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神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第2章 改訂版(今から読む方はここからお読みください)
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第142話 南西の島のダンジョン攻略と次の目標

【異世界生活 132日目 11:30】


「よーし、お待ちかねの、変幻自在の武器の授与だね」

琉生(るう)が嬉しそうにそう言い、奥の扉をめざす。


「おい、琉生(るう)、ドロップアイテム回収してからだぞ」

俺はそう言って、琉生(るう)を止めて敵を倒したことでドロップしたアイテムを拾う。

 ラスボスのドロップは鋼製の大きな両刃の斧だ。とどめを刺した琉生(るう)が使いやすそうな大きさに調整されているっぽい。鋼製で丈夫なので戦闘以外にも使えそうだ。

 腕や足の部分は元、取り巻きだったらしく、ゴーレムのコアの数だけドロップアイテムが出るようだ。

 取り巻きもオークという設定だったようで、豚肉と鋼の武器や防具をドロップしている。オークの肉ではなく豚肉だ。

 そして各階のボス部屋にもあったような宝箱がここにもあり、中には鋼の防具が入っていた。

 鋼の防具と武器は全員コンプリートしてしまっているのであまりありがたみがないが。


 ドロップアイテムを回収し、次はとうとう期待の琉生(るう)専用の変幻自在の武器の確保だ。

 ボス部屋の奥にある扉を抜けると、ダンジョンクリア報酬の部屋がある。


 そして、部屋の真ん中には大理石のような物でできた四角い台座がある。

 うん、いつものやつだ。台座についた金属製のプレートにはいつも通り、『土の精霊の迷宮を攻略した者への褒美として土の精霊の加護を宿した武器を与える』と書いてあった。いつもとほぼ同じだ。

 そしてその中央に剣の柄だけのような、リレーで使うバトンみたいな金属にファンタジー風な装飾をした金属の棒が安置されている。これが変幻自在の武器、本名は『精霊の剣』だ。


 今回は土属性の魔法を使う琉生(るう)がそれを手に取る。

 

「うん、これで、農業がさらに捗りそうだよ」

琉生(るう)が嬉しそうにそう言って、さっそく、すきくわに変化させている。

 もっと魔物を倒すのに使ってくれよと神様が泣きそうだが。


 そして、これもお約束で部屋が光りに包まれる。


「よかったな、ルウ。念願の変幻自在の武器だ。農業もいいが、魔物狩りもしっかりやってくれよ」

そう言って、いつものうさん臭いおっさんが現れる。


「でも、農業や畜産が軌道に乗って文明レベルが上がれば神様もうれしいよね?」

琉生(るう)が神様にタメ口で言う。


「まあ、それもそうなんだが。パンとか作れるようになったのはかなり進歩だし、文明レベルが上がってありがたい」

神様はそう言って笑う。


「だったら、神様が力で電化製品とか車とか文明レベル上がる物をくれればいいんじゃないか?」

一角(いずみ)がそう文句を言う。


「そのあたりは色々あってな。急激な文明の進歩を求めていないというか、ある程度のところで文明は止めたいみたいな? 元の世界みたいに戦争だらけの世界にはしたくないんだよ」

神様が困った顔でそういう。

 神様は世界のやり直しを希望しているのか? それとも上司とかいう神様にやらされているのか? 

 よく分からないが、何か色々制限はあるようだな。


「それと、今後なんだが、レベル上げはレベル100までエンドレスな感じになる。なんといったらいいか、エクストラモードっていうのか? レベルアップによる魔法の習得とかはもうない感じで、あとはひたすらステータスが上がる感じだ」

神様がそう言う。


「元の世界で言う、RPGクリア後に全キャラ最大までレベル上げる楽しみみたいなやつか」

一角(いずみ)がそう聞き返す。


「まあ、そんな感じだ。あくまでもラスボスは7つ目のダンジョンの5階のボスなんでゲームクリアはしてないけどな。そして、7つ目のダンジョンをクリアするためにもレベルは高ければ高いほどいい」

神様は一角(いずみ)にそう答える。


「とりあえず、ダンジョン7つクリアしないと落ち着いて生活できなそうなんでやりますけどね」

俺は神様にそう答える。

 7つ目のダンジョンをクリアしないと俺専用の変幻自在の武器が手に入らないし、そうなると、俺の眷属のレオが1年で消滅するらしいし、何より魔物の島の魔物の数を減らさないと俺達が住んでいる島を守っている結界が壊されて魔物がなだれ込んで来るらしいしな。


