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神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第2章 改訂版(今から読む方はここからお読みください)
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第145話 ダンジョン攻略の後処理と久しぶりの休息(前編)

【異世界生活 138日目 18:00】


 新しい強敵、サンダードラゴンと戦って取り逃がしたあと、俺達は臨時拠点を撤収し、メイン拠点に帰ってきた。

 また、大量の豚肉を持ち帰って。


「また、豚肉を加工しないとね」

明日乃(あすの)が呆れ気味にそういう。

 ベーコンを作るのにあると美味しくなる胡椒は今日のダンジョン攻略で交換してある。


「とりあえず、明日は豚肉の加工とか、各自作業をして、明後日あたり1日ゆっくりするか」

俺はそう提案する。


「だったら、北の平原の川に行こう。最近、魚食べていないしな。川魚を取ってバーベキューをしよう」

一角(いずみ)がそう提案する。


「それはいいね。私は北の臨時拠点で一泊して、次の日、野菜の補充とかしたいかな? 拠点の畑もだいぶ野菜減っちゃったし」

琉生(るう)がそう言う。


「果物とかもとりに行きたいね」

明日乃(あすの)も賛成のようだ。 


「夏だしスイカ割りしましょ? スイカ割り」

真望(まも)が適当な事を言い出す。


「スイカなんてあるのか?」

俺は呆れ顔でそう言う。


「ありますよ。小麦畑からさらに南に、海に向かった砂地にスイカがありますよ。ただし、自然栽培なので、空洞があったりして、味の補償はありませんが」

アドバイザー女神様の秘書子さんがしれっと言う。


「とりあえず、明日は作業して、明後日は川遊びをしながら休憩って感じで」

俺はみんなにそう言う。

 明日以降の予定が決まった。


 その後夕食を食べ、日課のお祈りをして就寝。最近、ダンジョン攻略が続いていたので久しぶりに身心ともに休める気がする。

 明日乃(あすの)は別の意味でリラックスしていたようで、久しぶりに濃厚にイチャイチャをせがまれるのだった。



【異世界生活 139日目 7:00】


 今日は朝食後、麗美(れいみ)さんの剣道教室を済ませ、各自作業に入る。

 一角(いずみ)麗美(れいみ)さんは恒例の北東の魔物の島に魔物狩り。本格的なダンジョン攻略前にある程度魔物の数も減らしておきたいそうだ。

 

 真望(まも)(すず)さんはいつもの作業だ。

 真望(まも)は麻布作り。最近は、みんなダンジョン攻略や各自の作業が忙しく、1人で作業することが増えたらしく、麻糸作りも麻布作りも少しペースが落ちてしまっているらしい。眷属達はあまり細かい作業ができないし、たまには俺も手伝ってやらないとな。

 (すず)さんは鋼のナイフ作りに夢中らしい。とりあえず、全員分の鋼のナイフを作って、終わり次第、日本刀のような武器を作るそうだ。本人曰く、あくまでも日本刀に似た何からしいが。


 琉生(るう)は午前中、農作業と動物の世話、午後からは明日乃(あすの)真望(まも)の手伝いをする予定らしい。

 

 そして、俺と明日乃(あすの)は予定通り、ダンジョンで拾ったドロップアイテム、豚肉の加工だ。

 胡椒があるだけベーコンを作り、残りは湯煎して瓶詰め、保存食にする。

 それと、明日川遊びに行くのでバーベキュー用に一番新しい豚肉は生で取っておく。 

 今回は昨夜のうちに塩つけして、水気を抜いておいたので、午前中味付けして午後には燻製できる。

 

 ちなみに燻製には3種類あって、味付け液に半日浸けてすぐ燻製してしまうやり方。キャンプなどでよくやる簡易燻製。これは手ごろだが、保存能力は低い。3~5日くらいしか保存できない。

