目 6:00】


 今日は二組に分かれて移動になる。

 

 明日乃(あすの)一角(いずみ)麗美(れいみ)さん、(すず)さんはスイカとクマ肉と干し魚を持って拠点に帰る。

 一角(いずみ)麗美(れいみ)さんはその後、北東の島に魔物減らしの作業に行くそうだ。


 そして、俺、琉生(るう)真望(まも)は北の平原に残り、果物や野菜の苗を採取して帰る感じだ。

 琉生(るう)としては途中、野生のニワトリがいたら仲間にしたいらしい。まあ、ヒヨコから育てて数を増やすにも限界があるしな。


 そんな感じで、北の臨時拠点をかたづけて、みんなで移動を始める。

 東に向かって歩き出し、そして途中、トウモロコシ畑の手前くらいで、拠点に帰るチームは南のルートに、俺達採取チームはそのまま東に向かって野菜畑と前にブドウを採った雑木林に向かって歩く。


 ブドウを採った雑木林のさらに先に梨やリンゴ、桃が採れる林があるらしい。

 そしてさらにその先にはオレンジが採れる場所や、前回とは違う種類のブドウが採れる場所もあるそうだ。


「リンゴやオレンジは多めにとって帰ってジュースや瓶詰めにする感じかな? モモも瓶詰め、梨は食べる分だけ採って帰る感じかな?」

琉生(るう)が歩きながらそんなことをつぶやく。


「梨の瓶詰は作らないのか?」

俺は気になって聞いてみる。


「うーん、作れないことはないと思うんだけど、梨ってみずみずしさと食感が売りじゃない? 水煮にしちゃったら、美味しさ半減かなって。リンゴやモモなら、少し煮ても問題ないし、リンゴはもっと煮込んでジャムとかアップルパイにしてもいいしね」

琉生(るう)がそう言う。

 言われてみるとそうだな。まあ、梨の缶詰、悪くはないんだろうけど、煮込んだ梨なら別に煮込んだリンゴや桃でもいいよなって気分にはなる。


「それと、スイカも水煮は難しそうだよね。どうしても瓜臭さが残りそうだし、梨同様、食感が大事だしね。今の琉生(るう)たちの技術じゃ水煮の瓶詰は無理かな?」

琉生(るう)がそう付け足す。

 水煮の瓶詰による保存食作りも色々と制限がありそうだな。


「ねえ、琉生(るう)ちゃん、それと、気になったんだけど、これは何?」

真望(まも)が不機嫌そうにそう聞く。

 俺と真望(まも)二人で担いでいる、長い竹製の梯子と竹の棒だ。


「ああ、昨日、(すず)さんが、竹でビーチベッド作るって言ってたから、一緒に作ってもらったの。たぶん、リンゴの木とか梨の木とかあと、オレンジの木もかな? 自然のまま育った木だから、収穫に向いているような高さになってないと思うんだよね。だから梯子? 梯子使ったり木登りしたりする必要がありそうかなって」

琉生(るう)がそう言う。

 元の世界のリンゴ農家は作業がしやすいように剪定や支柱をつけて背の届く高さにリンゴがなるようにしているが、自然に育ったリンゴはそう言う訳にはいかないらしい。

 そして、日当たりなども自然任せなので、収穫するリンゴの選別も大変なことになるだろうと琉生(るう)が教えてくれる。農家の人の努力によって、元の世界では美味しい果物が食べられていたことを忘れてはいけないな。


 そんな感じで、前にブドウを採った雑木林の前をさらに北に進むと、リンゴの木と梨の木が生える林につく。

 リンゴは時期的に少し早いようだが、熟したものを選別して収穫するそうだ。


 とりあえず、俺は琉生(るう)の補助、梯子を押さえる役と収穫したリンゴを受け取る役。真望(まも)はクマやイノシシに襲われないように周りを警戒する役だ。

 ぶっちゃけ、俺や真望(まも)に熟した美味しいリンゴを選別する能力はないしな。


 お昼ごろまでリンゴや梨を収穫して、お昼休憩。朝に明日乃(あすの)が作ってくれたクマ肉の野菜炒め弁当をたき火で少し温めて食べる。竹筒に入ったお弁当。なかなか有用だ。


 その後は、さらに北に移動して、オレンジの収穫もする。

 琉生(るう)の話ではバレンシアオレンジに近い品種らしい。バレンシアオレンジは夏に採れて、ネーブルオレンジは冬に採れるそうだ。

 

「ねえ、これって、椿の木じゃない?」

真望(まも)がオレンジの収穫をしている琉生(るう)とその手伝いをしている俺にそう声を掛ける。

 俺は梯子を押さえながら、真望(まも)の指さす木を鑑定スキルで確認する。

 確かに椿と鑑定結果が出る。椿油が採れるそうだ。なんか、真望(まも)の意図が分かってきた。


「これ、採って帰って絞ったら椿油が取れるよね? 椿油があれば良質なシャンプーとか整髪オイルが作れるよね?」

真望(まも)が興奮しがちにそう言う。


「椿油を作る事は可能です。ただし、収穫時期はあと2~3週間ほど先になります」

アドバイザー女神様の秘書子さんが現れ、真望(まも)にそう言う。


「秘書子さん、椿油の作り方とか分かる?」

真望(まも)が興奮してそう聞き返す。


「お任せください。最良の精油方法の知識はあります」

秘書子さんが無感情だが自信ありげにそう答える。


「それじゃあ、流司(りゅうじ)、2週間したら、椿の実を取りにここに戻ってくるわよ」

真望(まも)がなんだかやる気になる。


「化粧品らしい化粧品がないから、みんな喜ぶかもね」

琉生(るう)が収穫したオレンジを俺に渡しながらそう言い、またオレンジの収穫に戻る。

 うん、琉生(るう)には化粧の話はまだ早いのかもしれないな。


 とりあえず、籠いっぱいのリンゴとオレンジと氷室に保存できる程度の梨を採って時間切れになる。


「うーん、本当はブドウも採りたかったんだけどな。やっぱり時間が足りないか」

琉生(るう)が残念そうにそう言う。

 前回、ブドウを採るだけで1日がかりだったしなしかたない。


「また、採りにくればいいさ。それにそろそろ、瓶詰めの瓶が無くなると思うから、ブドウが取れても加工する余裕がないだろうし、そうなると(すず)さんがガラス瓶の材料を集めるって騒ぎだすだろうしな」

俺はそう答える。

 実際、最近のダンジョン攻略で豚肉がドロップし過ぎて氷室は豚肉の水煮だらけだ。

 空瓶が出ないことにはぶどうジュースやブドウの水煮はお預けだろうな。

 あと、氷室ももう一部屋増やさないと結構保存食でいっぱいなんだよな。


「じゃあ、ガラス瓶を作ったら、もう一度来る感じだね」

琉生(るう)がそう言うが、そのころにはお祈りポイントも満タンになっているだろうし、一角(いずみ)麗美(れいみ)さんによる北東の島の魔物減らしもだいぶ進みそうだし、ダンジョン攻略も始めないといけなくなりそうだしな。

 ダンジョン攻略と保存食作りによる生活の向上。最近やる事が多すぎて人手不足感が半端ないな。


 その後、日が暮れる前に拠点に帰る為に急いで戻る。

 途中、道草して、野菜の苗の取集と野生のニワトリを5羽見つけて琉生(るう)が仲間にしつつ。


 次話に続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