「4か月弱で半分以上のダンジョンをクリアしたんだ。7つのダンジョンをクリアするのもあっという間だろ?」

神様が俺にそう言って笑う。


「そうはいっても、魔物も強い魔法を使うようになってきましたし、火を吐くドラゴンとかいたり、ねえ?」

麗美(れいみ)さんがそう言って嫌な顔をする。


「魔法が面倒臭そうなら、全員魔法使えない世界にしてもいいぞ。武器だけで戦う世界。その方が俺も楽だしな」

神様がそう言って笑う。


「それはそれで面倒臭そうですね。魔物100体以上を剣で斬り倒すとか、それを何度もやらなくちゃいけないとか結構無理ゲーですし」

麗美(れいみ)さんがそういってぐったり肩を落とす。

 魔物と俺達が同時に魔法を使えなくなっても弓矢とか飛び道具は残るからな。魔物100体の弓矢攻撃とか嫌すぎるしな。


「とりあえず、現状のままでお願いします」

俺はそう言う。とにかく魔法無しでは数の暴力と飛び道具に対応できない。


「まあ、魔法のない世界に変える気は最初からなかったけどな。せっかくの異世界なんだから、魔法は欲しいもんな」

やたら人間臭い神様がそう言って笑う。


「とりあえず、引き続き頑張って、魔物減らしとダンジョン攻略をがんばってくれや」

そう言って手を振りながら消えていくおっさん。

 ああ、ボス部屋の急な改装の文句をいうのを忘れたよ。


 そんな感じでいつもの報酬部屋イベントも終わり、副賞の調味料選びになる。


「今日は何にする?」

一角(いずみ)明日乃(あすの)に聞く。


「うーん、無難に醤油とか味噌がいいと思うんだけどね。最近、魚が不足気味で豚肉が沢山余っているから、醤油より胡椒って気もするんだよね、ベーコンとか沢山作りたいし」

明日乃(あすの)がそう言って悩む。

 

「ベーコンをスープにするときにコンソメの素も欲しくなるよね。あと、普通に豚肉と味噌って相性いいし、味噌も捨てがたいよね」

琉生(るう)がそう助言する。

 確かに味噌仕立ての豚汁とか鍋とか美味しいよな。


「白菜と豚肉のお鍋とか美味しいよね。お味噌で作ったら美味しそう」

明日乃(あすの)がそう言って、みんなの気持ちが味噌に揺らぐ。


「白菜はないけどね。キャベツで作っても美味しいよね。豚肉とキャベツのお鍋?」

琉生(るう)がそう言って笑う。収穫時期が冬なのか、白菜がないのが痛いんだよな


「とりあえず、明日もダンジョン来るんだろ? 琉生(るう)のレベルを上げておきたいし、それ以降は(すず)さんのレベルも上げたいしな。色々調味料貰えばいいんじゃないか?」

俺はそう結論付ける。


「そうだな。今日はとりあえず、味噌を貰おう。で、明日は胡椒。で(すず)さんのレベル上げの時にコンソメの素や醤油を貰えばいいか」

一角(いずみ)がそう言い、今日は味噌を貰うことになった。


 変幻自在の武器をとると、大理石風の台座についていたパネルが販売機のボタンのようになり、ダンジョンクリアの副賞の調味料が選べるようになるのだ。

 一角(いずみ)は味噌のボタンを押すと、台座から陶器の壺が現れる。


「お、結構大きいな。ダンジョンが難しくなると調味料の量も増えるのか」

一角(いずみ)が嬉しそうにそう言う。

 4つ目のダンジョンだから4食分くらいの量って感じか? お鍋が4回できそうな量の味噌が手に入った。


 そんな感じで、琉生(るう)専用の変幻自在の武器と副賞の調味料を貰いとりあえず、西の臨時拠点に帰ることにする。

 ダンジョンで拾った豚肉70食分くらいとイノシシ肉20食分、そして持てるだけの鋼の武具を持って帰る。防具はダブりだしているが、一応、琉生(るう)の予備武器と(すず)さんが加工する為に持ち帰る。