 もう一つは味付けの液に1週間ほど浸けて少し長めに燻製するやり方。これは時間がかかるが少し保存期間が伸びる。

 そして最後が冷燻といって、長時間味付け液につけた上に、30度以下の低温で長時間、数週間燻製するやり方。これはプロがやる作り方で、保存効果も高いが、特殊な機材が必要になる。まず俺達の機材ではできないし、そんな長時間燻製に付き合う時間的余裕はない。


 そんな話を秘書子さんに聞いて、俺達は上の2つの作り方でベーコンを作っている。今日も味付け液につけた豚肉の半分は半日ですぐ燻製し、残りは氷室で1週間放置する。

 そして前に漬けっぱなしにして1週間前後経った豚肉も今日の午後一緒に燻製にする感じだ。

 これで、少し日持ちのするベーコンと、素人がキャンプで作るようなすぐ食べないと腐るベーコンが出来上がる。


 そんな感じで午前中はベーコンの下味付けと豚肉の瓶詰め作りをし、昼食、午後は下味をつけた豚肉2種類を燻製にしてベーコンにする作業。

 農作業をしていた琉生(るう)には午後は真望(まも)の麻布作りを手伝ってもらうことにした。


 そんな感じで15時ごろになると魔物狩りに行っていた一角(いずみ)麗美(れいみ)さんが帰ってくる。

 そして、一角(いずみ)のいつもの病気が始まる。


「明日、川遊びの時にバーベキューするんなら、必要だよな? 焼肉のタレが」

一角(いずみ)がそんな事を言い出す。

 

 仕方がないので、俺と一角(いずみ)麗美(れいみ)さん、そして琉生(るう)真望(まも)の5人でこの島のダンジョンの5階を攻略してダンジョン攻略の副賞、焼肉のタレを貰って帰ってくる。

 ちなみに明日乃(あすの)は料理の続きがあるらしいので留守番だった。まあ、最初のダンジョンなら敵も弱いので明日乃(あすの)の結界魔法なしでも大丈夫だったしな。


「こんなことだったら、南西の島のダンジョンにもう1日潜って焼肉のタレも貰っておいた方がよかったな。南西の島のダンジョンで貰える調味料は結構量が多いしな」

一角(いずみ)がダンジョンから帰るとそんな事を言う。


一角(いずみ)、俺は調味料の為だけに高レベルの魔物が出るダンジョンなんて攻略したくないぞ。昨日までのダンジョン攻略は、あくまでもレベルアップの為のダンジョン攻略だ」

俺は一角(いずみ)に呆れ気味にそう言う。


 なにが悲しくてお祈りポイントで魔法使って、レベル45の魔物を倒して調味料を貰わねばならんのだ。


 そんな感じで、氷室に大量に積まれた豚肉の処理も終わり、明日使う焼肉のタレも入手し、日が暮れる。

 さっそく今日作った簡易燻製で作った方のベーコンでスープを作って食べる。

 ダンジョンで調味料を確保したついでに1階でウサギが落とす野菜、キャベツとニンジンも集め、それに、琉生(るう)の畑で取れたタマネギとトウモロコシの水煮もいれた贅沢なスープだ。もちろん味付けにコンソメと塩胡椒も使っている。

 それと明日乃(あすの)は、俺達がダンジョンに焼肉のタレを貰いに行っている間、小麦粉で半日かけてパンも作ってくれたらしく、久しぶりに美味しいパンも食べた。


 パンは発酵とか窯の余熱時間などを考えると半日以上かかるのであまり頻繁に食べられないのが玉に瑕だな。それに、柔らかいパンの材料、卵の生産量も多くないし、牛乳の供給量も心もとないので、バターづくりなどもあまりできない等の理由でパンを焼く頻度は下がる。せっかく小麦粉があるのに、時間と小麦以外の材料が足りないと。


 少し贅沢な具沢山スープと久しぶりの柔らかいパンを食べて早めに就寝する。明日は、北の平地に行って、川遊びと魚とりをする為に早めに起きたいからな。



【異世界生活 140日目 5:00】


 今日は早めに起きて朝食を食べて、川遊びの為に北の平地に行く。

 昨日焼いたパンを軽くたき火であぶり直し、トウモロコシの粉と瓶詰めのトウモロコシで作ったコーンポタージュと一緒に食べる。コンソメと牛乳入りだ。

 