 まあ、余った鋼の武具は拠点の側の西の川に橋が完成するまでは臨時拠点に保管する感じかな? 今、大量に持ち帰っても西の川を渡河するのにいかだで往復する感じなので効率が悪いしな。


 とりあえず、明日乃(あすの)が朝作ってくれた肉野菜炒め弁当を冷めたまま食べて軽く休憩した後、ドロップ品を入口のエントランスまで運び、外に魔物がいないか確認してから、琉生(るう)の虎の霊獣をたくさん出して鋼の武具を積んでいく。

 まあ、こんなに要らないんだろうけど、(すず)さんの意見を聞かずに捨てると泣きそうだしな。 

 ある程度、鋼の在庫が貯まるまでは持ち帰ることにする。

 あと、ワータイガーのドロップアイテム、虎の毛皮も一応持ち帰る。デザインは下品だが、質は悪くない毛皮なんだよな。 


 周りを警戒しながらたくさんの霊獣を引き連れて、魔物の島を縦断、白い橋まで魔物に出会うことなく帰路に着くことができた。

 そのまま、西の臨時拠点に帰り、家に鋼の武具を放り込む。

 うーん、家が手狭になりそうだな。



【異世界生活 132日目 15:00】


 俺達は臨時拠点で軽く休憩し、ドロップ品の整理をする。

 余ったドロップ品の豚肉やイノシシ肉は一角(いずみ)のワシの霊獣を召喚して、拠点に空輸する。

 とりあえず、拠点にいる真望(まも)(すず)さんも料理は苦手なので、氷室に放り込んでもらう様に手紙代わりの木の板をつけてワシを飛ばす。

 一角(いずみ)のワシの霊獣は1体あたり最大7キロ程度しか荷物を運べないので、鋼の武具の運搬は効率が悪いので保留しておく。まあ、拠点に鋼の在庫はまだあるだろうしな。


 陽が落ちるまで、俺と一角(いずみ)麗美(れいみ)さん、琉生(るう)の4人は拠点の裏にある森に入り、倒木を切り分けて臨時拠点に運ぶ作業をする。

 臨時拠点の留守番をしてくれている眷属のトラとアルが3軒目の家を作ってくれているのでその材料の確保だ。

 ドロップ品の倉庫とかもあるとありがたいから、最終的には家を4軒作ってもいいかもしれないな。2軒をメンバーの家として使い、1軒を眷属専用の家、残り1軒は倉庫として使う感じで。

 眷属達も何もしないで留守番しているのは苦痛みたいだしな。 


 陽が落ちるので作業を中断し、臨時拠点に帰り、夕食を食べる。

 ドロップ品の豚肉と拠点から持って来た野菜の瓶詰で豚肉と野菜の鍋を作る。味はもちろん味噌味だ。

 ガラス瓶ができたおかげで野菜や肉の保存ができるようになりかなり食生活が向上したな。


 明日も早いので軽く体を水で拭いて早めの就寝。日課のお祈りも忘れずにしておく。

 お祈りポイントは15万ポイント以上ある。まだまだ魔法は使いたい放題って感じだ。



【異世界生活 133日目 2:30】


 昨日、4つ目のダンジョンも無事クリアして、目的の琉生(るう)専用の変幻自在も手にいれたが、琉生(るう)のレベルを50近くまで上げておきたいので今日も早起きしてダンジョンに挑戦、レベル上げをする。

 とりあえず、寝坊助の麗美(れいみ)さんを叩き起こし、朝食を食べダンジョンに向かう。


 6時開門前のダンジョン争奪戦はアースリザードマンが20体のみ。オークもワータイガーもかなり数を減らしたので拠点防衛で精一杯といったところなのだろう。


 一角(いずみ)麗美(れいみ)さんの合体魔法で、アースリザードマンを一掃する。

 ぶっちゃけ、魔物に魔法を使われて苦戦するより、先手必勝、最強の魔法で一気に倒してしまった方がお祈りポイントの効率もいいという。


 6時になると同時にダンジョンが入場可能になり、一角(いずみ)が先頭でダンジョンに入る。

 ここからは昨日と大体一緒で、ひたすら琉生(るう)のレベルを上げる作業だ。


 5階のボスの改変に苦労はしたが今日も無事ダンジョンを制覇。クリア褒賞の調味料は胡椒を貰った。


 ちなみにメンバーのレベルは


流司(りゅうじ)  レベル48→レベル49

明日乃(あすの) レベル50

一角(いずみ)  レベル49→レベル50

麗美(れいみ)  レベル49→レベル51

琉生(るう)  レベル46→レベル53

 

 琉生(るう)のレベルが十分に上がったので、午後は拠点に帰り、(すず)さんとパーティメンバーを入れ替える。


 ドロップ品の豚肉とイノシシ肉は一角(いずみ)のワシの霊獣で先に運搬し、俺達は持てるだけの鋼の武具を担いで拠点に帰る。

 今回、鋼の武具の運搬に霊獣を使わないのは拠点の西にある川をいかだで渡るのに労力がかかりすぎるからだ。



【異世界生活 133日目 18:00】


「お帰り、みんな。豚肉は氷室に入れてあるわよ。というか、毎日送ってき過ぎよ」

留守番の真望(まも)が半ギレで迎えてくれる。

 (すず)さんも今日の作業が終わったようで鍛冶工房から出てきて迎えてくれる。

 氷室には昨日と今日、一角(いずみ)の霊獣で送った豚肉とイノシシ肉がいっぱいだそうだ。


「とりあえず、明日、保存食にしないとね」

明日乃(あすの)がそう言う。


「胡椒もたくさんあるからベーコンたくさん作ろうよ」

琉生(るう)が嬉しそうに明日乃(あすの)に提案する。


「胡椒は少し残しておいてくれよ。なんかあった時に味が足りないご飯とか食べたくないしな」

一角(いずみ)がそう懇願する。

 確かに胡椒があるとないとでは味が断然変わる料理は多い。


「胡椒はたくさん欲しいね。できれば栽培もしたいよ」

琉生(るう)がそう言う。


「一応、次に行く予定の北東の魔物の島に胡椒が自生しています」

アドバイザー女神様の秘書子さんがぼそっとそう呟く。


「マジか? 取りに行くぞ」

「うん、取りに行こう。そして苗が持ち帰れそうなら持ち帰ろう」

一角(いずみ)琉生(るう)がやる気になる。


「イズミ様、ルウ様、残念ながら、胡椒の収穫時期は3月なので、今行っても収穫できません。そして残念ながら、胡椒は北東の島、火山島独特の高温地域でしか栽培できません」

秘書子さんがしれっとそう答える。

 やる気になった一角(いずみ)琉生(るう)がぐったり肩を落とす。

 今は8月中旬くらいなので半年以上待たないと収穫ができないという事か。


「とりあえず、南西の島のダンジョンで調味料を取りまくるぞ。(すず)さんのレベルも上げないといけないしな」

一角(いずみ)がそう言ってやる気を取り戻す。


「え~、私もダンジョン行くの? 鍛冶とかカヌー作りとかやることいっぱいあるのに」

(すず)さんが嫌そうな顔をする。


「そりゃ、行かなきゃダメでしょ? 一人だけレベル30台だし、新しい魔法覚える為にも最低でもレベル41にはなっておかないと」

麗美(れいみ)さんが呆れ顔でそう言う。


「どうせ、またひきこもるだろうから、レベル50くらいまで上げておいた方がいいわよ」

真望(まも)(すず)さんを冷やかすようにそう言う。


真望(まも)、お前もだからな。レベル46じゃ(すず)さんがレベル50になった時にはお前、ダントツのビリになるぞ」

俺はそう突っ込んでおく。

 とりあえず、今の目標は全員レベル50以上だ。


 そんな感じで、久しぶりに全員集合で夕食を食べ、明日以降の予定も決めていく。

 とりあえず、明日はドロップアイテムの豚肉やイノシシ肉を保存食にする作業をし、明後日以降、もう一度南西の島のダンジョンに行き(すず)さんのレベル上げをする予定になった。ついでに真望(まも)のレベルも上げないとな。


 そして、それが終わったら北東の魔物の島のダンジョン、5つ目のダンジョンの攻略と魔物を減らす魔物狩りだ。

 たぶん、ドラゴンもその島で待っている。


 次話に続く。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今思ったのですが変幻自在の武器を切る武器じゃなくて、ハンマーなどの鈍器みたいに殴る武器に変身させるのは有りなのではと思いました。丸太は全てを解決するなんてよく言われますし(知らないけど)、鈍…
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