「おいおい、これから河原で美味しいもの食べようって言っている日に、こんなおいしいスープとパン出すなよ明日乃(あすの)

一角(いずみ)が朝食をがっつきながらそう不満を漏らす。


「文句言うなら食うな」

俺はそう突っ込んでおく。

 うん、やっぱりパンは美味い。


「だって、昨日パン焼いたし、どうせ焼くなら多めに焼いて次の日の朝も食べられたらいいよねってなって、朝ごはんにパンだけじゃ寂しいなって、コーンスープ作りたくなっちゃったんだよね」

明日乃(あすの)が申し訳なさそうに言う。

 まあ、気持ちは分かるし、小麦が収穫できたせいで乾燥させたトウモロコシが結構余っているんだよな。しかも卵と牛乳不足で小麦の減りも遅いという。


「そういえば、コーンといえば、ウイスキー作りはどうなったの? コーンウイスキー作るんだったよね?」

麗美(れいみ)さんが思い出したようにそう言う。


「そういえば、ダンジョン攻略が忙しくて後回しになってたね」

一角(いずみ)が思い出したようにそう答える。


「ワイン作りで満足しちゃった感はあったな。すっかり忘れていたよ」

俺はそう言って笑いながら謝る。


「乾燥トウモロコシが結構余っているし、時間があれば作りたいんだけどね。お酒は料理にも使えるし、アルコールは色々使いみちありそうだしね」

明日乃(あすの)は時間があれば作りたいそうだ。


「とりあえず、今日1日ゆっくりして、明日、琉生(るう)の果物探しに付き合ったら、お酒造りの日を1日作ってもいいしな。またブドウも採れるだろうし、他の果物でもお酒やジュース、水煮にして果物の保存食作るついでにウイスキーも作ってもいいしな」

俺はそう言い、明後日あたりにお酒造りを提案する。


 朝食後、眷属達に拠点の留守番を任せて、今日は珍しく、7人で出かける。

 川遊びを全員で行くのってもしかして初めてかもしれないな。いままで、誰か一人は拠点に残っていたし。

 眷属達は俺達のレベルが上がると自動で眷属達も強くなるみたいで、いまや、眷属達だけで拠点を守らせても、安心して遠出ができる感じになった。

 例え、拠点がグレーターベア、強いクマに襲われたとしても眷属が2~3人いれば余裕で撃退できる。

 実際、最近ではオオカミやイノシシが畑や家畜を狙って拠点に近づいてくるのだが、眷属達が勝手に駆除してくれているのだ。とても助かっている。

 

 ちなみに眷属達も休ませたいんだが、眷属自身が休む気がないので困っている。休むという概念がないらしい。まあ、半分精霊、神様みたいなもんだしな。というか、神様が休みっぱなしというか寝っぱなしなんだが。


 とりあえず、拠点を西に進み、ある程度行った所で、北の丘を越える坂道を通り、小高い丘を越える。

 丘の頂上で少し休憩し、丘を北の平原に向けて下りていき、北の平原に到着。そこから西に歩くと、北の臨時拠点があり、その先に今日の目的地の川があるのだ。


「りゅう君、大丈夫? 荷物少し持とうか?」

明日乃(あすの)が心配そうに声を掛けてくる。

 河原でバーベキューをする為の鉄板と金網を背負っているのでかなりの重さだ。しかも金網といっても、針金を組んで作った元の世界でよく見る金網ではなく、鉄板に四角い穴をたくさん空けたもの。要は焼肉屋の穴あき鉄板の巨大な奴と思って欲しい。俺はその二つを担いでいるのだ。

 巨大な鉄板なので1枚が6~7キロあるし、網というか穴の開いた鉄板も4~5キロある。2枚で軽く10キロ越えだ。それを担いで小さい山を一つ越えてきた。俺、力持ちになったもんだな。

 さすがに明日乃(あすの)に持たせるわけにはいかないので気持ちだけもらっておく。

 

 川遊びをする河原には4時間くらいで到着。朝の9時過ぎくらいか。


「おい、一角(いずみ)琉生(るう)とスイカ探しに行くぞ」

俺は河原に荷物を置き、そう声を掛ける。


「ああ、私は魚を獲るから他の人と行ってくれ」

一角(いずみ)がそう言って早速水着になると川の方に行ってしまう。

 何故か奴は魚とりが好きらしい。猫じゃなくて狼だよな? 一角(いずみ)のケモミミは?


「私は、ビーチベッド作りかな? 拠点から持ってくるよりここで作った方が早そうだから、ビーチベッドを持ってこなかったし」

(すず)さんがそう言う。

 確かに竹製のビーチベッドは重いからな。鉄板だけで俺は精一杯だ。


明日乃(あすの)は料理の準備もあるだろうしな。麗美(れいみ)さんと真望(まも)かな?」

俺はそう提案する。


麗美(れいみ)さんは置いていってよ。変幻自在の武器も一角(いずみ)の1本じゃ作業が大変だし、人手も足りないし、明日乃(あすの)1人にするのも危険でしょ?」

(すず)さんがそう言って麗美(れいみ)さんも居残り組になる。

 河原に残るのは一角(いずみ)明日乃(あすの)(すず)さん、麗美(れいみ)さんの4人だ。


 そんな感じで、俺と琉生(るう)真望(まも)の3人でスイカと野菜の収穫に行くことになる。

 まあ、琉生(るう)のトラの霊獣に荷物運ぶ能力あるからスイカや野菜が担げなくなったら霊獣に担がせればいいしな。

 

 とりあえず、河原から来たに川沿いに下っていくと、小麦畑がありその手前に野菜が自生しているエリアがある。


「とりあえず、野菜は帰りだな。先にスイカを見つけてから帰りに野菜を収穫しよう」

俺はそう提案し、畑と小麦畑を通過する。

 刈り残した小麦を横目に刈り残しが勿体ない気もするがこれ以上は雑草も多く手間がかかりそうなので今年はスルーだ。

   

 そして、海が見えたあたりで足元が砂地になる。


「スイカはここから東に少し歩いたところにあります。それと、右手に生えているのがニセアカシアの木です。なめし皮を作るなら、この木の皮からタンニンを煮出すのがお勧めです」

秘書子さんがそう教えてくれる。

 

「そういえば、なめし皮を作るみたいな話があったな」

俺はそんなことを思い出し呟く。


「ダンジョンでドロップする毛皮がなめし加工してあったからね。結局、倒した熊やイノシシの皮は無駄になっちゃったのよね」

真望(まも)がそう呟く。

 そうなんだよな。ウサギの皮がダンジョンでドロップしだしたころから毛皮が余りだして、なめし加工も必要ないというのでそっちに頼りきりになってしまった。


 そんなことを考えながらニセアカシアの群生地を横目に東に移動すると、目的のものが見えてくる。


流司(りゅうじ)お兄ちゃん、スイカだよ。そのまんまスイカだよ」

琉生(るう)が嬉しそうにそう言って駆けていく。

 多分、神様と秘書子さんが一生懸命植えたんだろうな。一応自然に育ったことになってはいるが、品種とかはまんま、元の世界のスイカを移植した感じだ。


「自然のままに育ったスイカ、手入れをしていないスイカなので、中が空洞になって食べられないものや美味しくないものも多いと思いますので多めにお持ち帰りください」

秘書子さんがそう教えてくれる。

 中に空洞ができてしまうと甘味が極端に落ちたり、最悪腐ったりしてしまう場合があるそうだ。


「秘書子さんの話だと、スイカ割り用にまるごとをいくつか良さそうなのを持って帰って、食べるようには一度割って中を確認したものを持って帰った方がよさそうね」

真望(まも)がそう言い、琉生(るう)も頷く。

 まあ、ここから河原も近いし、一度ナイフで割ってしまっても、切断面を合わせて持って帰れば乾燥したり腐ったりすることもないだろう。それより、中を確認せずに腐ったスイカを持って帰る方が悲しいしな。


「とりあえず、叩けば美味しいか分かるんじゃないか?」

俺は冗談でそう言い、スイカを叩いてみる。

 うん、分からん。


「素人にはちょっとわからないと思うよ」

琉生(るう)がそう言って笑い、なんか独特の手つきでスイカを叩いていく。

 両手で挟んで叩いたり、1回だけ叩いたり、こんこんと軽く何度か叩いたり。音を聞いたり、聞かなかったり。うん、全く分からん。


「たぶん、これと、これは中がちゃんと詰まってるし、食べごろじゃないかな?」

琉生(るう)が10個以上叩いてその中から2つを選ぶ。

 その後もスイカを叩きながら選別し、10個のスイカを選ぶ。

 結局、切って中を確認する必要なさそうだな。さすがに琉生(るう)がスイカにも詳しいとは予想していなかった。 


「さすがにこんなに食べないだろ?」

俺は呆れ顔で琉生(るう)に言う。


「もちろん、明日拠点に帰る人に持って帰ってもらって氷室に入れといてもらうんだよ。6~7個くらいなら腐る前に食べられると思うし、もしかしたら美味しくないスイカも混ざっているかもしれないしね」

琉生(るう)がそう答える。


「とりあえず、1つだけ割ってみるか?」

俺は琉生(るう)に聞いてみる。


「そうだね。私もスイカの選別はうろ覚えだしね。おばあちゃんに教わったことがあるけどそんなに得意じゃないし」

琉生(るう)がそう言う。

 ちなみに琉生(るう)のお祖母ちゃんは自給自足のプロで東京の山奥で農業と畜産をしていて、琉生(るう)もたまに手伝いに行っていた感じだ。さすがにお祖母ちゃんもスイカは作っていないだろうけど。作っていないよな?


 そんな感じでとりあえず、1個ナイフで切ってみる。外見は普通の緑に黒縞のまんまるなスイカだ。

 半分に切ると、中は真っ赤で黒い種のある、普通のスイカだった。


「味見もしてみるか?」

俺は琉生(るう)真望(まも)に聞いてみる。


「少しだけだよ?」

琉生(るう)がそう言うので、とりあえず、輪切りにして、3等分。輪切りにしたのは切断面をくっつけて乾燥させないようにして持ち帰るためだ。ラップとかこの世界にはないからな。


「うん、普通にスイカだわ」

真望(まも)がスイカにかじりついてそう言う。


「ああ、普通だな。凄くうまいかと言われると、微妙だが、そこそこ甘いし、みずみずしいし、まあ、普通のスイカだな」

俺もそれ以上感想が言えないくらいの普通のスイカだった。

 たぶん、もとの世界の八百屋で買ったら、外れに近い出来のスイカだが、無人島のような世界で、自然に育ったスイカだ。上出来だと思う。


 農業のプロの琉生(るう)もちょっと微妙な味だったみたいで微妙な顔だった。


「中も空洞になってないし大丈夫そうだね。じゃあ、これを持ち帰って、途中の畑でバーベキューに使う野菜を採って帰ろう」

琉生(るう)はそう言って、背負ってきた竹かごにスイカを入れていく。

 うん、野菜を入れるスペースないんじゃないか?


 そんな感じで籠いっぱいのスイカを3人で持ち帰り、途中、畑でトマトやキュウリ、レタス、人参やタマネギ、ナスといった野菜を収穫し、籠とは別に持って来たリュックサックに入れて手で持って帰る。サラダと焼き野菜、万全だな。


 河原に着くとお昼を過ぎて1時になっていた。急いでバーベキューの準備だ。


 次話に続く。

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